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うちこ
ふりがな文庫
“
打込
(
うちこ
)” の例文
東郷大将
(
とうごうたいしょう
)
の名は知って居るが、天皇陛下を知らぬ。
明治天皇
(
めいじてんのう
)
崩御
(
ほうぎょ
)
の際、妻は天皇陛下の概念を其原始的頭脳に
打込
(
うちこ
)
むべく大骨折った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
金毛九尾の狐でも
宜
(
よ
)
い、
葛
(
くず
)
の葉
更
(
さら
)
に結構、
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にも、この女性に
飽々
(
あきあき
)
した心を
沸
(
たぎ
)
り返らせて、命までもと
打込
(
うちこ
)
ませる魅力を発散する女は無いものであろうか。
猟色の果
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
奇觀
(
きくわん
)
、
妙觀
(
めうくわん
)
と
謂
(
いつ
)
つべし。で、
激流
(
げきりう
)
に
打込
(
うちこ
)
んだ
眞黒
(
まつくろ
)
な
杭
(
くひ
)
を、
下
(
した
)
から
突支棒
(
つツかひぼう
)
にした
高樓
(
たかどの
)
なぞは、
股引
(
もゝひき
)
を
倒
(
さかさま
)
に、
輕業
(
かるわざ
)
の
大屋臺
(
おほやたい
)
を、チヨンと
木
(
き
)
の
頭
(
かしら
)
で
載
(
の
)
せたやうで
面白
(
おもしろ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
数千本の丸太を湖の浅い部分に
打込
(
うちこ
)
んで、その上に板を
渡
(
わた
)
し、そこに彼等の家々は立っている。
床
(
ゆか
)
のところどころに作られた落し戸を
開
(
あ
)
け、
籠
(
かご
)
を
吊
(
つる
)
して彼等は湖の魚を
捕
(
と
)
る。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
関東ではひろくネッキともネンボウとも呼んでいるが、それがまた木の
鉤
(
かぎ
)
のさきを
尖
(
とが
)
らしたものを、柔かい田の土などの中に
打込
(
うちこ
)
んで、相手の立てたのを倒す遊びであった。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
目元
(
めもと
)
に
宿
(
やど
)
れる
露
(
つゆ
)
もなく、
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
りたる
決心
(
けつしん
)
の
色
(
いろ
)
もなく、
微笑
(
びせう
)
の
面
(
おもて
)
の
手
(
て
)
もふるへで、
一通
(
いつゝう
)
二通
(
につう
)
八九通
(
はつくつう
)
、
殘
(
のこ
)
りなく
寸斷
(
すんだん
)
に
爲
(
な
)
し
了
(
をは
)
りて、
熾
(
さか
)
んにもえ
立
(
た
)
つ
炭火
(
すみび
)
の
中
(
なか
)
へ
打込
(
うちこ
)
みつ
打込
(
うちこ
)
みつ
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自然
(
しぜん
)
の
法則
(
ほうそく
)
は
依然
(
いぜん
)
として
元
(
もと
)
のままです、
人々
(
ひとびと
)
はやはり
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
く
病
(
や
)
み、
老
(
お
)
い、
死
(
し
)
するのでしょう、どんな
立派
(
りっぱ
)
な
生活
(
せいかつ
)
の
暁
(
あかつき
)
が
顕
(
あら
)
われたとしても、つまり
人間
(
にんげん
)
は
棺桶
(
かんおけ
)
に
打込
(
うちこ
)
まれて
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
余りの事に友之助が
騙
(
かた
)
りめ泥坊めと大声を放って
罵
(
のゝし
)
りますと、門弟どもが一同取ってかゝり、友之助を
捕縛
(
ほばく
)
して表へ引出し、さん/″\
打擲
(
ちょうちゃく
)
した
揚句
(
あげく
)
の
果
(
はて
)
、割下水の
大溝
(
おおどぶ
)
へ
打込
(
うちこ
)
み
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
方様
(
かたさま
)
に口惜しい程憎まれてこそ
誓文
(
せいもん
)
移り気ならぬ真実を命
打込
(
うちこ
)
んで御見せ
申
(
もうし
)
たけれ。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
水煙
(
すいゑん
)
は
飛
(
と
)
ぶ、
逆浪
(
さかなみ
)
は
打込
(
うちこ
)
む、
見上
(
みあ
)
ぐる
舷門
(
げんもん
)
の
邊
(
ほとり
)
、「ブルワーク」のほとり、
士官
(
しくわん
)
、
水兵
(
すいへい
)
頻
(
しき
)
りに
叫
(
さけ
)
んで、
我
(
わ
)
が
艇尾
(
ていび
)
の
大尉
(
たいゐ
)
は
舵
(
ラタ
)
の
柄
(
え
)
を
碎
(
くだ
)
けんばかりに
握
(
にぎ
)
り
詰
(
つ
)
めて、
奈落
(
ならく
)
に
落
(
お
)
ち、
天空
(
てんくう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
或
(
ある
)
日
(
ひ
)
彼
(
かれ
)
は
木
(
き
)
の
株
(
かぶ
)
へ
唐鍬
(
たうぐは
)
を
強
(
つよ
)
く
打込
(
うちこ
)
んでぐつとこじ
扛
(
あ
)
げようとした
時
(
とき
)
鍛
(
きた
)
へのいゝ
刃
(
は
)
と
白橿
(
しらかし
)
の
柄
(
え
)
とは
強
(
つよ
)
かつたのでどうもなかつたが、
鐵
(
てつ
)
の
楔
(
くさび
)
で
柄
(
え
)
の
先
(
さき
)
を
締
(
し
)
めた
其
(
そ
)
の
唐鍬
(
たうぐは
)
の四
角
(
かく
)
な
穴
(
あな
)
の
處
(
ところ
)
が
俄
(
にはか
)
に
緩
(
ゆる
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
地獄の鬼だって、そんな
虐
(
むご
)
たらしい事ばかり追い廻しちゃ居まい——それほど芸とやらが大事なら、
美事
(
みごと
)
私も成敗しておくれ。お察しの通り欽さんは私の命まで
打込
(
うちこ
)
んだ深間さ。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お村は
昨夜
(
ゆうべ
)
の夜半より、藪の
真中
(
まなか
)
に
打込
(
うちこ
)
まれ、身動きだにもならざるに、酒の
香
(
か
)
を
慕
(
した
)
ひて
寄来
(
よりく
)
る
蚊
(
か
)
の群は謂ふも
更
(
さら
)
なり、何十年を経たりけむ、
天日
(
てんじつ
)
を
蔽隠
(
おおひかく
)
して昼
猶
(
なほ
)
闇
(
くら
)
き大藪なれば
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
残りなく寸断に
為
(
な
)
し終りて、
熾
(
さか
)
んにもえ立つ炭火の
中
(
うち
)
へ
打込
(
うちこ
)
みつ打込みつ、からは灰にあとも
止
(
とゞ
)
めず、煙りは空に
棚引
(
たなび
)
き消ゆるを、「うれしや、
我
(
わが
)
執着も残らざりけるよ」と
打眺
(
うちなが
)
むれば
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自然
(
しぜん
)
の
法則
(
はふそく
)
は
依然
(
いぜん
)
として
元
(
もと
)
の
儘
(
まゝ
)
です、
人々
(
ひと/″\
)
は
猶且
(
やはり
)
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
く
病
(
や
)
み、
老
(
お
)
い、
死
(
し
)
するのでせう、
甚麼立派
(
どんなりつぱ
)
な
生活
(
せいくわつ
)
の
曉
(
あかつき
)
が
顯
(
あら
)
はれたとしても、
畢竟
(
つまり
)
人間
(
にんげん
)
は
棺桶
(
くわんをけ
)
に
打込
(
うちこ
)
まれて、
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
とう
)
じられて
了
(
しま
)
ふのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
巡「コラ分らぬ奴じゃ、これへ二人の者を
打込
(
うちこ
)
んだではないか」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
可
(
よし
)
、と
打込
(
うちこ
)
んで、ぐら/\と
煮
(
に
)
える
処
(
ところ
)
を、めい/\
盛
(
もり
)
に、フツフと
吹
(
ふ
)
いて、」
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
浜にいるのが
胡坐
(
あぐら
)
かいたと思うと、テン、テン、テンテンツツテンテンテン波に
丁
(
ちょう
)
と
打込
(
うちこ
)
む太鼓、油のような
海面
(
うなづら
)
へ、
綾
(
あや
)
を流して、響くと同時に、水の中に立ったのが、一曲、
頭
(
かしら
)
を
倒
(
さかさま
)
に。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
カン/\カン/\と、
不意
(
ふい
)
に
目口
(
めくち
)
へ
打込
(
うちこ
)
まれるやうに
響
(
ひゞ
)
きました。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“打”で始まる語句
打
打擲
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打毀