“うちこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
打込46.3%
打粉26.8%
打懲4.9%
打越4.9%
内子2.4%
打僵2.4%
打毀2.4%
打籠2.4%
打紛2.4%
打罩2.4%
打転2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金毛九尾の狐でもい、くずの葉さらに結構、にもかくにも、この女性に飽々あきあきした心をたぎり返らせて、命までもと打込うちこませる魅力を発散する女は無いものであろうか。
猟色の果 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
それから今度こそ帯のように長く展して行って打粉うちこを振って双方から畳んで、そのまままた展してまた畳んで三度あるいは四度位展します。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
目指すかたきの蟠龍軒は生憎あいにく不在と承知いたし、無念かたなく手向う門人二三を打懲うちこらし、庭に残して置きました村と婆を切殺して其の儘帰宅致しました、このお村という奴は顔に似合わぬ毒婦にて
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しはつ山打越うちこえくれは笠縫かさぬひの島き帰る棚なし小舟をぶね 高市連黒人たかいちむらじくろと
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
ところがこの「味噌」はまだ、全くの序の口で、背の両側の肉の中にある内子うちこが、こうばく蟹の真髄である。
母性愛の蟹 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
やをら起たんと為るところを、蒲田が力に胸板むないたつかれて、一耐ひとたまりもせず仰様のけさま打僵うちこけたり。蒲田はこのひまに彼の手鞄てかばんを奪ひて、中なる書類を手信てまかせ掴出つかみだせば、狂気の如く駈寄かけよる貫一
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
鉄槌かなづちを以て器械に附着したる氷雪を打毀うちこわす等、その他千種万態ばんたいなる困難辛苦を以て造化の試験を受けてやや整頓のちょに就かんとせし所に、はからずもさい登山しきたりたり
寝そべって戯談じょうだんを言合ったりしていた小野田と云う若い裁縫師と一緒に、お島が始めて自分自身の心と力を打籠うちこめて働けるような仕事に取着こうと思い立ったのは、その頃初まった外国との戦争が
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
富山七之助は、それを手入れするのが何よりの樂しみで、暇さへあれば拭いたり撫でたり、打紛うちこを叩いたり、自分の顏を映したり、二つ三つ振つて見たり、まことに他愛もありません。
それ故に女子がその中に打罩うちこめられて、社会と縁を切ってしまった。これが主に亜細亜アジア諸国の堕落して国勢の振わないゆえんである。
女子教育の目的 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
ちようあたりてひるむその時、貫一は蹶起はねおきて三歩ばかりものがれしを打転うちこけし檳榔子のをどかかりて、拝打をがみうちおろせる杖は小鬢こびんかすり、肩をすべりて、かばん持つ手をちぎれんとすばかりにちけるを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)