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いで
ふりがな文庫
“
在
(
いで
)” の例文
「それぢやその新聞が違つてゐるのだよ。阿父さんは
先之
(
さつき
)
病院へ見舞にお出掛だから、間も無くお
帰来
(
かへり
)
だらう。まあ
寛々
(
ゆつくり
)
してお
在
(
いで
)
な」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「お互いに是は思い掛けない、縁と云うものは妙だ、国を出たのは昨年の秋で、貴方も国にお
在
(
いで
)
のないという事は人の噂で聞きました」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこで
土間
(
どま
)
へ
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
へて、「
何
(
ど
)
ういふ
御修行
(
ごしゆぎやう
)
が
積
(
つ
)
んで、あのやうに
生死
(
しやうじ
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
平氣
(
へいき
)
でお
在
(
いで
)
なされた」と、
恐入
(
おそれい
)
つて
尋
(
たづ
)
ねました。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ああ、妾が
必然
(
きっと
)
連れて来て見せるから、
温順
(
おとなし
)
くして待ってお
在
(
いで
)
。え、それでも
忌
(
いや
)
かえ。ねえ、お葉さん、
確乎
(
しっかり
)
返事をお
為
(
し
)
よ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
終
(
つひ
)
に其場へ切
伏
(
ふせ
)
たり斯て兩人はホツと一
息
(
いき
)
吐
(
つく
)
處へお里も
遁
(
やが
)
て
駈
(
かけ
)
來り其所に御
在
(
いで
)
は父樣かといふ聲
聞
(
きい
)
てオヽお里か能マア無事でと親子三人
怪我
(
けが
)
のないのを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
召上つてお
在
(
いで
)
で御座いました。重三さんがいきなり、お孃樣の御飯が、變な色だから、と急に止めなさるんです
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こちらに御
在
(
いで
)
で遊ばしゃ遊ばしたで、是非にも御殿様でなくちゃというような事がいくらでもあるんです
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
大原さんの前に
叔父
(
おじ
)
さんだの
叔母
(
おば
)
さんだの御両親だのがズラリと並んで大原さんに何か言っていると、大原さんはただモー閉口した御様子で下ばかり向いてお
在
(
いで
)
でした。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「だけど、
阿母
(
おつか
)
さん、そりや
阿父
(
おとつ
)
さんが生きてお
在
(
いで
)
だツたら、此様に
世帶
(
せたい
)
の苦勞をしないでゐられるかも知れないけれども、其の
代
(
かわり
)
また何様な苦勞かあるか知れたもんじやないのね。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
修「幸三郎さんは
慥
(
たし
)
か霊岸島辺にお
在
(
いで
)
になって、其の頃はお
独身
(
ひとかた
)
のよう承わりましたが、只今では御妻君をお迎えになりましたか」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「さやうでございますよ、
年紀
(
としごろ
)
四十ばかりの
蒙茸
(
むしやくしや
)
と
髭髯
(
ひげ
)
の
生
(
は
)
えた、
身材
(
せい
)
の高い、
剛
(
こは
)
い顔の、
全
(
まる
)
で壮士みたやうな
風体
(
ふうてい
)
をしてお
在
(
いで
)
でした」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お稲ちゃんは、またそんなでいて、しくしく泣き暮らしてでも、お
在
(
いで
)
だったかと思うと、そうじゃないの……
精々
(
せっせ
)
裁縫
(
おしごと
)
をするんですって。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若
(
も
)
し
此
(
こ
)
の女がここの
門
(
かど
)
を
潜
(
くぐ
)
った所を見ると、妾は
何日
(
いつ
)
でも
押掛
(
おしか
)
けて来て、頭の毛を一本一本引ッこ抜いて
与
(
や
)
るから、
然
(
そ
)
う思ってお
在
(
いで
)
なさい。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
妻君その様子の
劇
(
あわ
)
てたるを笑い「ハイ来てお
在
(
いで
)
です、モシお登和さん」と振返りて呼びけるにお登和も
詮方
(
せんかた
)
なく座敷へ入りしが心に
憚
(
はばか
)
る事ありけん、
余所余所
(
よそよそ
)
しく大原に黙礼せしのみ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
などゝいふから、
益々
(
ます/\
)
国王
(
こくわう
)
は
得意
(
とくい
)
になられまして、
天下
(
てんか
)
広
(
ひろ
)
しと
雖
(
いへ
)
ども、
乃公
(
おれ
)
ほどの
名人
(
めいじん
)
はあるまい、と思つてお
在
(
いで
)
になりました。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
浅草に餓鬼大将をやってお
在
(
いで
)
の時とは違って、品もよくおなりだし、丸顔も長くなってさ、争われない、どう見ても若殿様だ。立派なもんだ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いづれ
敵手
(
あひて
)
は
貸金
(
かしきん
)
の事から遺趣を持つて、その悔し
紛
(
まぎれ
)
に無法な
真似
(
まね
)
をしたのだらうつて、大相腹を立ててお
在
(
いで
)
なのだよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
で、その後も
兎
(
と
)
かくに
其
(
そ
)
の窓から
墜
(
お
)
ちる人があるので、
当時
(
いま
)
の殿様も
酷
(
ひど
)
くそれを気にかけて、
近々
(
ちかぢか
)
の
中
(
うち
)
にアノ窓を
取毀
(
とりこわ
)
して
建直
(
たてなお
)
すとか云ってお
在
(
いで
)
なさるそうですよ
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
果
(
はた
)
して大原は早くも見咎めぬ「そこにお
在
(
いで
)
のはお登和さんでありませんか」
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
もっともことのついでに貴方のお噂がござりませんと、三年
越
(
ごし
)
お
便
(
たより
)
は遊ばさず、どこに隠れてお
在
(
いで
)
なさりますか、分りませんのでござりました。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ついおっくうがってお
在
(
いで
)
なさるから、今日は
私
(
わっち
)
がお連れ申しましたが、どうか七年
前
(
あと
)
の十月の二日にお預け申した三千円の金はお返しなすって下さい
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
幾らお前が強情を張った所で、一旦ここへ連れて来た以上は、もう帰す
気配
(
きづか
)
いはないから、
其意
(
そのつもり
)
で
悠々
(
ゆっくり
)
してお
在
(
いで
)
。夜も寒くない
様
(
よう
)
に、毛皮も沢山用意してあるから……。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
暮に
良人
(
やど
)
が中川さんへ参ったら中川さんがお引合せなすったそうです。お国は長崎で料理の事は大層進んでいる
処
(
ところ
)
ですのにそのお妹子さんは神戸や大阪にお
在
(
いで
)
でよほど料理がお上手だそうです。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
御自分じゃちゃんとしてお
在
(
いで
)
遊ばすのでございましょうけれども、どうやらお心が
確
(
たしか
)
じゃないようにお見受申します。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ことに子供まで出来十八九ともなっているとは解らぬ事だと、目を閉じて考えてお
在
(
いで
)
になると、勝五郎は短銃を貸せ、打って仕舞うからと
急
(
せき
)
たてます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いや、何事も無かつたと答へると、実は
彼
(
あ
)
の
家
(
うち
)
は昔から
有名
(
なだい
)
の化物屋敷、あなた方が住んでお
在
(
いで
)
の時に、そんな事を申上げては
却
(
かえ
)
つて悪いと、
今日
(
こんにち
)
まで
差控
(
さしひか
)
えて
居
(
お
)
りましたと云ふ。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
幸「それはどうも、で其の東京にお
兄
(
あに
)
いさんが逃げてしまっても、お
母様
(
っかさま
)
がお
在
(
いで
)
なさるか、お母様はさぞお驚きで」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
場所が場所で、扱う人が扱う人だけ、その時は今思うほどでもなかったが、さてこう
枕許
(
まくらもと
)
にずらりと並べて、穏かな夢の結ばれそうな連中は、御一方もお
在
(
いで
)
なさらぬ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足利七代の将軍
義尚
(
よしひさ
)
の時まで世を茶にしてお
在
(
いで
)
なされた一休が、杉葉たてたる
又六
(
またろく
)
の
門
(
かど
)
と仰せられたも酒屋で、杉の葉を丸めて出してある看板だそうにございます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「構うもんか、内の
夫人
(
おくさん
)
も御隣のも呑込んでお
在
(
いで
)
なさるるから可い、そこで帯をお解きといったんだ。そのままじゃあ
落
(
おち
)
が来ないよ。そうして思切って髪も
毀
(
こわ
)
しな。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此のお方がまだ芳野へお
乗
(
のり
)
こみにならぬ前、
磐城
(
いわき
)
と申す軍艦にお
在
(
いで
)
あそばし品川に
碇泊
(
ていはく
)
なされまする折、和国楼で一夜の愉快を
尽
(
つく
)
されましたときに出たのが花里で
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仔細
(
しさい
)
あって、
私
(
てまえ
)
は、この坂を
貴辺
(
あなた
)
、
真暗三宝
(
まっくらさんぼう
)
駆下りましたで、こちらのこの縄張は、今承りますまで目にも入らず、貴辺がお
在
(
いで
)
なさる姿さえ心着かなんだでござります。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あなたがこれにお
在
(
いで
)
になると御心配になりますから、おかやを連れて
婆
(
ばあ
)
やの所へでもおいでなすって
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
婆さんに聞きました
心積
(
こころづも
)
り、学生の方が自炊をしてお
在
(
いで
)
と云えば、土瓶か
徳利
(
とっくり
)
に汲んで事は足りる、と何となく思ってでもおりましたせいか、そのどうも水を汲む音が
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
草葉の蔭にお
在
(
いで
)
なさるお母様にお目に掛りまして不孝のお詫を致しますから、どうぞお
免
(
ゆる
)
し下さい
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
名高い医学士でお
在
(
いで
)
なさるから一ツ河野さんの病院へ入院してはどうか、
余所
(
よそ
)
ながらお道さんのお顔を見られようから、と云いましたが、もっての外だ、と
肯
(
き
)
きません。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幸「關善さんへは帰る時話をして、今パッと話すと面倒だから……それから貴方の身の上だけはお
母様
(
っかさん
)
にお逢わせ申しますが、お
母様
(
っかさま
)
は
矢張
(
やっぱり
)
東京にお
在
(
いで
)
でございますか」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お師匠さんでなくっても
可
(
い
)
いんです。お弟子さんがお
在
(
いで
)
なら、ちょいと結んで下さいな。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前さんがお
独身
(
ひとりみ
)
でお
在
(
いで
)
ならお
母
(
っか
)
さんぐるみ引取って女房に貰いたいと話をしにあげた所が、もう粥河圖書と云う人へ縁組が出来たと聞きましたから、それは結構な事だ
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
腹帯にはちっと間が在ったもんだから、それなりに日が
経
(
た
)
って、貴女は
九月児
(
ここのつきご
)
でお
在
(
いで
)
なさる。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私も驚きました、御慈悲深い、お情深い、殊に仏学をお修めなすって、道徳抜群という
風説
(
うわさ
)
の高い貴女のお嫁御があんなに薄命でお
在
(
いで
)
なさろうとは、はい、夢にも思いはしませんでした。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
商法を始めるのに
就
(
つ
)
いて高利を借り三千円の金を持って東京へ
買出
(
かいだ
)
しに出て来て、
馴染
(
なじみ
)
の宿屋もねえ事ですから、元前橋で御重役をなすった
貴方
(
あなた
)
が、東京へ宿屋を出してお
在
(
いで
)
なさるから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「戻ってまた教えて
進
(
あ
)
げよう。お前がお
在
(
いで
)
でちょうど可い。誰も居ないから留守しておくれ。
妾
(
わたし
)
はね、この御薬を持って裏のお
婆様
(
ばあさん
)
の処へちょいと行って来る。」「あいあい。」と
頷
(
うなず
)
けば
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
段々とお尋ね申した末に、漸くお名前も知れたから早速お知らせ申すが、御無事でお
在
(
いで
)
だから御心配をなさるな、
明日
(
みょうにち
)
此方
(
こちら
)
からお娘子を連れて参るから前以てお知らせ申すと早く行って来な
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お前のお
花主
(
とくい
)
の、知事の嬢さんが、よく知ってお
在
(
いで
)
だろうが、黒百合というのもやっぱりその百合の中の一ツで、花が黒いというけれども、私が聞いたのでは、
真黒
(
まっくろ
)
な花というものはないそうさ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたくし
)
の母は他に子と申すがありませんから、
他家
(
わき
)
へ嫁にまいる身の上ではございません、貴方は
衆人
(
ひと
)
に殿様と云われる立派なお身の上でお
在
(
いで
)
遊ばすのに、私のようなはしたない者を貴方
此様
(
こん
)
な不釣合で
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とても覚えてなぞお
在
(
いで
)
なさらないと存じました。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「こうやって
威張
(
いば
)
ってお
在
(
いで
)
よ。」
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「かうやつて
威張
(
ゐば
)
つてお
在
(
いで
)
よ。」
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
在
常用漢字
小5
部首:⼟
6画
“在”を含む語句
御在
存在
現在
在所
所在
在宅
実在
在處
在処
在家
在来
駐在所
不在
罷在
滞在
在世
散在
在々
在合
在郷
...