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先頃
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さきごろ
ふりがな文庫
“
先頃
(
さきごろ
)” の例文
今
(
いま
)
は
餘波
(
なごり
)
さへもない
其
(
その
)
戀
(
こひ
)
を
味
(
あぢ
)
つけうために!
卿
(
そなた
)
の
溜息
(
ためいき
)
はまだ
大空
(
おほぞら
)
に
湯氣
(
ゆげ
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
り、
卿
(
そなた
)
の
先頃
(
さきごろ
)
の
呻吟聲
(
うなりごゑ
)
はまだ
此
(
この
)
老
(
おい
)
の
耳
(
みゝ
)
に
鳴
(
な
)
ってゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
先頃
(
さきごろ
)
も六つとかになる女の児が、神奈川県の横須賀から汽車に乗ってきて、東京駅の附近をうろついており、警察の手に保護せられた。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この後しばらくは全曲入る見込もあるまいから、せめて
先頃
(
さきごろ
)
新響
(
しんきょう
)
の演奏した「四季」でも入れておいてもらいたかったと思う。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
私
(
わたし
)
は
先頃
(
さきごろ
)
フランスの
西海岸
(
にしかいがん
)
にあるカルナックといふ
所
(
ところ
)
の
大
(
おほ
)
きい
立
(
た
)
て
石
(
いし
)
を
見
(
み
)
に
行
(
い
)
つたのでありますが、
今
(
いま
)
は
三
(
みつ
)
つにをれて
地上
(
ちじよう
)
に
倒
(
たふ
)
れてゐます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
かゝる誤りは
萬朝報
(
よろづてうはう
)
に最も
少
(
すくな
)
かつたのだが、
先頃
(
さきごろ
)
も
外
(
ほか
)
ならぬ言論欄に
辻待
(
つぢまち
)
の
車夫
(
しやふ
)
一切
(
いつせつ
)
を
朧朧
(
もうろう
)
と
称
(
せう
)
するなど、
大分
(
だいぶ
)
耳目
(
じもく
)
に遠いのが
現
(
あら
)
はれて来た。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
▼ もっと見る
先頃
(
さきごろ
)
大阪
(
おほさか
)
より
歸
(
かへ
)
りし
人
(
ひと
)
の
話
(
はなし
)
に、
彼地
(
かのち
)
にては
人力車
(
じんりきしや
)
日
(
ひ
)
を
追
(
お
)
ひ
盛
(
さかん
)
に
行
(
おこな
)
はれ、
西京
(
さいきやう
)
は
近頃
(
ちかごろ
)
までこれなき
所
(
ところ
)
、
追々
(
おひ/\
)
盛
(
さかん
)
にて、
四百六輌
(
しひやくろくりやう
)
。
伏見
(
ふしみ
)
には
五十一輌
(
ごじふいちりやう
)
なりと
云
(
い
)
ふ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
思ひ積りて
熟〻
(
つら/\
)
世の無常を感じたる小松の
内大臣
(
ないふ
)
重盛卿、
先頃
(
さきごろ
)
思ふ旨ありて、熊野參籠の事ありしが、歸洛の後は一室に閉籠りて、猥りに人に
面
(
おもて
)
を合はせ給はず
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
どういうわけでこんなおもてなしにあずかるのか
先刻
(
せんこく
)
からしきりに考えているのです。やはりどうもその
先頃
(
さきごろ
)
おたずねにあずかった
紫紺
(
しこん
)
についてのようであります。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
先頃
(
さきごろ
)
我
(
わが
)
百首の
中
(
うち
)
で、少しリルケの
心持
(
こころもち
)
で作って見ようとした処が、ひどく人に
馬鹿
(
ばか
)
にせられましたよ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
先頃
(
さきごろ
)
母へ自分で編んだ温かそうなちゃんちゃんこを送ってくれたそのお礼もいおうと思ったのだが。
母の死
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
図
(
はか
)
らず
放免
(
はうめん
)
を
仰
(
おほ
)
せ
付
(
つけ
)
られ、身に取りまして
大慶至極
(
たいけいしごく
)
、誠に
先頃
(
さきごろ
)
は
御無礼
(
ごぶれい
)
の
段々
(
だん/″\
)
御立腹
(
ごりつぷく
)
の
御様子
(
ごやうす
)
で。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これは五渡亭国貞が
先頃
(
さきごろ
)
から英一蝶に私淑してその号まで
香蝶楼
(
こうちょうろう
)
と呼んでいたがためであった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
妾
(
わらは
)
が隣の
祖母様
(
ばばさま
)
は、きつい朝起きぢやが、この
三月
(
みつき
)
ヶ程は、毎朝毎朝、一番鶏も啼かぬ
間
(
あひだ
)
に
怪
(
けし
)
い鳥の啼声を空に聞くといふし、また人の噂では、
先頃
(
さきごろ
)
摂津住吉の
地震
(
なゐ
)
強く
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
すると、修理は急に額を暗くして、「林右衛門めは、
先頃
(
さきごろ
)
、手前屋敷を
駈落
(
かけお
)
ち致してござる。」
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
先頃
(
さきごろ
)
祖母様を新築の一室に
遷
(
うつ
)
しまつらんとせしとき祖母様三日も四日も
啼泣
(
ていきゅう
)
し給ひしなど御考
被下
(
くだされ
)
候はば、小生が
俄
(
にわ
)
かに答ふること出来ざる
所以
(
ゆえん
)
も御解得なされ候ならんと存候。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
先頃
(
さきごろ
)
のよりも
濃
(
こ
)
くして
貼
(
は
)
つたからもう
此
(
こ
)
れで
遠
(
とほ
)
い
道程
(
みちのり
)
を
態々
(
わざ/\
)
來
(
こ
)
なくても
此
(
こ
)
れを
時々
(
とき/″\
)
貼
(
は
)
つてやれば
自然
(
しぜん
)
に
乾
(
かわ
)
いて
畢
(
しま
)
ふだらうと、
其
(
そ
)
の
白
(
しろ
)
い
藥
(
くすり
)
とそれからガーゼとを
袋
(
ふくろ
)
へ
入
(
い
)
れてくれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
人の世話にて
先頃
(
さきごろ
)
若い者に
召抱
(
めしかゝ
)
へ
荷擔
(
にかつぎ
)
にも連れ使ひにも出せしに至極實體に
勤
(
つとむ
)
る故或時新町の出入先より
誂
(
あつら
)
への金銀物を
持
(
もた
)
せ使ひに
遣
(
やり
)
しに
夫切
(
それきり
)
一向歸り來らず依て心配なし使ひ先を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先頃
(
さきごろ
)
送った家中で
撮
(
と
)
った写真を叔父さんはどう見たろうとも彼女は書いてよこした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先頃
(
さきごろ
)
よりの礼厚く
演
(
のべ
)
て子爵より礼の
餽
(
おく
)
り物数々、
金子
(
きんす
)
二百円、代筆ならぬ謝状、お辰が手紙を
置列
(
おきなら
)
べてひたすら低頭平身すれば珠運少しむっとなり、
文
(
ふみ
)
丈
(
だ
)
ケ受取りて其他には手も
付
(
つけ
)
ず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
先頃
(
さきごろ
)
熊本県の九州製紙会社を見に行ったときに、私は紙の原料の供給地を尋ね試みたことがある。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
妾宅は
上
(
あが
)
り
框
(
かまち
)
の二畳を入れて僅か
四間
(
よま
)
ほどしかない古びた
借家
(
しゃくや
)
であるが、
拭込
(
ふきこ
)
んだ表の
格子戸
(
こうしど
)
と
家内
(
かない
)
の
障子
(
しょうじ
)
と
唐紙
(
からかみ
)
とは、今の職人の
請負
(
うけおい
)
仕事を嫌い、
先頃
(
さきごろ
)
まだ
吉原
(
よしわら
)
の焼けない時分
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
或
(
ある
)
日
(
ひ
)
與吉
(
よきち
)
が
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
、
先頃
(
さきごろ
)
念佛
(
ねんぶつ
)
の
時
(
とき
)
に
卯平
(
うへい
)
へ
酒
(
さけ
)
を
侑
(
すゝ
)
めた
小柄
(
こがら
)
な
爺
(
ぢい
)
さんが
枕元
(
まくらもと
)
に
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
鬚
(
ひげ
)
もめがねもあるのさ。
先頃
(
さきごろ
)
来た
大臣
(
だいじん
)
だってそうだ。」
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
以て拙僧
宜
(
よろし
)
く御取持せん思し
召
(
めし
)
もあらば
承
(
うけた
)
まはらんと
説法口
(
せつぱふぐち
)
の
辯
(
べん
)
に任せて思ふ樣に
欺
(
たばか
)
りければ四人の者共は
先頃
(
さきごろ
)
よりの寺の
動靜
(
やうす
)
如何樣
斯
(
かく
)
有んと思へど誰も
貯
(
たくは
)
へは無れど
永代
(
えいだい
)
の家の
株
(
かぶ
)
と無理にも金子
調達
(
てうだつ
)
仕つらんそれには御
實情
(
じつじやう
)
の處も
伺
(
うかゞ
)
ひたしといふに心得たりと常樂院は
奧
(
おく
)
へ
赴
(
おも
)
ぶき此由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
おつぎは
先頃
(
さきごろ
)
の
樣
(
やう
)
に
直
(
すぐ
)
に
竈
(
かまど
)
を
焚
(
た
)
いて
柄杓
(
ひしやく
)
で二三
杯
(
ばい
)
の
水
(
みづ
)
を
茶釜
(
ちやがま
)
へ
注
(
さ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
頃
常用漢字
中学
部首:⾴
11画
“先頃”で始まる語句
先頃来
先頃者