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侍
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さむらひ
ふりがな文庫
“
侍
(
さむらひ
)” の例文
前
(
まへ
)
の
講釈
(
かうしやく
)
のと
読較
(
よみくら
)
べると、
彼
(
か
)
の
按摩
(
あんま
)
が
後
(
のち
)
に
侍
(
さむらひ
)
に
取立
(
とりたて
)
られたと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
より、
此天狗
(
このてんぐ
)
か
化物
(
ばけもの
)
らしい
方
(
はう
)
が、
却
(
かへ
)
つて
事実
(
じゝつ
)
に
見
(
み
)
えるのが
面白
(
おもしろ
)
い。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一門の人々、思顧の
侍
(
さむらひ
)
は言ふも更なり、都も鄙もおしなべて、
悼
(
いた
)
み
惜
(
を
)
しまざるはなく、町家は商を休み、農夫は業を廢して
哀號
(
あいがう
)
の
聲
(
こゑ
)
到る處に
充
(
み
)
ちぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
侍
(
さむらひ
)
たるものが知らずに居るのも變だし、縁側や疊の上を、こんなに汚すのも手際が惡過ぎるとは思はないのかえ
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まづ老功の
侍
(
さむらひ
)
とは申さず、人並みの分別ある侍ならば、たとひ田辺の城へなりとも秀林院様をお落し申し、その次には又わたくしどもにも思ひ思ひに姿を隠させ
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其
頃
(
ころ
)
の習慣として、
侍
(
さむらひ
)
が
侍
(
さむらひ
)
を殺せば、殺した方が切腹をしなければならない。兄弟は其覚悟で
家
(
うち
)
へ帰つて
来
(
き
)
た。
父
(
ちゝ
)
も
二人
(
ふたり
)
を並べて置いて順々に自分で介錯をする気であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
気丈な不二子さんは僕等のまへにつひぞ今まで涙を見せたことはなかつた。これは
侍
(
さむらひ
)
の女房の覚悟に等しい心の抑制があつたからであらう。然るに今は他人の
尽
(
ことごと
)
くが眠に沈んでゐる。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
其の男の本は
侍
(
さむらひ
)
にて有けるが、盗みして獄に居て、後放免に成にける者なりけり。
放免考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
見る者なかりしと
爰
(
こゝ
)
に
浪人體
(
らうにんてい
)
の
侍
(
さむらひ
)
の身には
粗服
(
そふく
)
を
纏
(
まと
)
ひ二月の
餘寒
(
よかん
)
烈
(
はげし
)
きに
羊羹色
(
やうかんいろ
)
の
絽
(
ろ
)
の羽織を着て麻の
袴
(
はかま
)
を
穿
(
はき
)
柄
(
つか
)
の
解
(
はづ
)
れし大小を
帶
(
たい
)
せし者
常樂院
(
じやうらくゐん
)
の表門へ進み
入
(
いら
)
んとせしが寺内の
嚴重
(
げんぢう
)
なる
形勢
(
ありさま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自分は西洋人の
謂
(
い
)
ふ野蛮人といふものかも知れないと思ふ。さう思ふと同時に、小さい時
二親
(
ふたおや
)
が、
侍
(
さむらひ
)
の家に生れたのだから、切腹といふことが出来なくてはならないと度々
諭
(
さと
)
したことを思ひ出す。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
先生
(
せんせい
)
、
真個
(
まつたく
)
は
靱負
(
ゆきへ
)
と
言
(
い
)
つて、
昔
(
むかし
)
の
侍
(
さむらひ
)
のやうな
名
(
な
)
なんですが、
其
(
それ
)
を
其
(
そ
)
のまゝ
雪
(
ゆき
)
の
枝
(
えだ
)
と
書
(
か
)
いて、
号
(
がう
)
にして
居
(
ゐ
)
る
若輩
(
じやくはい
)
ものです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
然
(
さ
)
らばいかなる
身分
(
みぶん
)
の者ぞ、
衞府附
(
ゑふづき
)
の
侍
(
さむらひ
)
にてもあるか』。『
否
(
いや
)
、さるものには候はず、御所の曹司に横笛と申すもの、聞けば
御室
(
おむろ
)
わたりの郷家の娘なりとの事』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
はい、あの
死骸
(
しがい
)
は
手前
(
てまへ
)
の
娘
(
むすめ
)
が、
片附
(
かたづ
)
いた
男
(
をとこ
)
でございます。が、
都
(
みやこ
)
のものではございません。
若狹
(
わかさ
)
の
國府
(
こくふ
)
の
侍
(
さむらひ
)
でございます。
名
(
な
)
は
金澤
(
かなざは
)
の
武弘
(
たけひろ
)
、
年
(
とし
)
は二十六
歳
(
さい
)
でございました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
侍
(
さむらひ
)
のくせに弓馬槍劍は
空
(
から
)
つ
下手
(
ぺた
)
、ちよいと男がよく、辯舌が達者で、
算盤
(
そろばん
)
が出來て、風流氣があつた——そこを見込まれて、元々身上の良い増田屋の後家に惚れられ、増田屋の庭先の
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
美しい娘をさらつてゐる大猿を一人の
侍
(
さむらひ
)
が来て退治したり、松前屋
五郎兵衛
(
ごろべゑ
)
が
折檻
(
せつかん
)
されて血を吐いたり、若い女房がひとりの伴を連れて峠を上つて行くと、そこに
山賊
(
さんぞく
)
が出て来たりした。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
小
(
ちひ
)
さい
時
(
とき
)
祖父
(
ぢゞい
)
から
聞
(
き
)
いた
話
(
はなし
)
に、ある
侍
(
さむらひ
)
が
馬
(
うま
)
に
乘
(
の
)
つて
何處
(
どこ
)
かへ
行
(
ゆ
)
く
途中
(
とちゆう
)
で、
急
(
きふ
)
に
此
(
この
)
早打肩
(
はやうちかた
)
に
冒
(
をか
)
されたので、すぐ
馬
(
うま
)
から
飛
(
と
)
んで
下
(
お
)
りて、
忽
(
たちま
)
ち
小柄
(
こづか
)
を
拔
(
ぬ
)
くや
否
(
いな
)
や、
肩先
(
かたさき
)
を
切
(
き
)
つて
血
(
ち
)
を
出
(
だ
)
したため
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
桃
(
もも
)
の花の代りに
蓮
(
はす
)
の花を咲かせ、古風な
侍
(
さむらひ
)
の女房の代りに王女か何か舞はせたとすれば、毒舌に富んだ批評家と
雖
(
いへど
)
も、
今日
(
こんにち
)
のやうに敢然とは
鼎
(
かなへ
)
の軽重を問はなかつたであらう。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
西八條の御宴より歸り
途
(
みち
)
なる
侍
(
さむらひ
)
の
一群二群
(
ひとむれふたむれ
)
、舞の評など樂げに
誰
(
たれ
)
憚
(
はゞか
)
らず罵り合ひて、果は高笑ひして打ち興ずるを、件の侍は折々耳
側
(
そばだ
)
て、時に
冷
(
ひや
)
やかに
打笑
(
うちゑ
)
む
樣
(
さま
)
、仔細ありげなり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
あゝ
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
がと
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すと、
三十幾年
(
さんじふいくねん
)
の、
維新前後
(
ゐしんぜんご
)
に、おなじ
時
(
とき
)
、おなじ
節
(
せつ
)
、おなじ
門
(
もん
)
で、おなじ
景色
(
けしき
)
に、おなじ
二人
(
ふたり
)
の
侍
(
さむらひ
)
を
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
がある、と
思
(
おも
)
ふと、
悚然
(
ぞつ
)
としたと
言
(
い
)
ふのである。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
母
(
はゝ
)
の客に行つてゐた所は、その
遠縁
(
とほえん
)
にあたる
高木
(
たかぎ
)
といふ勢力家であつたので、大変都合が
好
(
よ
)
かつた。と云ふのは、其頃は世の
中
(
なか
)
の
動
(
うご
)
き掛けた当時で、
侍
(
さむらひ
)
の
掟
(
おきて
)
も昔の様には厳重に行はれなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かういふ叔父はこの時にも相手によつては売られた喧嘩を買ふ位の勇気は持つてゐたのであらう。が、相手は誰かと思ふと、
朱鞘
(
しゆざや
)
の大小を
閂差
(
くわんぬきざ
)
しに差した身の
丈
(
たけ
)
抜群の
侍
(
さむらひ
)
だつた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
読者は唯、平安朝と云ふ、遠い昔が背景になつてゐると云ふ事を、知つてさへゐてくれれば、よいのである。——その頃、
摂政
(
せつしやう
)
藤原
基経
(
もとつね
)
に仕へてゐる
侍
(
さむらひ
)
の中に、
某
(
なにがし
)
と云ふ五位があつた。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
客 しかし昔の
侍
(
さむらひ
)
などは横腹を
槍
(
やり
)
に貫かれながら、
辞世
(
じせい
)
の歌を
咏
(
よ
)
んでゐるからね。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それから何日か後の月夜、姫君に念仏を
勧
(
すす
)
めた法師は、やはり朱雀門の前の曲殿に、
破
(
や
)
れ
衣
(
ごろも
)
の膝を抱へてゐた。すると其処へ
侍
(
さむらひ
)
が一人、悠々と何か歌ひながら、月明りの
大路
(
おほぢ
)
を歩いて来た。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その間に召使ひは一人も残らず、ちりぢりに何処かへ立ち
退
(
の
)
いてしまふし、姫君の住んでゐた東の
対
(
たい
)
も或年の大風に倒れてしまつた。姫君はそれ以来乳母と一しよに
侍
(
さむらひ
)
の
廊
(
ほそどの
)
を
住居
(
すまひ
)
にしてゐた。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若殿樣の御不興を受けた
侍
(
さむらひ
)
の例もございます。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若殿様の御不興を受けた
侍
(
さむらひ
)
の例もございます。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“侍”の解説
侍(さむらい、サムライ)は、古代から中世にかけての日本における官人の身分呼称、あるいはそこから発展的に生じた武士の別名である。「伺候(しこう)する」「従う」を意味する「さぶらう」(旧仮名遣いでは「さぶらふ」〈候ふ/侍ふ〉)に由来する。
(出典:Wikipedia)
侍
常用漢字
中学
部首:⼈
8画
“侍”を含む語句
侍女
侍童
侍士
内侍
典侍
青侍
侍所
侍従
若侍
遠侍
侍婢
悪侍
侍烏帽子
侍者
田舎侍
公卿侍
直侍
侍中
脇侍
小侍
...