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余計
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よけい
ふりがな文庫
“
余計
(
よけい
)” の例文
旧字:
餘計
物差しをじかに当てずに他の方法によって測量する場合には、手数を重ねることがさらに
余計
(
よけい
)
になるだけ、正確の程度がさらに減ずる。
我らの哲学
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
女中
(
じょちゅう
)
に対しても同じです。
余計
(
よけい
)
なお
饒舌
(
しゃべり
)
や
譃言
(
うそ
)
を
云
(
い
)
う時には口では云わずになるたけきつい顔して無言のいましめをしてやります。
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一時
(
ひとしきり
)
騒々
(
さう/″\
)
しかつたのが、
寂寞
(
ひつそり
)
ばつたりして
平時
(
いつも
)
より
余計
(
よけい
)
に
寂
(
さび
)
しく
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
ける……さあ、
一分
(
いつぷん
)
、
一秒
(
いちびやう
)
、
血
(
ち
)
が
冷
(
ひ
)
え、
骨
(
ほね
)
が
刻
(
きざ
)
まれる
思
(
おも
)
ひ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし
今日
(
こんにち
)
の
所
(
ところ
)
では
病院
(
びょういん
)
は、
確
(
たしか
)
に
市
(
し
)
の
資力
(
ちから
)
以上
(
いじょう
)
の
贅沢
(
ぜいたく
)
に
為
(
な
)
っているので、
余計
(
よけい
)
な
建物
(
たてもの
)
、
余計
(
よけい
)
な
役
(
やく
)
などで
随分
(
ずいぶん
)
費用
(
ひよう
)
も
多
(
おお
)
く
費
(
つか
)
っているのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「ふん、おめえまで、
余計
(
よけい
)
なことはおいてくんねえ。おいらの
足
(
あし
)
でおいらが
歩
(
ある
)
いてくんだ。どこへ
行
(
い
)
こうが
勝手
(
かって
)
じゃねえか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
だから百間氏の小品のやうに、自由な作物にぶつかると、
余計
(
よけい
)
僕には面白いのである。しかし人の話を聞けば、「
冥途
(
めいど
)
」の評判は
好
(
よ
)
くないらしい。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし、この村はどの家も、どの家もまったく
貧
(
まず
)
しい
暮
(
くら
)
しをしているので、どこでも清造ひとりを
余計
(
よけい
)
に
養
(
やしな
)
っておけるような家はなかったのです。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
「あつちと
同
(
おな
)
じでいゝのよ。お
願
(
ねが
)
ひするわ。
宿賃
(
やどちん
)
だけ
余計
(
よけい
)
になるけど。」と
言
(
い
)
ひながら、
道子
(
みちこ
)
は
一歩一歩
(
ひとあしひとあし
)
男
(
をとこ
)
を
橋向
(
はしむかう
)
の
暗
(
くら
)
い
方
(
はう
)
へと
引
(
ひ
)
ツ
張
(
ぱ
)
つて
行
(
ゆ
)
かうとする。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
「いや、老師、私たちは、一日
余計
(
よけい
)
に睡ったのですよ。部下の報告から
推
(
お
)
して考えると、金博士を睡らせる
睡眠瓦斯
(
すいみんガス
)
が、余と老師とにも作用した結果です」
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人類を罪悪から救わんと企てた人である。ところが
羅馬
(
ローマ
)
の坊主どもが一時権力が大になるに随ってあらゆる罪悪を犯した。普通の俗人よりも
余計
(
よけい
)
犯すに至った。
東亜の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
「よしよし、おじいさんがおっかさんをつれてきてやるから、もう
余計
(
よけい
)
なことを考えるでないぞ。」
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
だがそれをひとりでするときは心に流れるうらわびしさが、
硝子
(
がらす
)
の指先にふれる冷たさや、土のしめっぽい
香
(
かおり
)
や、美しい花の色にまでしみて
余計
(
よけい
)
さびしくなるのだった。
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
それにつけても
案
(
あん
)
じられるは
園樣
(
そのさま
)
のこと、
何
(
なん
)
の
余計
(
よけい
)
の
世話
(
せわ
)
ながら
何故
(
なぜ
)
か
最初
(
はじめ
)
から
可愛
(
かわゆ
)
くて
眞實
(
しんじつ
)
の
處
(
ところ
)
一日
見
(
み
)
ぬも
氣
(
き
)
になる
位
(
くらい
)
なれど、さりとて
何時
(
いつ
)
來
(
き
)
ても
喜
(
よろこ
)
ばれるでもなく
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
七月からこっち、体の工合が良くない続きなので、
余計
(
よけい
)
寒がりに、「かんしゃく持」になった。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
私
(
わたし
)
にはわかりませんが、なにか
余計
(
よけい
)
にいただいたのでしょうか。」と、
少女
(
しょうじょ
)
が
聞
(
き
)
きました。
世の中へ出る子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし前にも申した通り、あなたと私とはまるで専門が違いますので、私の筆にする事が、時によると変に
物識
(
ものしり
)
めいた
余計
(
よけい
)
な
云
(
い
)
い
草
(
ぐさ
)
のように、あなたの眼に映るかも知れません。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
文章に
不馴
(
ふな
)
れな私は、文章を
駆使
(
くし
)
するのでなくて文章に駆使されて、つい
余計
(
よけい
)
なことを書いてしまったり、必要なことが書けなかったりして、折角の事実が、世のつまらない小説よりも
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
けれどもそのサラダの
味
(
あじ
)
が、どうしても
忘
(
わす
)
れられない
程
(
ほど
)
、
旨
(
うま
)
かったので、
翌日
(
よくじつ
)
になると、
前
(
まえ
)
よりも
余計
(
よけい
)
に
食
(
た
)
べたくなって、それを
食
(
た
)
べなくては、
寝
(
ね
)
られないくらいでしたから、
男
(
おとこ
)
は、もう一
度
(
ど
)
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「俺の方針に、絶対に口を出させぬ。村上。
余計
(
よけい
)
なことをしゃべるな」
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
何
(
なに
)
もこうありゃァしねえ。つべこべと、
余計
(
よけい
)
なことをいってねえで、
速
(
はや
)
くおせんちゃんを、
奥
(
おく
)
へ
案内
(
あんない
)
してやらねえか。
師匠
(
ししょう
)
がもう、
茶
(
ちゃ
)
を三
杯
(
ばい
)
も
換
(
か
)
えて
待
(
ま
)
ちかねだぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
キャフェのテラスに並んでうそ寒く肩をしぼめながら
誂
(
あつら
)
えたコーヒの色は
一
(
ひと
)
きわきめこまかに濃く色が沈んで、
唇
(
くちびる
)
に
当
(
あた
)
るグラスの親しみも
余計
(
よけい
)
しみじみと感ぜられる。
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
第二の盗人
余計
(
よけい
)
な事を云うな。その剣こそこっちへよこせ。——おや、おれの長靴を盗んだな。
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無臭瓦斯
(
むしゅうガス
)
よりもこの方がいい。敵は鼻をくんくんならして、この瓦斯を
余計
(
よけい
)
に吸い込むだろう。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
……
下
(
した
)
が
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
の
紋着
(
もんつき
)
と
云
(
い
)
ふ
勤柄
(
つとめがら
)
であるから、
余計
(
よけい
)
人目
(
ひとめ
)
について、
乗合
(
のりあひ
)
は一
時
(
じ
)
に
哄
(
どつ
)
と
囃
(
はや
)
す。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「わしはほんとうのことを言っているのです。
余計
(
よけい
)
なことを言う前に、
自身
(
じしん
)
で調べてみなさるがいい。」と言って、これもお金を
払
(
はら
)
うとすぐに、宿を出て行ってしまいました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
そうして
死
(
し
)
が
各人
(
かくじん
)
の
正当
(
せいとう
)
な
終
(
おわり
)
であるとするなれば、
何
(
なん
)
の
為
(
ため
)
に
人々
(
ひとびと
)
の
死
(
し
)
の
邪魔
(
じゃま
)
をするのか。
仮
(
かり
)
にある
商人
(
しょうにん
)
とか、ある
官吏
(
かんり
)
とかが、五
年
(
ねん
)
十
年
(
ねん
)
余計
(
よけい
)
に
生延
(
いきの
)
びたとして
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で、それが
何
(
なん
)
になるか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
余計
(
よけい
)
なお
接介
(
せっかい
)
のようだが、
今頃
(
いまごろ
)
太夫
(
たゆう
)
は、
帯
(
おび
)
の
行方
(
ゆくえ
)
を
探
(
さが
)
しているだろう。お
前
(
まえ
)
さんの
来
(
き
)
たこたァ、どこまでも
内所
(
ないしょ
)
にしておこうから、このままもう一
度
(
ど
)
、
持
(
も
)
って
帰
(
かえ
)
ってやるがいい
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「ええ、その上月のある晩は、
余計
(
よけい
)
何
(
なん
)
だか落着きませんよ。——時に
隠亡堀
(
おんばうぼり
)
は
如何
(
いかが
)
でした?」「隠亡堀ですか? あすこには
今日
(
けふ
)
も
不相変
(
あひかはらず
)
、戸板に打ちつけた死骸がありました。」
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
余計
(
よけい
)
な
世話
(
せわ
)
は
焼
(
や
)
かんでもいい。』ますます
荒々
(
あらあら
)
しくなる。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
余計
(
よけい
)
なことを、と
投
(
な
)
げ
調子
(
てうし
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かういふ風に僕は郊外に住んでゐるから
余計
(
よけい
)
そんな感じがするのだが、十一月の
末
(
すゑ
)
から十二月の初めにかけて、夜
晩
(
おそ
)
く外からなんど帰つて来ると、かう
何
(
なん
)
ともしれぬ物の
臭
(
にほひ
)
が立ち
籠
(
こ
)
めてゐる。
一番気乗のする時
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ざわめいて来て愉快になるといふことは、
酸漿提灯
(
ほほづきぢやうちん
)
がついてゐたり楽隊がゐたりするのも
賑
(
にぎや
)
かでいいけれども、僕には、それが賑かなだけにさういふ時は暗い寂しい町が
余計
(
よけい
)
眼につくのがいい。
一番気乗のする時
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
阿蘭陀
(
オランダ
)
の女、(腹立たしげに)
余計
(
よけい
)
な事は
仰有
(
おつしや
)
らずに下さい。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蘭人、(鸚鵡を
嚇
(
おど
)
しつつ)
余計
(
よけい
)
な事を云ふな!
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“余計”で始まる語句
余計者