“隠亡堀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おんばうぼり50.0%
おんぼうぼり50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(作者が二十歳の頃よく釣舟を漕いで往復した小名木川、中川、隠亡堀おんばうぼりあたりの描写である。)
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「ええ、その上月のある晩は、余計よけいなんだか落着きませんよ。——時に隠亡堀おんばうぼり如何いかがでした?」「隠亡堀ですか? あすこには今日けふ不相変あひかはらず、戸板に打ちつけた死骸がありました。」
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
隠亡堀おんぼうぼりの直助権兵衛という形で、阿部さんはその櫛をじっと眺めていると、どこからかお岩の幽霊のような哀れな声が又きこえました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
隠亡堀おんぼうぼりの流れの向うに陽が落ちて、入相いりあいの鐘がわびしそうに響いて来た。深編笠ふかあみがさに顔をかくした伊右衛門は肩にしていた二三本の竿をおろして釣りにかかった。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)