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三年
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さんねん
第一番に、
石造皇子はずるい
方に
才のあつた
方ですから、
註文の
佛の
御石の
鉢を
取りに
天竺へ
行つたように
見せかけて、
三年ばかりたつて
一隊三十
有餘名の
三年以來の
馴染の
水兵等は、
別を
惜まんとて、
輕氣球の
周圍を
取卷いたが、
誰も
一言も
發する
者が
無い、
中には
感慨極つて、
涙を
流した
者もあつた。
嫁入つたは
三年の
前、
其當座は
極仲もよう
御座いましたし
雙方に
苦情は
無かつたので
御座いますけれど、
馴れるといふは
好い
事の
惡い
事で、お
互ひ
我まゝの
生地が
出て
參ります
「
三年のうちに
大分世帯染ちまつた。
仕方がない」
遠い
山の、
田舍の
雪の
中で、おなじ
節分の
夜に、
三年續けて
火の
過失をした、
心さびしい、もの
恐ろしい
覺えがある。いつも
表二階の
炬燵から。
さうかうするうちに
三年ばかりたちました。その
年の
春先から、
赫映姫は、どうしたわけだか、
月のよい
晩になると、その
月を
眺めて
悲しむようになりました。
然し、
何事も
天命です。けれど
君よ、
决して
絶望し
玉ふな。
吾等は
何時か、
非常の
幸福を
得て、
再び
芙蓉の
峯を
望む
事が
出來ませう——イヤ
確信します、
今より
三年の
後は
屹度其時です。
時の
流行といへば、
別して
婦人が
見得と
憧憬の
的にする……
的となれば、
金銀相輝く。
弓を
學ぶものの、
三年凝視の
瞳には
的の
虱も
其の
大きさ
車輪である。
無論、
絶海の
孤島であれば、
三年や
五年の
間に
他國の
侵犯を、
蒙るやうな
事はあるまいが、
安心のならぬは
現に
弦月丸の
沈沒の
結果、
偶然にも
此島に
漂着した
吾等兩人の
實例に
照しても
「
故郷を
離れまして、
皆樣にお
別れ
申してから、ちやうど
三年でございます。
私は
其の
間に、それは/\……」
滿潮の
時は、さつと
潮してくる
浪がしらに、
虎斑の
海月が
乘つて、あしの
葉の
上を
泳いだほどの
水場だつたが、
三年あまり
一度もよしきりを
聞いた
事……
無論見た
事もない。
飛衞肯ずして
曰く、
未也。
亞で
視ることを
學ぶべし。
小を
視て
大に、
微を
視て
著しくんば
更に
來れと。
昌、
絲を
以て
虱を
牖に
懸け、
南面して
之を
臨む。
旬日にして
漸く
大也。
三年の
後は
大さ
如車輪焉。