“表二階”の読み方と例文
読み方割合
おもてにかい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とほやまの、田舍ゐなかゆきなかで、おなじ節分せつぶんに、三年さんねんつゞけて過失あやまちをした、こゝろさびしい、ものおそろしいおぼえがある。いつも表二階おもてにかい炬燵こたつから。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼は時々表二階おもてにかいあがって、細い格子こうしの間から下を見下した。鈴を鳴らしたり、腹掛はらがけを掛けたりした馬が何匹も続いて彼の眼の前を過ぎた。みちを隔てた真ん向うには大きな唐金からかねの仏様があった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
表二階おもてにかいの、狭い三じょうばかりの座敷に通されたが、案内したものの顔も、つとほのめくばかり、目口めくちも見えず、う暗い。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)