トップ
>
表二階
>
おもてにかい
ふりがな文庫
“
表二階
(
おもてにかい
)” の例文
遠
(
とほ
)
い
山
(
やま
)
の、
田舍
(
ゐなか
)
の
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
で、おなじ
節分
(
せつぶん
)
の
夜
(
よ
)
に、
三年
(
さんねん
)
續
(
つゞ
)
けて
火
(
ひ
)
の
過失
(
あやまち
)
をした、
心
(
こゝろ
)
さびしい、もの
恐
(
おそ
)
ろしい
覺
(
おぼ
)
えがある。いつも
表二階
(
おもてにかい
)
の
炬燵
(
こたつ
)
から。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼は時々
表二階
(
おもてにかい
)
へ
上
(
あが
)
って、細い
格子
(
こうし
)
の間から下を見下した。鈴を鳴らしたり、
腹掛
(
はらがけ
)
を掛けたりした馬が何匹も続いて彼の眼の前を過ぎた。
路
(
みち
)
を隔てた真ん向うには大きな
唐金
(
からかね
)
の仏様があった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
表二階
(
おもてにかい
)
の、狭い三
畳
(
じょう
)
ばかりの座敷に通されたが、案内したものの顔も、
漸
(
や
)
つと
仄
(
ほのめ
)
くばかり、
目口
(
めくち
)
も見えず、
最
(
も
)
う暗い。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……と
表二階
(
おもてにかい
)
、
三十室
(
さんじふま
)
ばかり、かぎの
手
(
て
)
にづらりと
並
(
なら
)
んだ、いぬゐの
角
(
すみ
)
の
欄干
(
らんかん
)
にもたれて
見
(
み
)
まはした
所
(
ところ
)
、
私
(
わたし
)
の
乏
(
とぼ
)
しい
經驗
(
けいけん
)
によれば、
確
(
たしか
)
にみゝづくが
鳴
(
な
)
きさうである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
身
(
み
)
を
飜
(
かへ
)
して、
裏窓
(
うらまど
)
の
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あ
)
けた。こゝで、
一寸
(
ちよつと
)
恥
(
はぢ
)
を
言
(
い
)
はねば
理
(
り
)
の
聞
(
きこ
)
えない
迷信
(
めいしん
)
がある。
私
(
わたし
)
は
表二階
(
おもてにかい
)
の
空
(
そら
)
を
眺
(
なが
)
めて、その
足
(
あし
)
で
直
(
すぐ
)
に
裏窓
(
うらまど
)
を
覗
(
のぞ
)
くのを
不斷
(
ふだん
)
から
憚
(
はゞか
)
るのである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
暑
(
あつ
)
さに一
枚
(
まい
)
しめ
殘
(
のこ
)
した
表二階
(
おもてにかい
)
の
雨戸
(
あまど
)
の
隙間
(
すきま
)
から
覗
(
のぞ
)
くと、
大空
(
おほぞら
)
ばかりは
雲
(
くも
)
が
走
(
はし
)
つて、
白々
(
しろ/″\
)
と、
音
(
おと
)
のない
波
(
なみ
)
かと
寄
(
よ
)
せて、
通
(
とほ
)
りを
一
(
ひと
)
ツ
隔
(
へだ
)
てた、
向
(
むか
)
うの
邸
(
やしき
)
の
板塀越
(
いたべいごし
)
に、
裏葉
(
うらは
)
の
飜
(
かへ
)
つて
早
(
は
)
や
秋
(
あき
)
の
見
(
み
)
ゆる
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
處
(
ところ
)
が
旦那樣
(
だんなさま
)
、
別嬪
(
べつぴん
)
さんが、
然
(
さ
)
うやつて、
手足
(
てあし
)
も
白々
(
しろ/″\
)
と
座敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
に
涼
(
すゞ
)
んで
居
(
ゐ
)
なさいます、
其
(
そ
)
の
周圍
(
まはり
)
を、ぐる/\と……
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
から
次
(
つぎ
)
の
室
(
ま
)
の
簀戸
(
よしど
)
の
方
(
はう
)
、
裏
(
うら
)
から
表二階
(
おもてにかい
)
の
方
(
はう
)
と、
横肥
(
よこぶと
)
りにふとつた
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
甲高
(
かんだか
)
かったそうで、よく下まで聞えたと見えます。
表二階
(
おもてにかい
)
にいたんですから。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
表
常用漢字
小3
部首:⾐
8画
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
階
常用漢字
小3
部首:⾩
12画
“表”で始まる語句
表
表面
表向
表情
表裏
表通
表書
表紙
表沙汰
表現