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頭上
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づじやう
一つには官の平生の処置に
悦服して居なかつたといふ事情があつて、むしろ民庶は
何様な新政が
頭上に輝くかと思つたために
彼聞きて曰ふ、汝たとひわが髮を
毮るとも我の誰なるやを告げじ、また
千度わが
頭上に落來るともあらはさじ 一〇〇—一〇二
三
段池谷信三
郎は
骰子を
頭上にかざして
禮拜する。
僕など
麻雀はしばしば
細君と
口喧嘩の
種子になるが、これが
臨戰前だときつと八
卦が
惡い。
『おゝ、
左樣でせうとも/\。』と
私は
餘りの
可愛さに
少年を
頭上高く
差し
上げて、
大日本帝國萬歳と
※ぶと、
少年も
私の
頭の
上で
萬歳々々と
小躍をする。
琵琶箱負ひたる
丈高きしたゝかな
座頭一人、
人通もなき
闇川橋の
欄干を、
杖以てがたりびしりと
探る——
其の
頭上には
怪しき
雲のむら/\とかゝるのが
自然と
見える。
言ふまでもなく
馬を
打つ
策は
僕の
頭上に
霰の如く
落ちて來た。
早速金で
傭はれた
其邊の
舟子共幾人は
魚の如く
水底を
潛つて手に
觸れる石といふ石は
悉く
岸に
拾ひ
上られた。
勘次は
春の
間にお
品の四十九
日も
過した。
白木の
位牌に
心ばかりの
手向をしただけで一
錢でも
彼は
冗費を
怖れた。
彼が
再び
利根川の
工事へ
行つた
時は
冬は
漸く
險惡な
空を
彼等の
頭上に
表はした。
陪審官をば
殘らず、
下なる
群集の
頭上に
蹴轉がしました。
その
頭上には精妙の工みになれる大かぶと
篤と改められし處歳の頃四十三四百
姓體の男にて身の内に
疵三ヶ處
頭上より
頬へ掛て切付し
疵一ヶ所
脊より
腹へ
突通せし疵二ヶ所其
脇に
傘さ一
本捨これ有其
傘に
澤瀉に岩と云字の印し付是あり懷中には
鼻紙入に
藥包み一ツ
外に手紙一通あり其
上書は
「
軍曹殿、
軍曹殿、
早く
早く、
銃を
早く‥‥」と、
中根は
岸に
近寄らうとしてあせりながら
叫んだ。
銃はまだ
頭上にまつ
直ぐ
差し
上げられてゐた。
例のビール
樽船長は
此時私の
頭上に
當る
船橋の
上に
立つて、
頻りに
怪の
船の
方向を
見詰めて
居つたが、
先刻遙か/\の
海上に
朦乎と
三個の
燈光を
認めた
間こそ、
途方も
無い
事を
言つて
居つたものゝ
二人の
頭上に
他の
連峯を
率ゐて
聳ゆる
事を
忘れてはならぬ。
頭上には
處處に
幽かな
星影が
感じられた。