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づじやう
『おゝ、
左樣でせうとも/\。』と
私は
餘りの
可愛さに
少年を
頭上高く
差し
上げて、
大日本帝國萬歳と
※ぶと、
少年も
私の
頭の
上で
萬歳々々と
小躍をする。
琵琶箱負ひたる
丈高きしたゝかな
座頭一人、
人通もなき
闇川橋の
欄干を、
杖以てがたりびしりと
探る——
其の
頭上には
怪しき
雲のむら/\とかゝるのが
自然と
見える。
言ふまでもなく
馬を
打つ
策は
僕の
頭上に
霰の如く
落ちて來た。
早速金で
傭はれた
其邊の
舟子共幾人は
魚の如く
水底を
潛つて手に
觸れる石といふ石は
悉く
岸に
拾ひ
上られた。