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諺
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ことわざ
ふりがな文庫
“
諺
(
ことわざ
)” の例文
同時代の地方の人々はたいていそうであったが、彼もやはりラテンの古典に養われて、その数ページやたくさんの
諺
(
ことわざ
)
を暗記していた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
諺
(
ことわざ
)
に「地獄の
沙汰
(
さた
)
も金次第」というも、運命の沙汰はこの限りにあらず。ゆえに、王公貴人も運命に対しては大いに迷うところあり。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
諺
(
ことわざ
)
にこれあり曰く、牛食は
澆
(
そそ
)
ぐがごとく羊食は焼くがごとし。これけだし生殺の気しかるを致せり、この説『孟子』の一章を註すべし。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一たびこれに触れると、
忽
(
たちまち
)
縲紲
(
るいせつ
)
の
辱
(
はずかしめ
)
を受けねばならない。
触
(
さわ
)
らぬ神に
祟
(
たたり
)
なき
諺
(
ことわざ
)
のある事を思えば、選挙権はこれを棄てるに
若
(
し
)
くはない。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
雪が降るとその足跡が隠れてちょうどよいと喜ばれるといい、「でえしでんぼの跡隠し」という
諺
(
ことわざ
)
もあるそうです(小谷口碑集)。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
火山
(
かざん
)
は
地震
(
ぢしん
)
の
安全瓣
(
あんぜんべん
)
だといふ
諺
(
ことわざ
)
がある。これには一
面
(
めん
)
の
眞理
(
しんり
)
があるように
思
(
おも
)
ふ。
勿論
(
もちろん
)
事實
(
じじつ
)
として
火山地方
(
かざんちほう
)
には
決
(
けつ
)
して
大地震
(
だいぢしん
)
を
起
(
おこ
)
さない。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
南国の人の
諺
(
ことわざ
)
に、人間の移り気だけには、祈祷師のお祈りも役に立たないし、医者の薬もきかない、ということがあるが、名言だ。
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
小野さんはやむを得ず、未来を望んで
馳
(
か
)
け込んで来た。
袞竜
(
こんりょう
)
の袖に隠れると云う
諺
(
ことわざ
)
がある。小野さんは未来の袖に隠れようとする。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なるほど、北人はよく馬に
騎
(
の
)
り南人はよく舟を走らすと世俗の
諺
(
ことわざ
)
にもありましたが、実に、呉人は水上を行くこと平地のようですね」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実に天下に新しき何物もないという
諺
(
ことわざ
)
を思い出すと同時に、また地上には古い何物もないということを痛切に感じさせられたのであった。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
しかし、鬼だの、
変化
(
へんげ
)
だのといっても、今時は相当に気が
利
(
き
)
いていなければならぬ。俗に気の利いたお化けの引込む時分という
諺
(
ことわざ
)
がある。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここに天皇悔い恨みたまひて、玉作りし人どもを
惡
(
にく
)
まして、その
地
(
ところ
)
をみな
奪
(
と
)
りたまひき。かれ
諺
(
ことわざ
)
に、
地
(
ところ
)
得ぬ玉作り
六
といふなり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
眞實
(
まこと
)
と思ひ終に吾助の言葉の如く二兩の金を
持
(
もち
)
宿
(
やど
)
へ下りたり然るに惡事千里の
諺
(
ことわざ
)
の如く
早晩
(
いつしか
)
吾助がお兼と言合せ
飯炊
(
めしたき
)
の宅兵衞より金五兩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「あなたは
諺
(
ことわざ
)
にいう、見るところすくなくして怪しむところ多き者ですね、それを佳い女というなら、あなたの願いはたやすいことですよ」
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「なアに別に逃げはしないが、それ
諺
(
ことわざ
)
にもある通り男女七歳にして席を同じうせずか。殊にこちらの旦那様は大変風儀がやかましいのでね」
赤格子九郎右衛門の娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
諺
(
ことわざ
)
にも言うとおり、旧い衣の
繕
(
つくろ
)
いに新しい布を縫いつけるとかえって
破綻
(
ほころび
)
は大となり、新しい酒を古い
革嚢
(
かわぶくろ
)
に入れるとかえって嚢が破れる。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
この二つが自ら事件を暴く
緒口
(
いとぐち
)
を作ったようなもんだからなあ——
諺
(
ことわざ
)
に云わずや、それ、過ぎたるは及ばざるに
如
(
し
)
かず、とね、あははははは
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
生は相憐れみ、死は
相捐
(
あいす
)
つという
諺
(
ことわざ
)
がある。其諺通りなら定基は早速に僧を請じ経を
誦
(
じゅ
)
させ、野辺の送りを営むべきであった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
所が
度
(
たび
)
重なれば
顕
(
あら
)
われるの
諺
(
ことわざ
)
に
洩
(
も
)
れず、
或
(
あ
)
る日、
本者
(
ほんもの
)
が来た。サア
此方
(
こっち
)
は何とも
云
(
い
)
われないだろう、詐欺だから、役人を偽造したのだから。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「
憎
(
にく
)
まれ
児
(
こ
)
世にはびこる」という
諺
(
ことわざ
)
があるが、わが輩はこれを
顛倒
(
てんとう
)
して、世にはびこる者は
憎
(
にく
)
まれるということも、また
真実
(
まこと
)
であると思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ですから、ドイツの
諺
(
ことわざ
)
にも、「読むことによって人は多くを得るが、考えることによって人はより多くを得る」とあります。
『少年科学探偵』序
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
遠いが花の香と
諺
(
ことわざ
)
にもいう、東京の山の手で、祇園の面影を写すのであるから、名妓は、名妓として、差支えないであろう。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
世間の
諺
(
ことわざ
)
にもいわれているが、『人間には虎を殺すつもりはちっともないのに、虎の方でかえって人を傷つける気持がある』
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「先生と言われる程の」という
諺
(
ことわざ
)
は、なんという、いやな言葉でしょう。この諺ひとつの為に、日本のひとは、正当な尊敬の表現を失いました。
風の便り
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「先ごろ申した通り大の虫を殺して、小の虫を生かす
諺
(
ことわざ
)
だのう。あの附人の
中
(
うち
)
には山内伊賀亮などと申す、中々の
強
(
したた
)
か者がいるとの事だが——」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
まさに、人を
呪
(
のろ
)
はゞ穴二つの
諺
(
ことわざ
)
通り、お縫を狙つた猪之助の鐵砲が、たま/\用事で二階に行つた自分を狙つたとは、何んといふ皮肉さでせう。
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お前の様子を見ていると、『こんな訴訟があるからは、もう敗けたも同然だ』っていう
諺
(
ことわざ
)
をほとんど信じたくなるくらいだ
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
藤田東湖が刺身を食べるのに、いつも
掌面
(
てのひら
)
に載せてぺろりと
嘗
(
な
)
めてゐたといふ事は、いつぞやの茶話に書いたやうに覚えてゐる。仏蘭西の
諺
(
ことわざ
)
に
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ですから
諺
(
ことわざ
)
は、
命令
(
めいれい
)
の
意義
(
いぎ
)
から、だん/\
變化
(
へんか
)
して、
社會的
(
しやかいてき
)
の
訓戒
(
くんかい
)
あるひは、
人間
(
にんげん
)
としての
心
(
こゝろ
)
がけを
説
(
と
)
くといふ
方面
(
ほうめん
)
に、
意味
(
いみ
)
が
變化
(
へんか
)
して
來
(
き
)
ました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
この国の
諺
(
ことわざ
)
にも、光陰に
関守
(
せきもり
)
なしと申す通り、とかうする程に、
一年
(
ひととせ
)
あまりの年月は、
瞬
(
またた
)
くひまに過ぎたと
思召
(
おぼしめ
)
されい。
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
後に聞けば、それは
木蓼
(
またたび
)
の花だという。猫にまたたびの
諺
(
ことわざ
)
はかねて聞いていたが、その花を見るのは今が初めであった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「……今までお話し申しあげましたように、万事、民政党のやり口というものは、
狡
(
ずる
)
い。「人の法事で
牛蒡
(
ごぼう
)
をする」という
諺
(
ことわざ
)
がありますが、……」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
人並みならぬこんな身体をしていても、芸が身を助けるの
諺
(
ことわざ
)
で、妻子をまず人並に養って行けるのがありがたかった。
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
諺
(
ことわざ
)
のようになっている古道具屋の不正直に関しては、三千世界のいずこに正直な古道具屋ありやというばかりである。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
諺
(
ことわざ
)
にもいう天長節日和の冬の日がぱっと差して来たので、お雪さんは
目映
(
まぶ
)
しそうな顔をして、横に純一の方に向いた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
親の心子知らずとは、よく人がいう奴だが、俺にゃその
諺
(
ことわざ
)
が
逆様
(
さかさま
)
で、これ程慕う子の心が、親の心には通じねえのだ。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
元木に
勝
(
まさ
)
るうら木なしという
諺
(
ことわざ
)
を話して聞かせ、誰も何もいわんことにしてしばらく休んだら戻ってきてくれとやさしい声を出して帰っていったが
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
昔
(
むかし
)
の
諺
(
ことわざ
)
に『
人
(
ひと
)
は
祖
(
そ
)
に
基
(
もとづ
)
き、
祖
(
そ
)
は
神
(
かみ
)
に
基
(
もとづ
)
く』とやら
申
(
もう
)
して
居
(
お
)
りますが、
私
(
わたくし
)
はこちらの
世界
(
せかい
)
へ
来
(
き
)
て
見
(
み
)
て、その
諺
(
ことわざ
)
の
正
(
ただ
)
しいことに
気
(
き
)
づいたのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
昔から「コロンブスの卵」という
諺
(
ことわざ
)
があるくらいで、世界的の問題であったのが、この日に解決されたわけである。
立春の卵
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「碁です。碁敵は憎さも憎し懐しゝという
諺
(
ことわざ
)
がありますが、幸太郎君のは憎さも憎し憎らしゝですから敵いません」
変人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
○
孰
(
たれ
)
か
我邦
(
わがくに
)
の現状に見て、金は一切の清めなりといへる
諺
(
ことわざ
)
の、遂に奪ふまじき大原理たるに
首肯
(
うなづ
)
かざらんや。近世最も驚くべきは、科学の進みなりとぞ。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
殊
(
こと
)
に町人の女房には
忌
(
い
)
んだ方がよいとされているらしく、「未年の女は
門
(
かど
)
に立つな」と云う
諺
(
ことわざ
)
まであって、町人の多い大阪では昔から嫌う風があるので
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わッははは、そちもか。もッと出い。こッちへ出い。恥ずかしがって何のことじゃ。ウフフ、あはは。のう京弥、
諺
(
ことわざ
)
にもある。
女子
(
おなご
)
の毛一筋は、よく
大象
(
たいぞう
)
を
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「うむ、世間は知らぬ——ことさら、
女子衆
(
おなごしゅう
)
はな——
外面如菩薩
(
げめんにょぼさつ
)
、内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
——という、
諺
(
ことわざ
)
がござるに——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
身を捨ててこそ浮ぶ瀬もあれ、という
諺
(
ことわざ
)
がある。成算さえあれば身を捨てなくとも、行うことは成就する。ただその行い方は男子らしく堂々たらねばならぬ。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
諺
(
ことわざ
)
に言う「手の下の罪人」とは、ちょうどかかる
類
(
たぐい
)
を指すのであろう。婦人は、暴力に於て男子の敵ではなかった。貧乏人は金持ちの前に頭が上がらなかった。
子供は虐待に黙従す
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
諺
(
ことわざ
)
の「ボンネットを一度水車小屋の
磨臼
(
ひきうす
)
に
抛
(
ほう
)
り込んだ以上」は、つまり一度
貞操
(
ていそう
)
を売物にした以上は、今さら
宿命
(
しゅくめい
)
とか身の
行末
(
ゆくすえ
)
とかそんな
素人
(
しろうと
)
臭い
歎
(
なげ
)
きは無い。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
欧洲の昔に「愚かなる国民の上には
苛
(
から
)
き政府あり」という
諺
(
ことわざ
)
があるといいます。我国には専制的な政府ばかりでなく、暴横無恥な政党までが存在しております。
選挙に対する婦人の希望
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そこで仕方なく二人は顔を見合わせて、ハッハッハアと笑い合ったのですが、外国の
諺
(
ことわざ
)
に、最後に笑うものがもっともよく笑う、というのがあるそうですねえ。
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
医者の不養生という
諺
(
ことわざ
)
は、養生については、医者にも形而上学が必要であることを示すものにほかならぬ。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
“諺(ことわざ)”の解説
ことわざ(諺、en: proverb、la: proverbium)とは、民間説話の下位概念であり、「人口に膾炙された」言句をいい、鋭い風刺や教訓・知識などを含んだ、世代から世代へと言い伝えられてきた簡潔な言葉のことである。俚諺(りげん)ともいう。「故事・成句」などと関連する。
(出典:Wikipedia)
諺
漢検準1級
部首:⾔
16画
“諺”を含む語句
俗諺
俚諺
諺文
歌諺
古諺
半諺
鬼神俚諺鈔
佳諺
鄙諺
諺言
諺草
諺体
発微算法演段諺解
法諺
格言俚諺
国俗諺
勝諺蔵
其諺
俚諺鈔
俗諺志