紹介しょうかい)” の例文
英国の一紳士しんしにしてながく日本に滞在し、日本の婦人を妻とせる人がすこぶる日本贔屓びいきで、種々の著述ちょじゅつもして日本を世界に紹介しょうかいした。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そして、かれらの名前をきき、それを名簿とてらしあわせて、到着とうちゃくのしるしをつけおわると、すぐかれらに朝倉夫人を紹介しょうかいした。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
さきほど岡田さんが紹介しょうかいかたがたちょっとお話になった通りこの春何か講演をというご注文でありましたが、その当時は何か差支さしつかえがあって
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
悪い男云々うんぬんを聴きとがめて蝶子は、何はともあれ、扇子せんすをパチパチさせてっ立っている柳吉を「この人わての何や」と紹介しょうかいした。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
のすずめは、うちつれて、みんなのいるところへやってきました。そして、土地とちのすずめは、このたびからきたすずめを紹介しょうかいしたのであります。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
これから、その母のはなしというのを一つ二つ紹介しょうかいするが、僕は出来できるだけ彼女の話しっりをそのままつたえることにしよう。これがまた素敵すてきなのである。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
10 誰の紹介しょうかいであったか、父は、どれでも一瓶ひとびん拾銭の化粧水けしょうすいを仕入れて来た。青い瓶もあった。あかい瓶も、黄いろい瓶も、みな美しい姿をしていた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
わたくし神社じんじゃちついてから、真先まっさきにたずねてくれたのはちちだの、ははだの、良人おっとだのでございましたが、わたくしなにいてもずこの鈴懸すずかけ紹介しょうかいしました。
「ついでに紹介しょうかいしますが、今度この内藤君が入学しました。花岡君の友人です。なかよくしてやってくれたまえ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
余は舌鼓したつづみうって、門をたゝいて、しいて開けてもらって内に入った。内は真闇まっくらである。車夫に提灯ちょうちんを持て来させて、妻や姉妹に木曾殿きそどのとばせをの墓を紹介しょうかいした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
すなわち紹介しょうかいを求めて軍艦奉行ぐんかんぶぎょうやしき伺候しこうし、従僕じゅうぼくとなりて随行ずいこうせんことを懇願こんがんせしに、奉行はただ一面識いちめんしきもと容易たやすくこれをゆるして航海こうかいれつに加わるを得たり。
「私は大学校のフゥフィーボー先生のご紹介しょうかいで参りましたが世界裁判長に一寸お目にかかれましょうか。」
やがてころ合いのじぶんに、かれは前足をわたしのはうへ出して、大将たいしょうがわたしを紹介しょうかいした。
ある日かれはひとりの学生を先生に紹介しょうかいされた。それは昨年第一高等学校に入学した安場五郎やすばごろうという青年である。黙々塾もくもくじゅくをでて高等学校へはいれたのは安場ひとりきりである。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そばにいたものぐに院長いんちょうにこの人間にんげん紹介しょうかいした、やはりドクトルで、なんだとかとうポーランドのにく、このまちから三十ヴェルスタばかりへだたっている、育馬所いくばしょにいるもの
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
紹介しょうかいしておいて、自分は歓迎に来ている県人会の人達のほうへ行ってしまいました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
一郎は太郎を紹介しょうかいして、これまでのことをくわしく話しました。太郎は自分のことを話しました。玄王げんおうの娘のチヨ子のこと、李伯将軍りはくしょうぐんのこと、金銀廟きんぎんびょうのことなどすっかり打ちあけました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「ええ、います。あなたのご紹介しょうかいでやとった千代ちよという娘のことでしょう。」
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ニールスのふしぎな旅」続編ぞくへんのあらすじを、つぎにご紹介しょうかいいたしましょう。
グワッ、グワッ、さあみんなわたしいておで。これからえら方々かたがたのお仲間なかまりをさせなくちゃ。だからお百姓ひゃくしょうさんの裏庭にわ方々かたがた紹介しょうかいするからね。でもよくをつけてわたしそばはなれちゃいけないよ。
すると友達はその感情に関係ある的確な文学的表現を紹介しょうかいした。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それについて筆者わたくしは、次に短い紹介しょうかいをして置きたいと思う。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あるものは演説口調くちょうで郷土の偉人いじんや、名所旧蹟きゅうせきや、特殊とくしゅの産業などを紹介しょうかいし、あるものは郷土の民謡みんよう舞踊ぶよう披露ひろうした。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
社長しゃちょうさんに紹介しょうかいするから……それは、よくわかった、しんせつなひとだから、きっときみのしたことに感心かんしんしてしまうよ。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
私は与一の手紙が来てから、朴の紹介しょうかいで、気合術診療所の娘と、朝早く屑市場へ浅草紙を造る屑をりに通った。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
その時この通人つうじん数多あまたの婦人を呼び出し、友人のためにその経歴を紹介しょうかいしたが、かくするあいだについ三、四ヵ月前に来た新しき女があったが、あれはどうしたかと
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
この辞令は東京へ帰るとき丸めて海の中へ抛りんでしまった。校長は今に職員に紹介しょうかいしてやるから、一々その人にこの辞令を見せるんだと云って聞かした。余計な手数だ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いまこの南太平洋を漂流ひょうりゅうしつつある少年たちをもっとくわしく読者に紹介しょうかいしたいと思う。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「さて」とヴィタリスはことばをつづけて、白のむく犬のほうに手をさしのべた。「つぎはカピ親方が、ご臨席りんせき貴賓諸君きひんしょくん一座いちざのものをご紹介しょうかい申しあげる光栄こうえいを有せられるでしょう」
かれの家にも引張って行かれ、二間位のせせこましい家に、いっぱいに置かれたオルガンで、下手糞へたくそなスワニイ河をきかされたり、やさしいお母さんにも紹介しょうかいしてもらお茶コオヒイを頂いたり
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
石山氏が彼を紹介しょうかいして今度村の者になったと云うたら、爺さん熟々つくづく彼の顔を見て、田舎住居も好いが、さァ如何どうして暮したもんかな、役場の書記と云ったって滅多めった欠員けついんがあるじゃなし
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
早速さっそく正三君を紹介しょうかいした。正三君は赤くなって頭を下げた。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「ご紹介しょうかいはありますか。」
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「これが社長しゃちょうさんだ。いま、おはなしした少年しょうねんはこのひとです……。」と、ちいさな労働者ろうどうしゃは、二人ふたり紹介しょうかいしました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
推参すいさんの客は自ら名のり、牧師の紹介しょうかいで会堂を見せてもらいに来たと云うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その他の少年をいちいち紹介しょうかいするために、国籍こくせき年齢ねんれいを左に略記りゃっきする。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
紹介しょうかいされた朝倉夫人のほうにおもむろに眼を転じたのであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
堀口生のは特に紹介しょうかいにあたいする。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「おじさん、このひとは、ふえ名人めいじんですよ。」と、一人ひとり子供こどもが、くまさんのことを、旅人たびびと紹介しょうかいしました。
熊さんの笛 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いま富士男がしるした日記の一節を左に紹介しょうかいする。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
N町エヌまち楽譜店がくふてんで、うた音楽おんがくきな小僧こぞうさんをさがしているというのだ。つい、昨日きのう友人ゆうじんからいたので、早速さっそくらせにきたが、どうかね。いってみるなら、紹介しょうかいするが。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのりんごばたけぬしを、わたしは、まんざららないことはありません、その主人しゅじんに、わたしは、あなたを紹介しょうかいしましょう。そして、わたしも、あなたといっしょにはたらいてもいいとおもいます。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうすれば、いっそうたかれます。わたくしが、ご紹介しょうかいいたしますから。
ひすいの玉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて、おんなひとは、おじさんから、紹介しょうかいをもらって、みせていきました。
ひすいの玉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あなたさえ、そのになられたらわたしたちの集会場しゅうかいじょうへきて、会長かいちょうにおはなしなされば、明日あすからでもみんなと、ともだちになることができます。わたしが、いっしょにいって、ご紹介しょうかいいたしてもいいのです。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)