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突立
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つツた
やあ
汚え
溝だ。
恐しい
石灰だ。
酷い
道だ。
三階があるぜ、
浴衣ばかしの
土用干か、
夜具の
裏が
眞赤な、
何だ
棧橋が
突立つてら。
鼻の
尖頭へ汗をかき、
天窓からポツポと
煙を出し、
門口へ
突立つたなり物も
云ひません。女房
既にして、松川が
閨に到れば、こはそもいかに
彼の
泣声は
正に
此室の
裡よりす、予は
入るにも
入られず
愕然として
襖の外に
戦きながら
突立てり。
それでからもう
砂利でも
針でもあれと
地へこすりつけて、
十余りも
蛭の
死骸を
引くりかへした
上から、五六
間向ふへ
飛んで
身顫をして
突立つた。
唯見ると、
親父は
湯玉を
拂つて、
朱塗に
成つて
飛出した、が
握太な
蒼筋を
出して、
脛を
突張つて、
髯旦の
傍に
突立つた。
巨大なる
此の
樟を
濡らさないために、
板屋根を
葺いた、
小屋の
高さは十
丈もあらう、
脚の
着いた
臺に
寄せかけたのが
突立つて、
殆ど
屋根裏に
屆くばかり。
若旦那勃然として
怒るまいか。あと
退りに
跳返つた、
中戸口から、
眞暗に
成つて
躍込んだが、
部屋の
扉の
外に
震へる
釘の
如くに
突立つて、
拳を
握りながら
頷いた。
仰向いて
頷いた。
其膝切しかないものが、
突立つてる
大の
男の
顏を
見上げるのだもの。
仰向いて
見ざるを
得ないので、
然も、
一寸位では
眼が
屆かない。
突立つて
居ては
出入りの
邪魔にもなりさうだし、とば
口は
吹降りの
雨が
吹込むから、
奧へ
入つて、
一度覗いた
待合へ
憩んだが、
人を
待つのに、
停車場で
時の
針の
進むほど
不斷は、あまり
評判のよくない
獸で、
肩車で
二十疋、
三十疋、
狼立に
突立つて、それが
火柱に
成るの、
三聲續けて、きち/\となくと
火に
祟るの、
道を
切ると
惡いのと
言ふ。
土手の
松の、
一樹、
一幹。
啊呍に
肱を
張つて
突立つた、
赤き、
黒き、
青き
鬼に
見えた。
「
然ぢや、
然ぢや、はあ
然ぢや。はあ
然ぢや。」と、
馬鹿囃子に
浮れたやうに、よいとこまかして、によいと
突立ち、
腕に
抱いた
小兒の
胸へ、
最一つ
頤を
壓へに
置くと、
勢必然として
襟からの
前垂幅廣な
奴を、
遣放しに
尻下りに
緊めた、あとのめりに
日和下駄で
土間に
突立ち、
新しいのを
當がつても
半日で
駈破る、
繼だらけの
紺足袋、
膝ツきり
草色よれ/\の
股引で
とざぶりと
浴けるのが、
突立つたまゝで
四邊を
構はぬ。