トップ
>
愚鈍
>
ぐどん
ふりがな文庫
“
愚鈍
(
ぐどん
)” の例文
後世
(
こうせい
)
地上
(
ちじやう
)
に
來
(
きた
)
るべき
善美
(
ぜんび
)
なる
生活
(
せいくわつ
)
のこと、
自分
(
じぶん
)
をして一
分
(
ぷん
)
毎
(
ごと
)
にも
壓制者
(
あつせいしや
)
の
殘忍
(
ざんにん
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
を
憤
(
いきどほ
)
らしむる
所
(
ところ
)
の、
窓
(
まど
)
の
鐵格子
(
てつがうし
)
のことなどである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
見たところ十五六くらゐには踏めますが、柄が大きい割に年は若いらしく、何んとなく
愚鈍
(
ぐどん
)
らしさが、ひどく相手を
苛立
(
いらだ
)
たせます。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、
中根
(
なかね
)
は
營庭
(
えいてい
)
に
輝
(
かがや
)
く
眞晝
(
まひる
)
の
太陽
(
たいやう
)
を
眩
(
まぶ
)
しさうに、
相變
(
あひかは
)
らず
平
(
ひら
)
べつたい、
愚鈍
(
ぐどん
)
な
顏
(
かほ
)
を
軍曹
(
ぐんそう
)
の
方
(
はう
)
に
差
(
さ
)
し
向
(
む
)
けながらにやにや
笑
(
わら
)
ひを
續
(
つづ
)
けてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
最も
愚鈍
(
ぐどん
)
なるもの最も
賢
(
かしこ
)
きものなり、という白い
杭
(
くい
)
が立っている。これより赤道に至る八千六百ベスターというような標もあちこちにある。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
万一人造人間の
愚鈍
(
ぐどん
)
な進軍だけが続くようでは、原地人軍は、その間に人造人間の頭の上をとび越えて、わが陣営へ攻めこんでくるであろう。
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
今まで見たこともない世にも
愚鈍
(
ぐどん
)
な、不純な、腐爛した人間が私に結び付けられ、法律により、社會によつて私の半身と呼ばれてゐるのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
虎男
(
とらおとこ
)
はいかにも
愚鈍
(
ぐどん
)
な調子でそんなことをつぶやくと、虎の首をスッポリかぶり直して、ノロノロと立ち去って行った。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
彼
(
あ
)
の人は妾にいつも恥をかかすのです、彼の人が
愚鈍
(
ぐどん
)
なために、妾は、妾が良妻であるにもかかわらず世間から誤解をまねくようなことになるんだわ。」
女百貨店
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
こんな世の中に、無智で
漂
(
ただよ
)
っているほど恐いことはない。於通は、田舎もいや、田舎人もきらい、なぜといえば、余りな
愚鈍
(
ぐどん
)
を、見ていられないからです。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
楕円形
(
だえんけい
)
の中の肖像も
愚鈍
(
ぐどん
)
の
相
(
そう
)
は帯びているにもせよ、ふだん思っていたほど俗悪ではない。裏も、——
品
(
ひん
)
の
好
(
い
)
い緑に茶を配した裏は表よりも一層見事である。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
愚鈍
(
ぐどん
)
という言葉とは、それぞれ二つの意味をもっており、その一つの意味では、神の国において同義語であり、もう一つの意味では、悪魔の国において同義語であるが
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
如何
(
いか
)
に思ひても女房にはされず
偖
(
さて
)
も
當惑
(
たうわく
)
千萬と
思案
(
しあん
)
すれども元來
愚鈍
(
ぐどん
)
なる生れ付故工夫も出ず
困
(
こま
)
り切し
體
(
てい
)
を見てお兼は今更斯なりては奉公も
成難
(
なりがた
)
し若
此儘
(
このまゝ
)
切
(
きれ
)
る御心なら
手當
(
てあて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
愚鈍
(
ぐどん
)
ではあるが
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
から
是
(
こ
)
れといふ
不出來
(
ふでか
)
しも
無
(
な
)
かつたを
思
(
おも
)
ふと
何
(
なに
)
か
殘念
(
ざんねん
)
のやうにもあつて、
眞
(
まこと
)
の
親馬鹿
(
おやばか
)
といふのであらうが
平癒
(
なほ
)
らぬほどなら
死
(
し
)
ねとまでも
諦
(
あきら
)
めがつきかねるもので
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
赤羽君はこの通り、
愚鈍
(
ぐどん
)
のような
聡明
(
そうめい
)
のような男だ。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
愚鈍
(
ぐどん
)
な虫の本能よ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
後世
(
こうせい
)
地上
(
ちじょう
)
に
来
(
きた
)
るべき
善美
(
ぜんび
)
なる
生活
(
せいかつ
)
のこと、
自分
(
じぶん
)
をして一
分
(
ぷん
)
毎
(
ごと
)
にも
圧制者
(
あっせいしゃ
)
の
残忍
(
ざんにん
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
を
憤
(
いきどお
)
らしむる
所
(
ところ
)
の、
窓
(
まど
)
の
鉄格子
(
てつごうし
)
のことなどである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
側で精一杯玩具を散らばして遊んでゐる兒は、大柄でお人形のやうな造作をした顏ですが、何んとなく
愚鈍
(
ぐどん
)
さうでもあります。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし総監閣下が
犠牲
(
ぎせい
)
になられたのでは、何にもならない。本庁の連中の
愚鈍
(
ぐどん
)
さに、帆村は
呆
(
あき
)
れる
外
(
ほか
)
なかった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それに私は、彼女と結婚した——
愚鈍
(
ぐどん
)
な卑屈な、目の見えぬ
莫迦者
(
ばかもの
)
だつたのだ。私は! 私の罪は、——いや、誰に話しをしてゐるか忘れないやうにしなければ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
生れつき
愚鈍
(
ぐどん
)
のために、何者かに強迫されて、江戸くんだりまで、連れて行かれ、つい五、六日前、
神隠
(
かみかく
)
しに
遭
(
あ
)
ったように、ボンヤリと、この小屋へ戻って来たのだ
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、性来
愚鈍
(
ぐどん
)
な彼は、始終朋輩の
弄
(
なぶ
)
り物にされて、牛馬同様な
賤役
(
せんえき
)
に服さなければならなかった。
じゅりあの・吉助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ぞ待にける爰に
飯焚
(
めしたき
)
の宅兵衞と云は
桝屋
(
ますや
)
久藏が
豐前
(
ぶぜん
)
小倉に居る時よりの飯焚にて
生得
(
しやうとく
)
愚鈍
(
ぐどん
)
なる上最も
吝
(
しは
)
く一文の錢も只は
遣
(
つか
)
はず二文にして遣はんと思ふ程の男なれども
至極
(
しごく
)
の女好にて年は五十を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
寄
(
よ
)
せてお
前
(
まへ
)
さまは
何故
(
なぜ
)
そのやうに
御心
(
おこゝろ
)
よわい
事
(
こと
)
仰
(
おほ
)
せられるぞ
八重
(
やへ
)
は
元來
(
もとより
)
愚鈍
(
ぐどん
)
なり
相談
(
はな
)
してからが
甲斐
(
かひ
)
なしと
思
(
おぼ
)
しめしてか
馴
(
な
)
れぬ
御使
(
おつか
)
ひも一
心
(
しん
)
は一
心
(
しん
)
先方
(
かなた
)
さまどの
樣
(
やう
)
な
御情
(
おなさけ
)
しらずで
有
(
あ
)
らうとも
貫
(
つらぬ
)
かぬといふ
事
(
こと
)
ある
樣
(
やう
)
なし
何
(
なに
)
ともしてお
望
(
のぞ
)
み
屹度
(
きつと
)
叶
(
かな
)
へさせますものを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
貴方
(
あなた
)
がもし
私
(
わたくし
)
が一
般
(
ぱん
)
の
無智
(
むち
)
や、
無能
(
むのう
)
や、
愚鈍
(
ぐどん
)
を
何
(
ど
)
れ
程
(
ほど
)
に
厭
(
いと
)
うておるかと
知
(
し
)
って
下
(
くだ
)
すったならば、また
如何
(
いか
)
なる
喜
(
よろこび
)
を
以
(
もっ
)
て
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
お此が殺された今日、肝心の金次郎が此袷を着てゐなかつたといふのは重大なことですが、
愚鈍
(
ぐどん
)
らしい下女の言葉を、何處まで信じて宜いかわかりません。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたくし
)
はこの
小娘
(
こむすめ
)
の
下品
(
げひん
)
な
顏
(
かほ
)
だちを
好
(
この
)
まなかつた。それから
彼女
(
かのぢよ
)
の
服裝
(
ふくさう
)
が
不潔
(
ふけつ
)
なのもやはり
不快
(
ふくわい
)
だつた。
最後
(
さいご
)
にその二
等
(
とう
)
と三
等
(
とう
)
との
區別
(
くべつ
)
さへも
辨
(
わきま
)
へない
愚鈍
(
ぐどん
)
な
心
(
こころ
)
が
腹立
(
はらだ
)
たしかつた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「どこが悪いか、ひとに
訊
(
き
)
かねばわからぬほど、そち自身の
愚鈍
(
ぐどん
)
が、まだ気づかぬか。それも見えぬものに、何で、真の剣が観えよう、一刀流の
極意
(
ごくい
)
の印可など、
沙汰
(
さた
)
のかぎりである、断じて、そちにはまだ許せない」
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貴方
(
あなた
)
が
若
(
も
)
し
私
(
わたくし
)
が一
般
(
ぱん
)
の
無智
(
むち
)
や、
無能
(
むのう
)
や、
愚鈍
(
ぐどん
)
を
何
(
ど
)
れ
程
(
ほど
)
に
厭
(
いと
)
ふて
居
(
を
)
るかと
知
(
し
)
つて
下
(
くだ
)
すつたならば、
又
(
また
)
如何
(
いか
)
なる
喜
(
よろこび
)
を
以
(
もつ
)
て
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
振り返る二十二三の若い男、緊張した青い顏が、間伸びがして少し長く、
愚鈍
(
ぐどん
)
さうな
洞
(
うつ
)
ろな眼、一應若旦那型の良い男——とは踏めますが、あまり嬉しくない人物です。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見たところ背の低い脂肥りの五十前後、顏は死の苦惱もなく
穩
(
おだや
)
かで、何んとなく
愚鈍
(
ぐどん
)
にさへ見える表情です。恐らく物慾と
女漁
(
をんなあさ
)
り以外は、何んの興味も持たない人柄でせう。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
唯
(
たゞ
)
に
醫者
(
いしや
)
として、
邊鄙
(
へんぴ
)
なる、
蒙昧
(
もうまい
)
なる
片田舍
(
かたゐなか
)
に一
生
(
しやう
)
、
壜
(
びん
)
や、
蛭
(
ひる
)
や、
芥子粉
(
からしこ
)
だのを
弄
(
いぢ
)
つてゐるより
外
(
ほか
)
に、
何
(
なん
)
の
爲
(
な
)
す
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
いのでせうか、
詐欺
(
さぎ
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
、
卑劣漢
(
ひれつかん
)
、と一
所
(
しよ
)
になつて、いやもう!
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
振り返ると二十二三の若い男、緊張した青い顔が、間伸びがして少し長く、
愚鈍
(
ぐどん
)
そうな
洞
(
うつ
)
ろな眼、いちおう若旦那型の好い男——とは踏めますが、あまり嬉しくない人物です。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ただに
医者
(
いしゃ
)
として、
辺鄙
(
へんぴ
)
なる、
蒙昧
(
もうまい
)
なる
片田舎
(
かたいなか
)
に一
生
(
しょう
)
、
壜
(
びん
)
や、
蛭
(
ひる
)
や、
芥子粉
(
からしこ
)
だのを
弄
(
いじ
)
っているより
外
(
ほか
)
に、
何
(
なん
)
の
為
(
な
)
すことも
無
(
な
)
いのでしょうか、
詐欺
(
さぎ
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
、
卑劣漢
(
ひれつかん
)
、と一
所
(
しょ
)
になって、いやもう!
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
薄汚ない
身扮
(
みなり
)
と、グロテスクな面を持つた、
界隈
(
かいわい
)
の嫌はれ者で、萬屋治郎兵衞は、五十前後の肉の厚い、
月代
(
さかやき
)
の光る、
愚鈍
(
ぐどん
)
らしい癖に、何事にも一と理窟こねなければ氣の濟まぬ男。
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お榮のさり氣ない言葉の
裡
(
うち
)
に、何やら重大なものを平次は感じないわけには行きません。二十歳のお榮は、色白で、豐滿で、存分に色つぽくて、そして少しばかり
愚鈍
(
ぐどん
)
らしくさへ見えたのでした。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はこの
愚鈍
(
ぐどん
)
に近い乳母が恐ろしくさへなりました。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
妙にこの男を
愚鈍
(
ぐどん
)
らしく見せます。
銭形平次捕物控:244 凧の糸目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“愚鈍”の解説
愚鈍(ぐどん)とは知性、理解力、理性、機転または判断力の欠如のことである。
先天性のもの、愚鈍なふりをしているだけ、防御反応によるもの、に分類できる。
(出典:Wikipedia)
愚
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
鈍
常用漢字
中学
部首:⾦
12画
“愚鈍”で始まる語句
愚鈍者
愚鈍者事