御恩ごおん)” の例文
見るに忍びずせめてもの事に斯樣なる時節にこそ御恩ごおんはうぜんと存じて持參致したれ因て此金子何卒なにとぞ御受取下さるべしと二十兩の金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くちにせねば入譯いりわけ御存ごぞんじなきこそよけれ御恩ごおんがへしにはおのぞかなへさせましてよろこたまふをるがたのしみぞとれをすてての周旋とりもちなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それにとうとうしまいには御恩ごおんになった先生があの死にようでしょう。あたしほんとに悲観しちゃったわ。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
いか御恩ごおんかうむりましたに、いざおいへが、ところには、ろく暑寒見舞しよかんみまひにも御伺おうかゞひいたしません。手前てまへ不都合ふつがふ料簡方れうけんがたと、おいへばちで、體裁ていさいでございます、へい。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あなたは僕の命の恩人だ。……いまにきっと、この御恩ごおんはかえしますよ」といった後で
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
父祖ふそ十代の御恩ごおんを集めて此君一人にかへし參らせばやと、風のあした、雪のゆふべ蛭卷ひるまきのつかのも忘るゝひまもなかりしが、思ひもかけぬ世の波風なみかぜに、身は嵯峨の奧に吹き寄せられて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
その御恩ごおんがえしというのでもありませぬが、こちらの世界せかいわたくしちからおよかぎりのことはなになりとしてあげます。うぞすべてを打明うちあけて、あなたの相談相手そうだんあいてにしていただきます。
御恩ごおん一生いっしょうわすれません。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
生々世々しやうじやうせぜ御恩ごおん
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
五八も驚きしつかといだは若旦那にてありしか私し事は多く御恩ごおんあづかり何かと御贔屓下ごひいきくだされし者なれば先々まづ/\わけあとの事手前の宿やどへ御供を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かけきしにいままへてもふがかなしき事義じぎりぬじようさまの御恩ごおん泰山たいざんたかきもものかずかはよしや蒼海そうかいたま
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いつも房枝さんに、かばってもらった御恩ごおんがえしをするのは、これからだと思っています。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
泥除どろよけかじりつくまでもなく、與曾平よそべいこしつて、はたたふれて、かほいろ次第しだいかはり、これではかへつて足手絡あしてまとひ、一式いつしき御恩ごおんはうじ、のおともをとおもひましたに、かなはぬ、みんなくびめてくれ
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
けっしてけっしてその御恩ごおんをおわすれにならぬよう……。
參詣人さんけいにんへも愛想あいそよく門前もんぜん花屋はなや口惡くちわかゝ兎角とかく蔭口かげぐちはぬをれば、ふるしの浴衣ゆかた總菜そうざいのおのこりなどおのずからの御恩ごおんかうむるなるべし
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見るより彼の娘はヤアお前は水呑村の九助樣と吃驚びつくりすれば九助も驚き然樣さう此方こなたは阿部川のお節殿と早々さう/\足を洗ふうち娘は藤八に向ひ旦那樣此お方は先年御恩ごおん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御恩ごおんわすれない、實際じつさいわすれません。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
友達ともだちいやしがりて萬年町まんねんちやう呼名よびないまのこれども、三五らうといへば滑稽者おどけもの承知しやうちしてくむものなききも一とくなりし、田中屋たなかやいのちつな親子おやこかうむる御恩ごおんすくなからず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
をりからおいそがしきときこゝろなきやうなれど、今日けふぎにと先方さき約束やくそくのきびしきかねとやら、おたすけのねがはれますれば伯父おぢ仕合しあはわたしよろこび、いついつまでも御恩ごおんまするとてをすりてたのみける
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御恨おうらみ申はつみのほどもおそろしゝなにごとものこさずわすれておしうさまこそ二だい御恩ごおんなれ杉原すぎはららうといふおひと元來もとよりのお知人しるひとにもあらずましてやちぎりしことなにもなし昨日今日きのふけふあひしばかりかもおしうさまの戀人こひびと未練みれんのつながるはづはなし御縁ごゑん首尾しゆびよくとゝのへてむつましくくらたまふを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)