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午
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ご
ふりがな文庫
“
午
(
ご
)” の例文
目覚
(
めさむ
)
れば
早
(
は
)
や
午
(
ご
)
に近し。召使ふものの知らせにて離れの
一間
(
ひとま
)
に住み給ひける母上捨て置きてはよろしからずと
直様
(
すぐさま
)
医師を
呼迎
(
よびむか
)
へられけり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
柄長く
椎
(
しい
)
の葉ばかりなる、
小
(
ちいさ
)
き鎌を腰にしつ。
籠
(
かご
)
をば糸つけて肩に懸け、
袷
(
あわせ
)
短
(
みじか
)
に草履
穿
(
は
)
きたり。かくてわれ庵を出でしは、
午
(
ご
)
の時過ぐる
比
(
ころ
)
なりき。
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わずかに
午
(
ご
)
を過ぎたる太陽は、透明なる光線を彼の皮膚の上に
抛
(
な
)
げかけて、きらきらする
柔毛
(
にこげ
)
の間より眼に見えぬ炎でも
燃
(
も
)
え
出
(
い
)
ずるように思われた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或る日の
午
(
ご
)
後
縁側
(
えんがは
)
に
坐
(
すわ
)
らせた學校友
達
(
たち
)
の一人を
寫
(
うつ
)
してみた
乾
(
かん
)
板に
遂
(
つひ
)
にうつすりとそれらしい
影像
(
えいぞう
)
が
現
(
あらは
)
れた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
茜
(
あかね
)
がかった紫と白と、一本二本はさしてめでたい花でもないが、
午
(
ご
)
の日を受けて何万となく庭一面に咲く時は、緑の
地
(
じ
)
に紫と白の浮き
模様
(
もよう
)
、
花毛氈
(
はなもうせん
)
を敷いた様に美しい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
(古今六帖に出。)荷花盛に開く。門を出桜の馬場の半より左曲す。坂本村田圃を過。楠公碑を拝し湊川をすぐ。水なし。五里兵庫駅。六軒屋定兵衛の家に休す。日
正
(
まさに
)
午
(
ご
)
なり。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
此処に三人抱程の素晴しき無花果の大木三本あり。三頭の馬を其一本に繋ぎ、余等三人は他の一本の下に毛布を敷いて坐し、
昼食
(
ちうじき
)
午眠
(
ひるね
)
して
午
(
ご
)
の前後四時間を此無花果樹下に費しぬ。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
日は
午
(
ご
)
なり靄たちこむる向う空にカキ色の氣球熱しきりたる
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日
(
ひ
)
は
午
(
ご
)
に
中
(
あ
)
たり
南
(
みんなみ
)
の
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
朱
(
しゆ
)
の
木瓜
(
ぼけ
)
はちら/\と
灯
(
ひ
)
をともし、
樹
(
き
)
の
根
(
ね
)
を
包
(
つゝ
)
むだ
石楠花
(
しやくなげ
)
は、
入日
(
いりひ
)
の
淡
(
あは
)
い
色
(
いろ
)
を
染
(
そ
)
めつゝ、
然
(
しか
)
も
日
(
ひ
)
は
正
(
まさ
)
に
午
(
ご
)
なのである。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
午
(
ご
)
に
逼
(
せま
)
る秋の日は、
頂
(
いただ
)
く帽を
透
(
とお
)
して
頭蓋骨
(
ずがいこつ
)
のなかさえ
朗
(
ほがら
)
かならしめたかの感がある。公園のロハ台はそのロハ台たるの
故
(
ゆえ
)
をもってことごとくロハ的に占領されてしまった。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
午
(
ご
)
の前後はまた
無闇
(
むやみ
)
と
暖
(
あたたか
)
だ。
凩
(
こがらし
)
も
黙
(
だま
)
り、
時雨
(
しぐれ
)
も
眠
(
ねむ
)
り、
乾
(
かわ
)
いて
反
(
そ
)
りかえった
落葉
(
おちば
)
は、木の下に
夢
(
ゆめ
)
みて居る。
烏
(
からす
)
が
啼
(
な
)
いたあとに、隣の
鶏
(
にわとり
)
が
鳴
(
な
)
き、
雀
(
すずめ
)
が去ったあとの
楓
(
かえで
)
の
枝
(
えだ
)
に、
鷦鷯
(
みそさざい
)
がとまる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
日は
午
(
ご
)
なり靄たちこむる向う空にカキ色の気球熱しきりたる
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
扨
(
さて
)
今朝
(
こんちょう
)
、此の辺からは煙も見えず、音も聞えぬ、新
停車場
(
ステエション
)
で
唯
(
ただ
)
一
人
(
にん
)
下
(
お
)
り立つて、
朝霧
(
あさぎり
)
の
濃
(
こま
)
やかな
野中
(
のなか
)
を
歩
(
ほ
)
して、雨になつた
午
(
ご
)
の
時
(
とき
)
過ぎ、
媼
(
おうな
)
の
住居
(
すまい
)
に
駈
(
か
)
け込んだまで
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
流れは見えぬが、
斗満
(
とまむ
)
の
川音
(
かわおと
)
は耳
爽
(
さわやか
)
に、川向うに当る
牧場内
(
ぼくじょうない
)
の雑木山は、
午
(
ご
)
の日をうけて、黄に紅に緑に
燃
(
も
)
えて居る。やがてこゝを立って小さな
渓流
(
けいりゅう
)
を渡る時、一同石に
跪
(
ひざまず
)
いて
清水
(
しみず
)
をむすぶ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
戦は
午
(
ご
)
を過ぐる二た時余りに起って、五時と六時の間にも
未
(
ま
)
だ
方
(
かた
)
付かぬ。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
うちしめりなにか
眩
(
まば
)
ゆき
午
(
ご
)
の曇り
樗
(
あふち
)
の花はいまだ了らず
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日は
午
(
ご
)
なり。あらら
木
(
ぎ
)
のたらたら
坂
(
ざか
)
に樹の蔭もなし。寺の門、植木屋の庭、花屋の店など、坂下を
挟
(
さしはさ
)
みて町の入口にはあたれど、のぼるに従いて、ただ
畑
(
はた
)
ばかりとなれり。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
午
(
ご
)
に
逼
(
せま
)
る太陽は、まともに暖かい光線を、山一面にあびせて、眼に余る蜜柑の葉は、葉裏まで、
蒸
(
む
)
し
返
(
かえ
)
されて
耀
(
かが
)
やいている。やがて、裏の
納屋
(
なや
)
の方で、鶏が大きな声を出して、こけこっこううと鳴く。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日は
午
(
ご
)
なり。あらら
木
(
ぎ
)
のたらたら坂に
樹
(
き
)
の蔭もなし。寺の
門
(
もん
)
、植木屋の庭、花屋の店など、坂下を
挟
(
さしはさ
)
みて町の入口にはあたれど、のぼるに従ひて、ただ
畑
(
はた
)
ばかりとなれり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
海
(
うみ
)
も
緑
(
みどり
)
の
酒
(
さけ
)
なるかな。
且
(
か
)
つ
見
(
み
)
る
後苑
(
こうゑん
)
の
牡丹花
(
ぼたんくわ
)
、
赫耀
(
かくえう
)
として
然
(
しか
)
も
靜
(
しづか
)
なるに、
唯
(
たゞ
)
一
(
ひと
)
つ
繞
(
めぐ
)
り
飛
(
と
)
ぶ
蜂
(
はち
)
の
羽音
(
はおと
)
よ、
一杵
(
いつしよ
)
二杵
(
にしよ
)
ブン/\と、
小
(
ちひ
)
さき
黄金
(
きん
)
の
鐘
(
かね
)
が
鳴
(
な
)
る。
疑
(
うたが
)
ふらくは、これ、
龍宮
(
りうぐう
)
の
正
(
まさ
)
に
午
(
ご
)
の
時
(
とき
)
か。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
苫
(
とま
)
を
且
(
か
)
つ
覆
(
おほ
)
うて、
薄
(
すゝき
)
の
穗
(
ほ
)
も
靡
(
なび
)
きつゝ、
旅店
(
りよてん
)
の
午
(
ご
)
は
靜
(
しづか
)
に、
蝉
(
せみ
)
も
鳴
(
な
)
かない。
十和田の夏霧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
桑の芽の
萌黄
(
もえぎ
)
に萌えつつも、北国の事なれば、
薄靄
(
うすもや
)
ある空に桃の影の
紅
(
くれない
)
染
(
そ
)
み、晴れたる水に
李
(
すもも
)
の色
蒼
(
あお
)
く澄みて、
午
(
ご
)
の時、月の影も添う、
御堂
(
みどう
)
のあたり凡ならず、
畑
(
はた
)
打つものの、近く二人、遠く一人
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お、お、
周南
(
しうなん
)
、
汝
(
なんぢ
)
、
日中
(
につちう
)
、
午
(
ご
)
にして
當
(
まさ
)
に
死
(
し
)
ぬべきぞ。」
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“午”の意味
《名詞》
うま。十二支の7番目。
(出典:Wiktionary)
“午”の解説
午(うま、ご)は、十二支のひとつ。通常十二支の中で第7番目に数えられる。
前は巳、次は未である。
(出典:Wikipedia)
午
常用漢字
小2
部首:⼗
4画
“午”を含む語句
正午
午後
午餐
午食
午飯
午前
午刻
午砲
午睡
午下
午餉
午時
正午頃
庚午
正午過
正午前
甲午
壬午
午餐会
午過
...