“花毛氈”の読み方と例文
読み方割合
はなもうせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
緑とくれないにていろどりし花毛氈はなもうせんを敷詰めたる一室の正面にはだいなる硝子窓がらすまどありて、異国の旗立てし四、五そうの商船海上にうかびたるさまを見せたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
秋の末にもなりたれば、籐筵とうむしろに代うるに秋野のにしき浮織うきおりにせる、花毛氈はなもうせんをもってして、いと華々しく敷詰めたり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
堤の北は藻隠もがくれにふなの住む川で、堤の南は一面の田、紫雲英が花毛氈はなもうせんを敷き、其の絶間たえま〻〻たえまには水銹みずさび茜色あかねいろ水蓋みずぶたをして居た。行く程に馬上の士官が来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)