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前夜
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ぜんや
ふりがな文庫
“
前夜
(
ぜんや
)” の例文
二
月
(
ぐわつ
)
十一
日
(
にち
)
、
待
(
まち
)
に
待
(
まつ
)
つたる
紀元節
(
きげんせつ
)
の
當日
(
たうじつ
)
とはなつた。
前夜
(
ぜんや
)
は、
夜半
(
やはん
)
まで
大騷
(
おほさわ
)
ぎをやつたが、なか/\
今日
(
けふ
)
は
朝寢
(
あさね
)
どころではない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
十月十四
日
(
か
)
の午後の出来事を
先
(
ま
)
づ書くべきに
候
(
さふら
)
はん。その
前夜
(
ぜんや
)
私常よりも一層眠り
苦
(
ぐる
)
しく、ほとほとと一睡の夢も結びかねて明かせしに
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その時刻までに、わが青軍の主力は、
前夜
(
ぜんや
)
魚雷
(
ぎょらい
)
に見舞われて速力が半分に
墜
(
お
)
ちた元の
旗艦
(
きかん
)
『
釧路
(
くしろ
)
』を
掩護
(
えんご
)
して、うまく逃げ落ちねばならなかった。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あるとき、
自分
(
じぶん
)
は、そんなことを
空想
(
くうそう
)
したことがあります。そして、
前夜
(
ぜんや
)
、ふしぎにも、
虫
(
むし
)
になった
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たのでした。
おけらになった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
前夜
(
ぜんや
)
の
雨
(
あめ
)
が
晴
(
はれ
)
て
空
(
そら
)
は
薄雲
(
うすぐも
)
の
隙間
(
あひま
)
から
日影
(
ひかげ
)
が
洩
(
もれ
)
ては
居
(
ゐ
)
るものゝ
梅雨
(
つゆ
)
季
(
どき
)
は
爭
(
あらそ
)
はれず、
天際
(
てんさい
)
は
重
(
おも
)
い
雨雲
(
あまぐも
)
が
被
(
おほ
)
り
(
ママ
)
重
(
かさ
)
なつて
居
(
ゐ
)
た。
汽車
(
きしや
)
は
御丁寧
(
ごていねい
)
に
各驛
(
かくえき
)
を
拾
(
ひろ
)
つてゆく。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
かぞえてみますと、あれからもう三週間になります。すると、こんやは
復活祭
(
ふっかつさい
)
の
前夜
(
ぜんや
)
ということになります。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
彼等
(
かれら
)
は
當日
(
たうじつ
)
の
前夜
(
ぜんや
)
に
口見
(
くちみ
)
だといつて
近隣
(
きんりん
)
の
者等
(
ものら
)
が
寄
(
よ
)
つてたかつて、
鍋
(
なべ
)
で
幾杯
(
いくはい
)
となく
沸
(
わか
)
しては
飮
(
の
)
むので
夥
(
したゝ
)
か
減
(
へ
)
らして
畢
(
しま
)
つて、それへ一
杯
(
ぱい
)
に
水
(
みづ
)
を
注
(
さ
)
して
置
(
お
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
丁
(
ちやう
)
ど此の日の
前夜
(
ぜんや
)
も、周三は、父から結婚問題に就いて
嚴重
(
げんぢう
)
な
談判
(
だんぱん
)
を
吃
(
く
)
ツたのであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
その
前夜
(
ぜんや
)
のあの
暴風雨
(
ばうふうう
)
をわすれたやうに、
朝
(
あさ
)
から
晴
(
は
)
れ/″\とした、お
天氣模樣
(
てんきもやう
)
で、
辻
(
つじ
)
へ
立
(
た
)
つて
日
(
ひ
)
を
禮
(
れい
)
したほどである。おそろしき
大地震
(
おほぢしん
)
、
大火
(
たいくわ
)
の
爲
(
ため
)
に、
大都
(
だいと
)
は
半
(
なかば
)
、
阿鼻焦土
(
あびせうど
)
となんぬ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
致したり
前夜
(
ぜんや
)
歸
(
かへ
)
りて
櫛
(
くし
)
をば百五十兩の
形
(
かた
)
なりと佛前へ備へ置きけるが
今朝
(
けさ
)
見れば更になきゆゑ家内中
穿鑿
(
せんさく
)
を致すと雖も何分見當らず夫に付き只今參りたり
櫛
(
くし
)
の代に
何程
(
なにほど
)
にても取て金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
晩
(
ばん
)
は、クリスマスの
前夜
(
ぜんや
)
で、とりわけ、
寒
(
さむ
)
さのきびしい晩だった。ある
地下室
(
ちかしつ
)
に、ひとりの少年がいる。少年といっても、まだ六つになったかならないかの、とても小さな子なのだ。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
二十日の夜独りで眠れず苦しんで、夜があけるのを待って寿江子に電話をかけ湿布の薬をもって来て貰いましたが、
前夜
(
ぜんや
)
の嘔気の工合で、今度は或は切ることになるかなと予感して居りました。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
前夜
(
ぜんや
)
のうちに、
皇子
(
おうじ
)
の
馬車
(
ばしゃ
)
も、それについてきた
騎馬
(
きば
)
の
勇士
(
ゆうし
)
らも、
波
(
なみ
)
の
上
(
うえ
)
へ、とっとと
駆
(
か
)
け
込
(
こ
)
んで、
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
はい
)
ってしまったものと
思
(
おも
)
われたのであります。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人間
(
にんげん
)
は
勝手
(
かつて
)
なもので、
私
(
わたくし
)
は
前夜
(
ぜんや
)
は
夜半
(
やはん
)
まで
眠
(
ねむ
)
られなかつたに
係
(
かゝは
)
らず、
翌朝
(
よくあさ
)
は
暗
(
くら
)
い
内
(
うち
)
から
目
(
め
)
が
醒
(
さ
)
めた。五
時
(
じ
)
三十
分
(
ぷん
)
頃
(
ごろ
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
を
伴
(
ともな
)
つて、
私
(
わたくし
)
の
部室
(
へや
)
の
戸
(
と
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そのためニールスには、この町が、ありのままの姿には見えないで、ほんのちょっとでしたが、まるで、
復活祭
(
ふっかつさい
)
の
前夜
(
ぜんや
)
に見た、あの都と同じように美しいような気がしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
再
(
ふたゝ
)
び
蓋
(
ふた
)
をとつた
時
(
とき
)
には
掃除
(
さうぢ
)
の
足
(
た
)
らぬ
風呂桶
(
ふろをけ
)
のなかには
前夜
(
ぜんや
)
の
垢
(
あか
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
浮
(
う
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
其麽
(
そんな
)
ことには
關
(
かま
)
はずに
田植
(
たうゑ
)
の
同勢
(
どうぜい
)
はずん/\と
這入
(
はひ
)
つた。
彼等
(
かれら
)
は
殆
(
ほと
)
んど
只
(
たゞ
)
手拭
(
てぬぐひ
)
でぼちや/\と
身體
(
からだ
)
をこすつて
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あの
女
(
おんな
)
は、そんな
歌
(
うた
)
も
知
(
し
)
らなければ、また
舞
(
ま
)
いもできませんでした。それを
知
(
し
)
らぬというわけにもいかず、その
前夜
(
ぜんや
)
、
井戸
(
いど
)
の
中
(
なか
)
に
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げて
死
(
し
)
んでしまいました。
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
つ
前夜
(
ぜんや
)
のこと、うれしいやら、
悲
(
かな
)
しいやらで、
胸
(
むね
)
がいっぱいになって、
戸
(
と
)
の
外
(
そと
)
にすさぶあらしの
音
(
おと
)
をきいていると、ちょうどおきぬの
前
(
まえ
)
をうたって
通
(
とお
)
る、
子守唄
(
こもりうた
)
が
谷にうたう女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あくる
日
(
ひ
)
の
晩
(
ばん
)
は、あまり
両方
(
りょうほう
)
とも、
前夜
(
ぜんや
)
のようにはよく
光
(
ひか
)
りませんでした。
自然
(
しぜん
)
を
家
(
いえ
)
として、
川
(
かわ
)
の
上
(
うえ
)
や、
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
んでいるものを、
狭
(
せま
)
いかごの
中
(
なか
)
にいれたせいでもありましょう。
海ぼたる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛