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わか
ふりがな文庫
“
判
(
わか
)” の例文
巴里の北の停車場でおまえと
訣
(
わか
)
れてから、もう六年目になる。人は久しい歳月という。だが、私には永いのだか短いのだか
判
(
わか
)
らない。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
何だ、きさまの眼玉は黄いろできょろきょろまるで
支那
(
しな
)
の犬のやうだ。ははあおれはドイツできさまの悪口を云ってやる。
判
(
わか
)
るかい。
電車
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あなた
方
(
がた
)
もいずれはこちらの
世界
(
せかい
)
へ
引移
(
ひきうつ
)
って
来
(
こ
)
られるでしょうが、その
時
(
とき
)
になれば
私
(
わたくし
)
どもの
現在
(
げんざい
)
の
心持
(
こころもち
)
がだんだんお
判
(
わか
)
りになります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「本のままじゃあ、どうなるもんですか。
河竹
(
かわたけ
)
なんぞは何をいっているのか
判
(
わか
)
りゃしません。」などと、
頗
(
すこぶ
)
る得意そうに語っていた。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ハナショウブの
母種
(
ぼしゅ
)
、すなわち原種のノハナショウブは、関西地方ではドンドバナと称するらしいが、今その意味が私には
判
(
わか
)
らない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
きんの関係した男達は、みんなそれぞれに偉くなっていったが、この終戦後は、その男達のおおかたは消息も
判
(
わか
)
らなくなってしまった。
晩菊
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「まあ、
大概
(
たいがい
)
のことは
判
(
わか
)
つてゐるつもりですが、
貴女
(
あなた
)
の
側
(
がは
)
からなら、
大久保
(
おほくぼ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
がいつそ
詳
(
くは
)
しく
判
(
わか
)
つてゐる
筈
(
はず
)
ぢやないですか。」
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
どんな御用でお前さんが招ばれるのか、そいつはわたし達にも
判
(
わか
)
らないが、お
上
(
かみ
)
からのお呼び出しだとなりゃア、どうにも仕方がない。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
どうしてそういう風に目に見えたかは、残念ながらまだ明白に
判
(
わか
)
らぬというまででまずは怪物の証拠とでもいうべきものであった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
宗兵衛の後嗣と云うのが、非常に物の
判
(
わか
)
った人と見え、子供の養育料として一万両と云う可なりな金額を
頒
(
わ
)
けてくれたそうです。
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
従って、このマッチは、レッテルの文案に「関東煮」としてあるだけで、充分に東京の料理店のマッチでない事は
判
(
わか
)
る
筈
(
はず
)
だ。——
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
許宣はこんな大きな家に住んでいた人が
何故
(
なぜ
)
判
(
わか
)
らなかったろうと思って不審した。彼はそのまま小婢に
随
(
つ
)
いてそこの門を
潜
(
くぐ
)
った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これほど明白に
判
(
わか
)
り切った事をおとよが
勝手
(
かって
)
我儘
(
わがまま
)
な
私心
(
わたくしごころ
)
一つで飽くまでも親の意に逆らうと思いつめてるからどうしても勘弁ができない。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私は、彼女が私をこれから入れようとしてゐる新らしい生活から、私の希望を既にもぎとらうとしてゐるのを
朧氣
(
おぼろげ
)
ながら
判
(
わか
)
つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
医者が患者の
容態
(
ようだい
)
が
判
(
わか
)
るように、料理をする者は、相手の
嗜好
(
しこう
)
を見分け、老若男女いずれにも、その要求が
叶
(
かな
)
うようでなくてはなりません。
日本料理の基礎観念
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
その女の叫ぶ百万言もみんな彼には
判
(
わか
)
っていた。だから少しも聞いていなかった。過ぎ去ったどうにもならぬことはどうでもよかったのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
同じ友人に依頼して誰が
掃除
(
そうじ
)
してくれたるか、もし
判
(
わか
)
ったならば礼もしたいから、住職なり番人なりに
質
(
ただ
)
してくれと、いって送るけれども
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
眼鏡
(
めがね
)
をかけた白ズボンの青年は、いよいよ梅三爺とは五六間程の距離になった。爺は、それが巡査でないことだけは
判
(
わか
)
った。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
自分の絵は自分で厳しく判断すれば大概
判
(
わか
)
っているもので、それが判らない位の鈍感さならさっさと絵事はあきらめる方がいいと考えていた。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
潰
(
つぶ
)
れた鼻に、
歪
(
いび
)
つな耳、一目でボクサアと
判
(
わか
)
る、その男は、あまりにも、みすぼらしい
風体
(
ふうてい
)
と、うつろな
瞳
(
ひとみ
)
をしていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
その後間もなくシャクは
妙
(
みょう
)
な
譫言
(
うわごと
)
をいうようになった。何がこの男にのり移って
奇怪
(
きかい
)
な言葉を吐かせるのか、初め近処の人々には
判
(
わか
)
らなかった。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「その道の
玄人
(
くろうと
)
が
多勢
(
おおぜい
)
かかって
判
(
わか
)
らんことがお前などに判ってたまるもんか。まあ危ない仕事には手を出さん方がいいね」
少年探偵呉田博士と与一
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
米田さんに充分なものがあることが
判
(
わか
)
り、この次それを参考としてさらに力作をしたい下心であることなどお話しました。
幕末維新懐古談:55 四頭の狆を製作したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
彼は其眼の光よりも女の云い方の恐ろしさに
呆然
(
ぼうぜん
)
とした。全くどうして好いのか
判
(
わか
)
らなくなった。彼の眼の先へ恐ろしい獄舎の建物さえ浮んだ。
偽刑事
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
新聞を読んだことがなくて新聞社へ試験を受けに出向いたという、勝負は始めから
判
(
わか
)
っているが、
勿論
(
もちろん
)
美事に落第した。
天才になりそこなった男の話
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「さようでございます。焼け死んだのは三人でございます。男女の別も
判
(
わか
)
りませぬほど、焼けただれておりますが——」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
どんな鋭敏な観察者が
外部
(
そと
)
から
覗
(
のぞ
)
いてもとうてい
判
(
わか
)
りこない性質のものであった。そうしてそれが彼女の秘密であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この岸さえ
攀
(
よ
)
じのぼってゆけば、それがはっきり
判
(
わか
)
ってくるのだ。おれは毎日この岸
辺
(
べ
)
にきて空の方をながめている。
寂しき魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
しばらくして、お近婆さんは男と一緒に夜逃げしたのだと
判
(
わか
)
った。それは兵さんの
家
(
うち
)
の隣の小屋にいた飴売りの
親爺
(
おやじ
)
と、かけ落したと言うのだった。
あまり者
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
(仁王門に住むとは今から考えたら随分
奇抜
(
きばつ
)
です。またそれを見ても当時浅草寺の秩序がなかったのが
判
(
わか
)
ります。)
寺内の奇人団
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
それから毎日々々いろ/\なむづかしい事件が起つてそれを申上げても、万作には何の事やら
判
(
わか
)
らないのでいつも黙つてゐました。だから人民たちは
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
禅家の公案に、父母
未生
(
みしょう
)
以前本来面目というのがあるが、人間は
何処
(
どこ
)
から来て何処に去るものか、これは
判
(
わか
)
らない。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
お母さん、
貴女
(
あなた
)
はこのアマリリスを、どうしてここへ持っていらっしゃったのです。ああ
判
(
わか
)
った。貴女は私を殺そうとお考えになっているのでしょう。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
馬をその妻と心得按腹する指先で男と
判
(
わか
)
り、逃げかかる処を馬が止め検すればこれも立派な男子の証拠儼然たり。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
われ目をもてかなたをうかゞふ間、そのひとり頭いたく糞によごれて緇素を
判
(
わか
)
ち難きものを見き 一一五—一一七
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
はっと驚く暇もなく彼女は
何所
(
どこ
)
とも
判
(
わか
)
らない深みへ
驀地
(
まっしぐら
)
に陥って行くのだった。彼女は眼を開こうとした。しかしそれは堅く閉じられて
盲目
(
めしい
)
のようだった。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
主人の娘が死んで悲しいわけではないけれど、気が動転してどうしていいのか
判
(
わか
)
らないのだろうと私は思った。
風宴
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
巡査がハンドバッグを
披
(
ひら
)
いてみると、通帳や公債が出て来た。旅装のまま、遭難した婦人であることが
判
(
わか
)
った。
夏の花
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
僕には
判
(
わか
)
らない外国の文字ばかりで、仕方がないから大辻さんに見せると、これがギリシャ語だというのです。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わけても日本人には親しみの深い人で、野村光一氏が「日本人の情操からしてむしろ
判
(
わか
)
り
易
(
やす
)
い音楽の一つ——」
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
そして伸び上つて幹を
検
(
しら
)
べてみると、それは明らかに或る一種の恐ろしい病気に襲はれてゐることが
判
(
わか
)
つた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
荷嵩
(
にかさ
)
になりさうな物だつたり、由緒がはつきり
判
(
わか
)
りかねる品だつたら、その渡来の時日がぴつたり註文に合はうが、合ふまいが、そんなことには一向頓着なく
侘助椿
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そうして大都会の下町に、
蜂
(
はち
)
の巣の如く交錯している大小無数の街路のうち、私が通った事のある所と、ない所では、
孰方
(
どっち
)
が多いかちょいと
判
(
わか
)
らなくなって来た。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と
突如
(
だしぬけ
)
に
後
(
うしろ
)
から肩を叩くものがある。びツくりして振返ると、夜目だから、
能
(
よ
)
く
判
(
わか
)
らぬが、脊の高い
痩
(
やせ
)
ツこけた白髮の老人が、のツそりと立ツてゐるのであツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
しかしその中にはどうしても鼻でなければ受け持ち得ない役が又どの位あるか
判
(
わか
)
らないのであります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これをも文運の促進とは聴いて呆れる、大量生産の十が九は、それ等の手に帰する外はあるまい、これを我輩は多数少国民を荼毒せし文弱化と叫ぶのである、
判
(
わか
)
ったか
一円本流行の害毒と其裏面談
(新字新仮名)
/
宮武外骨
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は、
片山
(
かたやま
)
の
同志
(
どうし
)
のK
氏
(
し
)
の
家
(
うち
)
に
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せて、
彼
(
かれ
)
の
居所
(
ゐどころ
)
を
搜
(
さが
)
してゐたが、その
彼
(
かれ
)
が、I
刑務所
(
けいむしよ
)
の
未決監
(
みけつかん
)
にゐると
判
(
わか
)
つたのは、
行方不明
(
ゆくへふめい
)
になつてから、
半年
(
はんとし
)
もの
後
(
のち
)
だつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
舟木一家に残る古い焼物図絵を見ると「
御誂物手鑑
(
おんあつらえものてかがみ
)
」とか「
御好御写物
(
おんこのみおんうつしもの
)
」とか「御誂物絵図」とか題したものが残っている。藩の御用命で上等の品も作られたことが
判
(
わか
)
る。
雲石紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
『あら
嫌
(
いや
)
だ! もう
判
(
わか
)
ってるじゃないの。フラミンゴか、さもなけりゃキャメルフォウドよ。』
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
この最後の大笑で
砲車雲
(
ほうしゃうん
)
は全く打払ッたが、その代り手紙は何を読んだのだか
皆無
(
かいむ
)
判
(
わか
)
らない。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
“判”の意味
《名詞》
(ハン)判断。判定。
(ハン)判決。
(ハン)判子。印判。
(ハン)書き判。花押。
(ハン、バン)判型。紙や書籍の大きさ。
(出典:Wiktionary)
判
常用漢字
小5
部首:⼑
7画
“判”を含む語句
判然
評判
判明
審判官
判官
審判
大評判
裁判所
論判
連判状
談判
判別
直談判
平判官康頼
印判
審判者
判断
裁判
裁判官
小判形
...