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佩
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お
ふりがな文庫
“
佩
(
お
)” の例文
朱は車をうながして往ってしまったが、すこし往って振りかえり、
佩
(
お
)
びていた刀を解いて人に持たしてよこし、遥かに緯に向って
陸判
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
今眺めている
丈
(
たけ
)
高い軍服姿、胸には白く十字を現したダネブログ勲章のコマンドル章を
佩
(
お
)
びられたところもさっきのままであるし
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
銀色の十字架を胸に
佩
(
お
)
びてゾロゾロと乗込んで来たので、
居住居
(
いずまい
)
を崩していた羽織袴連中は、今更のように眼を
聳
(
そばだ
)
てて坐り直した。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
十八史略までは
素読
(
そどく
)
を授かった覚えのある七兵衛は、「我をして
洛陽負郭二頃
(
らくようふかくにきょう
)
の
田
(
でん
)
あらしめば、いずくんぞよく六国の
相印
(
しょういん
)
を
佩
(
お
)
びんや」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二人の衣裳持物は
都
(
すべ
)
て香以の
贈
(
おくりもの
)
で文左衛門の
銀装
(
ぎんごしらえ
)
の脇差は香以の常に
佩
(
お
)
びた物である。この狂言の作者は香以の取巻の一人河竹新七であった。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
また我藩では世子の小姓の菅沼忠三郎というが内命を
佩
(
お
)
びて九州方面へ使者に行ったのを、馬関海峡で長州巡邏船で捕えた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
彎刀
(
カトラス
)
を
佩
(
お
)
び、例の海図をポケットに入れ、銃を肩にかけて、北側の防柵を乗り越え、さっさと樹立の中へ入って行った。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
北斉赦あるごとに金鶏を閭門に立てる事三日でやむ。万人競うて金鶏柱下の土を少しく取り
佩
(
お
)
ぶれば、日々利ありというに数日間ついに坑を成した。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その男の顔色はまったく
銅色
(
あかがねいろ
)
をしておりまして、身には高価な外国の衣服をつけ、帯には短剣を
佩
(
お
)
びているのが、老婆のバルバラの提灯で見えました。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
「卿等、碌々人に拠って事をなすの徒。
燕雀
(
えんじゃく
)
、
何
(
いずく
)
んぞ、大鵬の志を知らんや、か——吾に、洛陽
負廓田
(
ふかくでん
)
二
頃
(
けい
)
有らしめば、
豈
(
あに
)
よく六国の相印を
佩
(
お
)
びんや、か」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「ははあ、幾ら俺が手下を廻すとって、まさかそれほどの事では交番へも
引張
(
ひっぱ
)
り出せないで、一名制服を着けて、
洋刀
(
サアベル
)
を
佩
(
お
)
びた奴を従えて
店前
(
みせさき
)
へ
喚
(
わめ
)
き込んだ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此日、篠原国幹は、外套の上に銀かざりの太刀を
佩
(
お
)
び、自ら刀を揮って指揮したのだが、官軍の江田少佐がその顔を知って居って、狙撃させて斃したのであった。
田原坂合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
瑠璃
(
るり
)
色なる不二の
翅脈
(
しみやく
)
なだらかに、
絮
(
じよ
)
の如き積雪を
膚
(
はだへ
)
の衣に
著
(
つ
)
けて、
悠々
(
いう/\
)
と天空に
伸
(
の
)
ぶるを仰ぐに、絶高にして
一朶
(
いちだ
)
の
芙蓉
(
ふよう
)
、人間の光学的分析を許さゞる天色を
佩
(
お
)
ぶ
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
佩
(
お
)
びた武器をひきよせて立ちあがらなければならぬ——そういう何秒かのしずかさであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
また、吉野のクズどもがオホサザキの命の
佩
(
お
)
びておいでになるお刀を見て歌いました歌は
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
勲章を
佩
(
お
)
びた欧洲の役人達——これ等は私にとっては皆目新しく、そして興味があった。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
大人しい青年で、親にも告げずに身に
佩
(
お
)
びては悪かろうと、豎牛を通じて病父にその名誉の事情を告げ玉環を見せようとした。牛は玉環を受取って内に入ったが、叔孫には示さない。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
しかして彼の平易なる独逸語を以て著述せしその註解書を読まん、「今よりのち
誰
(
たれ
)
も我を
擾
(
わずらわ
)
すなかれ、
蓋
(
そ
)
はわれ身にイエスの
印記
(
しるし
)
を
佩
(
お
)
びたればなり」(六章十七節)、ああ何たる快ぞ
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
乾鮭
(
からさけ
)
の大きな奴を
太刀
(
たち
)
の如くに腰に
佩
(
お
)
び、裸同様のあさましい姿で、
痩
(
や
)
せた
牝牛
(
めうし
)
の上に
乗
(
のり
)
跨
(
また
)
がり、えらそうな顔をして先駆の列に立って、都大路の諸人環視の中を堂々と打たせたから、群衆は呆れ
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
月が有るから
透
(
すか
)
して見ると
驚
(
おどろい
)
た、
白糸縅
(
しらいとおどし
)
の
鎧
(
よろい
)
に
鍬形打
(
くわがたうち
)
たる
兜
(
かぶと
)
を
戴
(
いただ
)
き、大太刀を
佩
(
お
)
び手に十文字の
鎗
(
やり
)
を
提
(
さ
)
げ容貌堂々
威風凜々
(
いふうりんりん
)
たる武者である、某はあまり意外なものに出会い
呆然
(
ぼうぜん
)
として
見詰
(
みつめ
)
ているうち
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
そこでその
嫩葉
(
わかば
)
を揉みて髪の中にしのばせ、あるいは油に和して婦人の頭に伝え、あるいは体に
佩
(
お
)
び、また湯に入れてこれに浴したものだ。ゆえに、一にこれを香草と称え、香水蘭と呼んだのである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
寧
(
いっ
)
そ
腕力付
(
うでづく
)
で奪い取ろうかとも考えたが、剣を
佩
(
お
)
びたる多数の警官と闘うことは、彼も
流石
(
さすが
)
に
憚
(
はばか
)
った。この場合、味方と頼むのは多年同棲したる𤢖であるが、彼等も
其
(
その
)
以来
何処
(
どこ
)
へ隠れたか姿を見せぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
燕尾服に白襟を附けて、
綬
(
じゆ
)
を
佩
(
お
)
びてゐる。
薔薇
(新字旧仮名)
/
グスターフ・ウィード
(著)
黄金
(
こがね
)
の
印
(
いん
)
をあまた
佩
(
お
)
び
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
腰に
佩
(
お
)
びたる
珠
(
たま
)
鳴りて
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
三人の中には
怯
(
お
)
ず怯ずと兵員たちの腰に
佩
(
お
)
びた剣に触ってみるものもあれば、不思議そうに靴に眼を留めて、
凝乎
(
じっ
)
と眺めている者もある。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
当時の新聞雑誌で見れば、ヴェネチアの街が駿河台の
屋鋪町
(
やしきまち
)
で、オセロは日清戦争時代の将官の
肋骨服
(
ろっこつふく
)
に、三等勲章を
佩
(
お
)
びて登場したということである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
内に三尺ばかりの古猴一刀を
佩
(
お
)
びて登り、不浄参詣は必ずその刀を振って追う、人これを怪しむと出づ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
後に間もなく、信綱知って之を賞し、水野勝成は自ら
佩
(
お
)
ぶる宇多国房の刀を取って与えたと云う。
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
と
背後
(
うしろ
)
から
視
(
なが
)
めて
意気
(
いき
)
昂
(
あが
)
つて、
腕
(
うで
)
を
拱
(
こまぬ
)
いて、
虚空
(
こくう
)
を
睨
(
にら
)
んだ。
腰
(
こし
)
には、
暗夜
(
あんや
)
を
切
(
き
)
つて、
直
(
たゞ
)
ちに
木像
(
もくざう
)
の
美女
(
たをやめ
)
とすべき、
一口
(
ひとふり
)
の
宝刀
(
ほうたう
)
を
佩
(
お
)
びたる
如
(
ごと
)
く、
其
(
そ
)
の
威力
(
ゐりよく
)
に
脚
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
胸
(
むね
)
を
反
(
そ
)
らした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すなはち
衣
(
みそ
)
の中に
甲
(
よろひ
)
を
服
(
け
)
し、弓矢を
佩
(
お
)
ばして、馬に乘りて出で行きて、忽の間に馬より往き
雙
(
なら
)
びて
五
、矢を拔きて、その忍齒の王を射落して、またその
身
(
みみ
)
を切りて、馬
樎
(
ぶね
)
六
に入れて
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
シルヴァーは、腰に大きな
彎刀
(
カトラス
)
を
佩
(
お
)
び、四角い裾の上衣の一つ一つのポケットにピストルを一挺ずつ入れている他に、他に二挺の鉄砲を——一挺は前に一挺は後に——吊り下げていた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
公は顫える手で身に
佩
(
お
)
びた美玉をとり外して、己氏の前に差出した。
盈虚
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
十二の
金印
(
きんいん
)
を
佩
(
お
)
びて
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
わたくしは此最後の丹後、眞志屋の鑑札を
佩
(
お
)
びて維新前まで水戸邸の門を潜つた最後の丹後をまのあたり見て、これを
緘默
(
かんもく
)
に附するに忍びぬからである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
金の拍車の付いた短靴を召されて、銀色の勲章飾りというのは、
佩
(
お
)
びていられたレレファン・ブラン大綬章の略綬を指すのであろう。そのとおりであった。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
欧州にもこれに劣らぬ
豪
(
えら
)
い話があってアルペルッス・マグヌスの秘訣に人もし兎の四足と
黒鳥
(
マール
)
の首を
併
(
あわ
)
せ
佩
(
お
)
ぶればたちまち向う見ず無双となって死をだも
懼
(
おそ
)
れず
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それでお召物の中に
甲
(
よろい
)
をおつけになり、弓矢をお
佩
(
お
)
びになつて、馬に乘つておいでになつて、たちまちの間に馬上でお竝びになつて、矢を拔いてそのオシハの王を射殺して、またその身を切つて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
これは腰下を皮で蓋い玉を護符または装飾として腰間に
佩
(
お
)
びた
無下
(
むげ
)
の蛮民を、猴様の獣と誤ったのだ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
美しくゆひ上げたるこがね色の髪と、まばゆきまで白き
領
(
えり
)
とを
露
(
あらわ
)
して、車の扉開きし
剣
(
つるぎ
)
佩
(
お
)
びたる
殿守
(
とのもり
)
をかへりみもせで入りし跡にて、その乗りたりし車はまだ動かず
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
東海の黄公少時
幻
(
げん
)
を能くし蛇や虎を制するに赤金刀を
佩
(
お
)
ぶ、衰老の後飲酒度を過ぐ、白虎が東海に
見
(
あらわ
)
れたので例の赤刀を持ち
厭
(
まじない
)
に行きしも術行われず虎に食われた
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
画
(
え
)
を善くして、「
外浜画巻
(
そとがはまがかん
)
」及「
善知鳥
(
うとう
)
画軸」がある。剣術は群を抜いていた。壮年の頃
村正
(
むらまさ
)
作の
刀
(
とう
)
を
佩
(
お
)
びて、本所
割下水
(
わりげすい
)
から
大川端
(
おおかわばた
)
辺
(
あたり
)
までの間を
彷徨
(
ほうこう
)
して
辻斬
(
つじぎり
)
をした。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
『大英百科全書』に、英仏その他で政党や軍士が古く形色各別のコッケイドを
佩
(
お
)
びた事、並びに欧州諸邦の王家それぞれコッケイドの色を異にした例を多く挙げいる。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
徳山と
門司
(
もじ
)
との間を交通している蒸汽船から上がったのが午前三時である。地方の軍隊は送迎がなかなか手厚いことを知っていたから、石田はその頃の通常礼装というのをして、勲章を
佩
(
お
)
びていた。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
カンポステラに詣で、これを拝する者は、皆
杓子貝
(
しゃくしがい
)
を
佩
(
お
)
ぶ。その事日本の巡礼
輩
(
ら
)
が杓子貝を帯ぶるに合うとは、多賀や宮島に詣る者、杓子を求め帰るを誤聞したものか。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
吉丁虫を支那、玉虫や
鴛
(
おしどり
)
の
思羽
(
おもいば
)
を日本の婦女が身に
佩
(
お
)
びたり、
鏡奩
(
かがみばこ
)
に入れたりするも、上に述べた諸動植物も媚薬で、甚だしきは劇性人を殺す事ヒッポマネスごときもある。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
悪を避けは西洋でいう邪視を避くる事でこれが一番確説らしい。アラビア人など駿馬が悪鬼や人の羨み見る眼毒に
中
(
あて
)
らるるを恐るる事甚だしく、種々の物を
佩
(
お
)
びしめてこれを避く。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
故に邪視を惧るる者、ことさらに悪衣を着、顔を
穢
(
よご
)
し
痣
(
あざ
)
を作りなどして、なるべく人に注視されぬようにし、あるいは男女の陰像を
佩
(
お
)
びて、まず前方の眼力をその方に注ぎ弱らしむ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
これを家に置けば火災に遇わず、口に含めば渇かず、身に
佩
(
お
)
ぶれば
創
(
きず
)
を受けず。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
佩
漢検1級
部首:⼈
8画
“佩”を含む語句
佩刀
御佩刀
御佩
横佩
大佩帯
佩剣
横佩墻内
横佩家
佩環
小佩
剣佩
感佩
佩用
腰佩
大佩帶
佩玉
佩楯
汝所堅之美豆能小佩
佩嚢
横佩垣内
...