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伊豆
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いず
ふりがな文庫
“
伊豆
(
いず
)” の例文
伊豆
(
いず
)
の
田方
(
たがた
)
郡の盆の竈などは、これを作り上げる者は十四歳の娘ときまっていた。珍しい話だがその時は必ず腰巻を取って出て来た。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
伊豆
(
いず
)
地震の時に各地で目撃された「地震の光」の実例でも、一方から他方へ光が流れたというような記録がかなりたくさんにあったが
人魂の一つの場合
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それら一団というのは、天草の残党、すなわち知恵
伊豆
(
いず
)
の出馬によって曲がりなりにも静まった島原の乱のあの残党たちでした。
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「吉三郎は相模者で、お前は
伊豆
(
いず
)
、——海一つ向うだな、——手代の与母吉はどうだ。ちょいちょいお前を付け廻したというではないか」
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのため
安政
(
あんせい
)
三(一八五六)
年
(
ねん
)
に、ハリスがアメリカの
総領事
(
そうりょうじ
)
として、
伊豆
(
いず
)
の
下田
(
しもだ
)
(
静岡県
(
しずおかけん
)
)へやってきて、
幕府
(
ばくふ
)
とこうしょうしました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
▼ もっと見る
月が代ってから、
痔
(
じ
)
に悩んでいた浅井が、
伊豆
(
いず
)
の方へ湯治に行った留守に、お雪が不断着のままで、ふとある日お増のところへやって来た。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
些
(
ち
)
と
出過
(
ですぎ
)
たと思うほど、分けられた波の
脚
(
あし
)
は、
二線
(
ふたすじ
)
長く広く尾を引いて、小獅子の姿は
伊豆
(
いず
)
の岬に、ちょと小さな点になった。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうして、三宅さまは、その日は
伊豆
(
いず
)
の長岡温泉に宿を予約していらっしゃるとかで、看護婦さんと一緒にお帰りになった。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
静岡県は
遠江
(
とおとうみ
)
と
駿河
(
するが
)
と
伊豆
(
いず
)
との三国を含みます。富士の国といってもよいでありましょう。四季をその眺めで暮します。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
しかしクルミさんは、箱根や
伊豆
(
いず
)
へ出掛けるのではない。ずっと手前の、国府津の叔母さんのところへ行くのだった。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
天子
(
てんし
)
さまはたいそうおおどろきになり、
伊豆
(
いず
)
の
国司
(
こくし
)
の
狩野介茂光
(
かののすけしげみつ
)
というものにたくさんの
兵
(
へい
)
をつけて、二十
余艘
(
よそう
)
の
船
(
ふね
)
で
大島
(
おおしま
)
をお
攻
(
せ
)
めさせになりました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ぽつんと一つ雲か何かのように見えるでしょう空に浮いて……大島って
伊豆
(
いず
)
の先の離れ島です、あれがわたしの
釣
(
つ
)
りをする所から正面に見えるんです。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
伊豆
(
いず
)
半島の
修善寺
(
しゅぜんじ
)
温泉から四キロほど南、
下田
(
しもだ
)
街道にそった山の中に、
谷口村
(
たにぐちむら
)
というごくさびしい村があります。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
果
(
はた
)
して、さしものに
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
った
大時化
(
おおしけ
)
が、
間
(
ま
)
もなく
収
(
おさ
)
まり、
三浦
(
みうら
)
の
土地
(
とち
)
はさしたる
損害
(
そんがい
)
もなくして
済
(
す
)
んだのでしたが、
三浦以外
(
みうらいがい
)
の
土地
(
とち
)
、
例
(
たと
)
えば
伊豆
(
いず
)
とか
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
(明治四十一年)九月の末におくればせの暑中休暇を得て、
伊豆
(
いず
)
の
修善寺
(
しゅうぜんじ
)
温泉に浴し、養気館の
新井
(
あらい
)
方にとどまる。
所作為
(
しょざい
)
のないままに、毎日こんなことを書く。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
よくはおぼえていないが、江戸時代の
砲術家
(
ほうじゅつか
)
で、
伊豆
(
いず
)
の
韮山
(
にらやま
)
に
反射炉
(
はんしゃろ
)
というものをきずいて、そこで、そのころとしてはめずらしい大砲を
鋳造
(
ちゅうぞう
)
したという人である。
嘘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
その来宮様のいた処は、今の
静岡県
(
しずおかけん
)
加茂郡
(
かもごおり
)
下河津村
(
しもかわづむら
)
の
谷津
(
やづ
)
であった。
某年
(
あるとし
)
の十二月二十日
比
(
ごろ
)
、私は
伊豆
(
いず
)
の
下田
(
しもだ
)
へ遊びに往ったついでに、その谷津へ往ったことがあった。
火傷した神様
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
長島
伊豆
(
いず
)
、安井
将監
(
しょうげん
)
と名のる徳川家の使者が、今朝、前ぶれもなく、黒田ノ城へ臨んで云った。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
横須賀
(
よこすか
)
以下、東京湾の入口に近い千葉県の海岸、
京浜間
(
けいひんかん
)
、相模の海岸、それから、
伊豆
(
いず
)
の、相模なだに対面した海岸全たいから
箱根
(
はこね
)
地方へかけて、少くて四寸以上のゆれ巾
大震火災記
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
伊豆
(
いず
)
七島から、
小笠原
(
おがさわら
)
諸島にかけて、漁業には深い経験のある漁夫出身者で、いくどか難船したこともあり、いつも新しいことを工夫する、遠洋漁業調査には、なくてはならぬ
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
箱根から
伊豆
(
いず
)
半島の温泉へ、志ざす人々で、一杯になっている
筈
(
はず
)
の二等室も、春と夏との間の、湯治には
半端
(
はんぱ
)
な時節であるのと、一週間ばかり雨が、降り続いた
揚句
(
あげく
)
である
為
(
ため
)
とで
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
僕がいま一番尊敬しているのは、僕の使っている三十五の
伊豆
(
いず
)
という下級職工ですよ。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
伊豆
(
いず
)
の
熱海
(
あたみ
)
温泉場の
挽物師
(
ひきものし
)
で山本由兵衛という人の次男の国吉というのを養子にしたのですが、この子供が器用であって、養父の吉兵衛さんも職業柄彫刻のことなどに心がある処から
幕末維新懐古談:77 西町時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
伊豆
(
いず
)
の国には
流人
(
るにん
)
前右兵衛佐頼朝
(
さきのうひょうえのすけよりとも
)
、
常陸
(
ひたち
)
には
信太三郎先生義憲
(
しだのさぶろうせんじょうよしのり
)
、
佐竹冠者昌義
(
さたけのかんじゃまさよし
)
、その子の太郎忠義、三郎義宗、四郎高義、五郎義季、陸奥には故
左馬頭義朝
(
さまのかみよしとも
)
の
末子
(
ばっし
)
、
九郎冠者義経
(
くろうかんじゃよしつね
)
など。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
この上等品は秋から冬にかけて発生するのだが
悉
(
ことごと
)
く横浜へ出して支那へ輸出してしまう。
伊豆
(
いず
)
一国から毎年二十万円位の椎茸を輸出するそうだ。
春子
(
はるご
)
というのは沢山発生して
価
(
ね
)
も
廉
(
やす
)
い。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
飛地の
伊豆
(
いず
)
は
田方郡
(
たかたごおり
)
の諸村を見廻りの初旅というわけで、江戸からは若党一人と
中間
(
ちゅうげん
)
二人とを供に連れて来たのだが、
箱根
(
はこね
)
風越
(
かざこし
)
の伊豆
相模
(
さがみ
)
の
国境
(
くにざかい
)
まで来ると、早くも領分諸村の
庄屋
(
しょうや
)
、村役などが
丹那山の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「実にいい天気だ。
伊豆
(
いず
)
が近く見えるじゃないか、話でもできそうだ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「こんな場所で、どうかと思うが、いそぐゆえ、伺いますが、こなたの
上方
(
かみがた
)
の持米が船積みされ、今ごろは、もう、
伊豆
(
いず
)
の岬にも、さしかかっているであろう——とのこと、実証でありますかな?」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
私
(
わし
)
は
伊豆
(
いず
)
の
網代
(
あじろ
)
へ行ったことがある、其処に売られて来た
芸妓
(
げいしゃ
)
は、矢張叔父さんに
欺
(
だま
)
されて
娼妓
(
じょろう
)
にされまして来たと云うので、涙を落しての話で有ったが、それはお気の毒な事だねえ、左様でげすか
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
箱根路をわが越え来れば
伊豆
(
いず
)
の海やおきの小島に波のよる見ゆ
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「何でも
伊豆
(
いず
)
の海岸を廻るとかいう御話しでした」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それだからバンギ(
肥前
(
ひぜん
)
平島
(
ひらしま
)
)と謂ったり、ヨサイギモン(
下甑島
(
しもこしきじま
)
)と謂ったり、ヨウマアサマ(
伊豆
(
いず
)
新島
(
にいじま
)
)と謂ったりする。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
今度のは
箱根
(
はこね
)
から
伊豆
(
いず
)
へかけての一帯の地に限られている。いつでもこの程度ですむかというとそうは限らないようである。
時事雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ここで中部と名づけるのは便宜上、
美濃
(
みの
)
、
飛騨
(
ひだ
)
、
尾張
(
おわり
)
、
三河
(
みかわ
)
、
遠江
(
とおとうみ
)
、
駿河
(
するが
)
、
伊豆
(
いず
)
、
甲斐
(
かい
)
、
信濃
(
しなの
)
の九ヵ国を指します。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そこで
為朝
(
ためとも
)
の
死罪
(
しざい
)
を
許
(
ゆる
)
して、その
代
(
かわ
)
り
強
(
つよ
)
い
弓
(
ゆみ
)
の
引
(
ひ
)
けないように、ひじの
筋
(
すじ
)
を
抜
(
ぬ
)
いて
伊豆
(
いず
)
の
大島
(
おおしま
)
に
流
(
なが
)
しました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私たちが、東京の西片町のお家を捨て、
伊豆
(
いず
)
のこの、ちょっと支那ふうの山荘に引越して来たのは、日本が無条件降伏をしたとしの、十二月のはじめであった。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その七万両というのは、大久保石見守が、家康公の命令で、最初に
伊豆
(
いず
)
の金山を掘った時、後日のために、掘った黄金の一部を割いて箱根の山中に隠して置いたのだ。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかしさいわいなことに、その島原の騒動も、知恵
伊豆
(
いず
)
の出馬によってようやく納まり、乱が起きてからまる四月め、寛永十五年の二月には曲がりなりにも鎮定したので
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「この人はいつかお話した
伊豆
(
いず
)
さんです。僕の一番お世話になっている人です。」
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
元旦
(
がんたん
)
の初日の出を、
伊豆
(
いず
)
近海におがみ、青空に
神々
(
こうごう
)
しくそびえる富士山を、見かえり見かえり、希望にもえる十六人をのせた
龍睡丸
(
りゅうすいまる
)
は、
追手
(
おいて
)
の風を帆にうけて、南へ南へと進んで行った。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
思う
仔細
(
しさい
)
があって、一時宿を引払って旅に出る、行く先とては定まらぬ、謂わば放浪の旅だけれど、最初は
伊豆
(
いず
)
半島の南の方へ志す
積
(
つも
)
りだと告げ、小さな
行李
(
こうり
)
一つを
携
(
たずさ
)
えて出発しました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
父さまが
鎌倉
(
かまくら
)
においでなされたら、わたしらもこうはあるまいものを、
名聞
(
みょうもん
)
を好まれぬ職人
気質
(
かたぎ
)
とて、この
伊豆
(
いず
)
の山家に隠れ
栖
(
ずみ
)
、親につれて子供までも
鄙
(
ひな
)
にそだち、しょうことなしに今の身の上じゃ。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その
端
(
はて
)
に、
伊豆
(
いず
)
の連山が、淡くほのかに晴れ渡っているのだった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「すると向こうに見える
岬
(
みさき
)
は
伊豆
(
いず
)
の国とはちがいますか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊豆
(
いず
)
の
八丈島
(
はちじょうじま
)
などでは、屋根葺きおわりの日の祝宴をニイトメ祝いといっているが、これが
縫
(
ぬ
)
いとめであることはもう気づかぬ人が多くなった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
伊豆
(
いず
)
地方が強震に襲われた。四日目に日帰りで
三島町
(
みしままち
)
まで見学に出かけた。三島駅でおりて見たが
瓦
(
かわら
)
が少し落ちた家があるくらいでたいした損害はないように見えた。
時事雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いやしくも老中職の松平知恵
伊豆
(
いず
)
が、
釜
(
かま
)
のような判を押して保証しただけに、大のおもわく違いで、温厚なものならむろん人に恨みを買うような非行もないはずでしたから
右門捕物帖:02 生首の進物
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
為朝
(
ためとも
)
は
鬼
(
おに
)
ガ
島
(
しま
)
を
平
(
たい
)
らげたついでに、ずんずん
船
(
ふね
)
をこぎすすめて、やがて
伊豆
(
いず
)
の
島々
(
しまじま
)
を
残
(
のこ
)
らず
自分
(
じぶん
)
の
領分
(
りょうぶん
)
にしてしまいました。そして
鬼
(
おに
)
ガ
島
(
しま
)
から
大男
(
おおおとこ
)
を
一人
(
ひとり
)
つれて、
大島
(
おおしま
)
へ
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
ました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
伊豆
(
いず
)
の大島にやられていまして、毎日毎日、実にイヤな穴掘工事を言いつけられ、もともとこんな
痩
(
や
)
せ細ったからだなので、いやもう、いまにも死にそうな気持ちになったほどの苦労をしました。
女類
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あたりまえだ、北日本の海に
伊豆
(
いず
)
はない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“伊豆”の意味
《固有名詞》
伊豆 (いず)
静岡県に属する半島と東京都に属する諸島。
伊豆におかれた令制国。伊豆国。
静岡県伊豆市。
(出典:Wiktionary)
伊
漢検準1級
部首:⼈
6画
豆
常用漢字
小3
部首:⾖
7画
“伊豆”で始まる語句
伊豆守
伊豆山
伊豆国
伊豆石
伊豆屋
伊豆伍
伊豆志
伊豆大島
伊豆蔵
伊豆甚