“伊豆:いず” の例文
“伊豆:いず”を含む作品の著者(上位)作品数
寺田寅彦5
柳田国男4
佐々木味津三3
太宰治2
岡本綺堂2
“伊豆:いず”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 地理・地誌・紀行 > 地理・地誌・紀行(児童)100.0%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 社会・家庭生活の習俗26.7%
芸術・美術 > 工芸 > 工芸16.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
某年あるとしの十二月二十日ごろ、私は伊豆いず下田しもだへ遊びに往ったついでに、その谷津へ往ったことがあった。
火傷した神様 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それら一団というのは、天草の残党、すなわち知恵伊豆いずの出馬によって曲がりなりにも静まった島原の乱のあの残党たちでした。
そうして、三宅さまは、その日は伊豆いずの長岡温泉に宿を予約していらっしゃるとかで、看護婦さんと一緒にお帰りになった。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
為朝ためとも伊豆いずの七とう勝手かってうばった上に、おにしまからおにをつれて
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
しかしクルミさんは、箱根や伊豆いずへ出掛けるのではない。ずっと手前の、国府津の叔母さんのところへ行くのだった。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「吉三郎は相模者で、お前は伊豆いず、——海一つ向うだな、——手代の与母吉はどうだ。ちょいちょいお前を付け廻したというではないか」
月が代ってから、に悩んでいた浅井が、伊豆いずの方へ湯治に行った留守に、お雪が不断着のままで、ふとある日お増のところへやって来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
長島伊豆いず、安井将監しょうげんと名のる徳川家の使者が、今朝、前ぶれもなく、黒田ノ城へ臨んで云った。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊豆いず半島の修善寺しゅぜんじ温泉から四キロほど南、下田しもだ街道にそった山の中に、谷口村たにぐちむらというごくさびしい村があります。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかし、伊豆いずならば頼朝よりとも覇府はふにちかく、また北条氏ともふかい関係があった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私たちが、東京の西片町のお家を捨て、伊豆いずのこの、ちょっと支那ふうの山荘に引越して来たのは、日本が無条件降伏をしたとしの、十二月のはじめであった。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
伊豆いず田方たがた郡の盆の竈などは、これを作り上げる者は十四歳の娘ときまっていた。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
伊豆いず八丈島はちじょうじまなどでは、屋根葺きおわりの日の祝宴をニイトメ祝いといっているが、これがいとめであることはもう気づかぬ人が多くなった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「この人はいつかお話した伊豆いずさんです。僕の一番お世話になっている人です。」
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
それだからバンギ(肥前ひぜん平島ひらしま)と謂ったり、ヨサイギモン(下甑島しもこしきじま)と謂ったり、ヨウマアサマ(伊豆いず新島にいじま)と謂ったりする。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そのはてに、伊豆いずの連山が、淡くほのかに晴れ渡っているのだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
伊豆いず新島にいじまでネリコと謂ったのは、甘藷の粉を米麦飯の中に入れて攪拌したものだということであるが、是はこの島に薩摩芋さつまいもが入ってから後の変化と思う。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「実にいい天気だ。伊豆いずが近く見えるじゃないか、話でもできそうだ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
静岡県は遠江とおとうみ駿河するが伊豆いずとの三国を含みます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
今度のは箱根はこねから伊豆いずへかけての一帯の地に限られている。
時事雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それから更に水に入った。出過ですぎたと思うほど、分けられた波のあしは、二線ふたすじ長く広く尾を引いて、小獅子の姿は伊豆いずの岬に、ちょと小さな点になった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここで中部と名づけるのは便宜上、美濃みの飛騨ひだ尾張おわり三河みかわ遠江とおとうみ駿河するが伊豆いず甲斐かい信濃しなのの九ヵ国を指します。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
とがった木の棒を土の上に突き立てて相手の立てたのを倒し合う競技を、関東とその周囲の県ではネッキという者が多く、またネンボウという名も伊豆いずあたりまで行なわれている。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「すると向こうに見えるみさき伊豆いずの国とはちがいますか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
箱根路をわが越え来れば伊豆いずの海やおきの小島に波のよる見ゆ
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
三浦以外みうらいがい土地とちたとえば伊豆いずとか
(明治四十一年)九月の末におくればせの暑中休暇を得て、伊豆いず修善寺しゅうぜんじ温泉に浴し、養気館の新井あらい方にとどまる。所作為しょざいのないままに、毎日こんなことを書く。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それは酒井家の領地巡検使という役目を初めて承わり、飛地の伊豆いず田方郡たかたごおりの諸村を見廻りの初旅というわけで、江戸からは若党一人と中間ちゅうげん二人とを供に連れて来たのだが
丹那山の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「何でも伊豆いずの海岸を廻るとかいう御話しでした」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
為朝ためともおにしまたいらげたついでに、ずんずんふねをこぎすすめて、やがて伊豆いず島々しまじまのこらず自分じぶん領分りょうぶんにしてしまいました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
道中いたってのごきげんで、おそくも夕景六ツ下がりまでには品川の宿へご参着のご予定、という宿役人からの急飛脚がございましたものでしたから、将軍家ご名代の老中筆頭松平知恵伊豆いず様につき従って
その島原の騒動も、知恵伊豆いずの出馬によってようやく納まり、乱が起きてからまる四月め、寛永十五年の二月には曲がりなりにも鎮定したので、おひざもとの江戸の町にも久かたぶりに平和がよみがえって
この前後伊豆いず大島おおしま火山が活動していた事が記録されているが、この時ちょうど江戸近くを通った台風のためにぐあいよく大島の空から江戸の空へ運ばれて来て落下したものだという事がわかる。
化け物の進化 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
せんだって、駿河湾するがわん北端に近い漁場におけるあじの漁獲高と伊豆いず付近の地震の頻度ひんどとの間にある関係があるらしいということについて簡単な調査の結果を発表したことがあった。
物質群として見た動物群 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そのため安政あんせい三(一八五六)ねんに、ハリスがアメリカの総領事そうりょうじとして、伊豆いず下田しもだ静岡県しずおかけん)へやってきて、幕府ばくふとこうしょうしました。
ぽつんと一つ雲か何かのように見えるでしょう空に浮いて……大島って伊豆いずの先の離れ島です、あれがわたしのりをする所から正面に見えるんです。あれでいて、日によって色がさまざまに変わります。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「こんな場所で、どうかと思うが、いそぐゆえ、伺いますが、こなたの上方かみがたの持米が船積みされ、今ごろは、もう、伊豆いずの岬にも、さしかかっているであろう——とのこと、実証でありますかな?」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
それ以外には多摩川上流の小河内おごうち村の鹿島踊でも、下総しもうさ印旛郡いんばぐんの村々に分布するものでも、安房あわの半島から伊豆いず、大島さらにその対岸の幾つかの海村に現存するものでも
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
無い筈だ。その七万両というのは、大久保石見守が、家康公の命令で、最初に伊豆いずの金山を掘った時、後日のために、掘った黄金の一部を割いて箱根の山中に隠して置いたのだ。その頃箱根にはまだ関所はなかった。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
よくはおぼえていないが、江戸時代の砲術家ほうじゅつかで、伊豆いず韮山にらやま反射炉はんしゃろというものをきずいて、そこで、そのころとしてはめずらしい大砲を鋳造ちゅうぞうしたという人である。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
伊豆いず地方が強震に襲われた。
時事雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
僕は、敗戦の前には徴用で、伊豆いずの大島にやられていまして、毎日毎日、実にイヤな穴掘工事を言いつけられ、もともとこんなせ細ったからだなので、いやもう、いまにも死にそうな気持ちになったほどの苦労をしました。
女類 (新字新仮名) / 太宰治(著)
この人は、伊豆いず七島から、小笠原おがさわら諸島にかけて、漁業には深い経験のある漁夫出身者で、いくどか難船したこともあり、いつも新しいことを工夫する、遠洋漁業調査には、なくてはならぬ、第一線の部隊長であった。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
ことに、その性行が温厚篤実という一条に至っては、いやしくも老中職の松平知恵伊豆いずが、かまのような判を押して保証しただけに、大のおもわく違いで、温厚なものならむろん人に恨みを買うような非行もないはずでしたから
元旦がんたんの初日の出を、伊豆いず近海におがみ、青空に神々こうごうしくそびえる富士山を、見かえり見かえり、希望にもえる十六人をのせた龍睡丸りゅうすいまるは、追手おいての風を帆にうけて、南へ南へと進んで行った。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
旧日本の各地には鼠送りが多いかと思われ、伊豆いず三宅島みやけじまなどでも、村からやや遠い空野に祭場を設け、それへ色々の食物を取りそろえて鼠送りをしていたということで、そこには現在小さなほこらがあるそうである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
父さまが鎌倉かまくらにおいでなされたら、わたしらもこうはあるまいものを、名聞みょうもんを好まれぬ職人気質かたぎとて、この伊豆いずの山家に隠れずみ、親につれて子供までもひなにそだち、しょうことなしに今の身の上じゃ。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼はその翌日、下宿屋の帳場へは、思う仔細しさいがあって、一時宿を引払って旅に出る、行く先とては定まらぬ、謂わば放浪の旅だけれど、最初は伊豆いず半島の南の方へ志すつもりだと告げ、小さな行李こうり一つをたずさえて出発しました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
磁石とコンパスでこれらの雲のおおよその方角と高度を測って、そして雲の高さを仮定して算出したその位置を地図の上に当たってみると、西は甲武信岳こぶしだけから富士ふじ箱根はこね伊豆いずの連山の上にかかった雲を一つ一つ指摘する事ができた。
春六題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
最上等のはここへ持って来た寒子かんこ蝶花形ちょうはながたといって肉の厚い笠の小さいのだ。この上等品は秋から冬にかけて発生するのだがことごとく横浜へ出して支那へ輸出してしまう。伊豆いず一国から毎年二十万円位の椎茸を輸出するそうだ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
常ならば、箱根から伊豆いず半島の温泉へ、志ざす人々で、一杯になっているはずの二等室も、春と夏との間の、湯治には半端はんぱな時節であるのと、一週間ばかり雨が、降り続いた揚句あげくであるためとで、それらしい乗客の影さえ見えなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そのために東京、横浜、横須賀よこすか以下、東京湾の入口に近い千葉県の海岸、京浜間けいひんかん、相模の海岸、それから、伊豆いずの、相模なだに対面した海岸全たいから箱根はこね地方へかけて、少くて四寸以上のゆれ巾、六寸の波動の大震動が来たのです。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
伊豆いず地震の時に各地で目撃された「地震の光」の実例でも、一方から他方へ光が流れたというような記録がかなりたくさんにあったが、これらもやはり前記の生理的効果で実験はほとんど瞬間的に出現した光帯を、錯覚でそういうふうに感じるのではないかと疑われるのである。
人魂の一つの場合 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この人には子供がないので、伊豆いず熱海あたみ温泉場の挽物師ひきものしで山本由兵衛という人の次男の国吉というのを養子にしたのですが、この子供が器用であって、養父の吉兵衛さんも職業柄彫刻のことなどに心がある処から、国吉を私の弟子としたいと頼んで来たのであります。
由「へえ、どうもあるねえ、一度ね、わし伊豆いず網代あじろへ行ったことがある、其処に売られて来た芸妓げいしゃは、矢張叔父さんにだまされて娼妓じょろうにされまして来たと云うので、涙を落しての話で有ったが、それはお気の毒な事だねえ、左様でげすか、お屋敷は何方どちらでございます」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あたりまえだ、北日本の海に伊豆いずはない。すなわちあれが能登のとの半島、また、うしろに見える山々は、白馬はくば戸隠とがくし妙高みょうこう赤倉あかくら、そして、武田家たけだけしのぎをけずった謙信けんしんの居城春日山かすがやまも、ここよりほど遠からぬ北にあたっておる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕がいま一番尊敬しているのは、僕の使っている三十五の伊豆いずという下級職工ですよ。これをしかるのは、僕には一番つらいことですが、影では、どうか何を云ってもゆるして貰いたい、工場の中だから、君を呼び捨てにしないと他のものが、云うことを聞いてはくれない、国のためだと思って、当分は赦してほしいと頼んであるんです。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)