“贖:あがな” の例文
“贖:あがな”を含む作品の著者(上位)作品数
折口信夫5
芥川竜之介3
ヴィクトル・ユゴー3
柳宗悦2
森鴎外2
“贖:あがな”を含む作品のジャンル比率
哲学 > キリスト教 > 聖書33.3%
哲学 > キリスト教 > キリスト教28.6%
文学 > イタリア文学 > 詩21.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
されどわざとならぬ其罪をあがなはんとてこそ、車上の貴人あてびとは我に字を識り書を讀むことを教へしめ給ひしなれ。
淺瀬とは、神がたゞその恩惠めぐみによりてゆるし給ふか、または人が自らその愚をあがなふか即ち是なり 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
次には、女人結界にょにんけっかいを犯して、境内深く這入はいった罪は、郎女いらつめ自身にあがなわさねばならなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
寺の四至の境に在る所で、長期の物忌みして、そのあがないはして貰わねばならぬ、と寺方も、言い分はひっこめなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
上らんとせし高さに應ずるあたはざればなり、人自らあがなふの力なかりしことわりげにこゝに存す —一〇二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
輪廻があがないであり、そこに歓喜が伴うということは、鶴見が前にいっていた。彼はそれを基礎として更に考えを進めてみるのである。
この株は今廉価を以てあがなうことが出来て、即日から月収三百両乃至ないし五百両の利があるといったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
女は云つた。「どうぞ御免なすつて下さいまし。まあ、わたくしはどういたして此罪をあがなつたら宜しいでせう。」
想ふに羅馬市には、黄金こがね耳環みゝわを典して、客人をあがなひ取ることををしまざる人あるならん。
寺の四至の境に在る所で、長期の物忌みして、あがなひはして貰はねばならぬと、寺方も言ひ分を挽つこめなかつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
姫の咎は、姫があがなふ。此寺、此二上山の下に居て、身のつぐなひ、心の償ひしたと姫が得心するまでは、還るものとはおもやるな。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
すさのをの天つ罪を行うた後、あがなひとして、田を元の如くする様を、神人として演ずるのだ、といふ風に解する時代が、あつたに違ひない。
放埒はうらつであつた前日の非をあがなへとばかり極端に自己を呵責かしやくして、身に出来るだけの禁欲を続けて来たことは誤りであつた。
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
その罪の恐ろしさは、なかなかあがなうべきすべのあるべきにあらず、今もなお亡き父上や兄上に向かいて、心にびぬ日とてはなし。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
又、農作物は神物であつて、そこなふ者の罪のあがなひ難い事を言うて、ハラへの事始めを述べ、其に関聯して、鎮魂法の霊験を説いて居る。
これ十九章二十五節にあるヨブのことばたる「われ知る我をあがなう者はく、後の日に彼必ず地の上に立たん」に対する嘲笑的皮肉である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「お母さんの早く没くなって、私がつかえられなくなったのは、天が私に罪をあがなわないためです。」
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
私の奴婢でも同様で、或いは主人の意志により、或いは相互の諒解により、或いは自らあがなって、家人に昇級したり、良民になったりしうるのである。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
これまでの行掛ゆきがかりを思えば、優善にこの上どうして罪をあがなわせようという道はない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
六月の初に河村が東京を発する前に、藤陰はまさわづかに二篇をあがなひ得たのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
強者は、人からなされた善を忘れる——のみならずまた、悲しくも、自分のなした害を自分の力であがない得ないと知れば、それをもただちに忘れてしまう。
歌比丘尼は、悪道苦患の掛軸を携へて、業報のあがなひ切れぬ事を諭す解きを主として居た。
しかし勿論その代りにそこには彼のあがなはなければならぬ多少の寂しさはあつたことであらう。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
己が此危険を御身に予告するのは、己が嘗て御身に禍を遺した罪をあがな所以ゆゐんである。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
其混乱は、吉事を待つ為の禊ぎを、凶事をあがなひ棄てる方便の祓へと一つにして行ふ様になる。
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かの女は、今こそこの父はむす子の幼時に負うた不情の罪をあがなう決心でいるのだと思った。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「君はあの、」とマリユスは言った、「四十年前の盗みを言うのだろう。あれならば、その新聞にもあるとおり、悔悟と克己と徳操との生涯であがなわれている。」
すなわち彼は心の自然の動きに追われて、あがなぬしの信念にまで到達したのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
十八歳の倭文子は、両親を失い、遠い縁者に養われる身であった故か、金銭と、金銭によってあがない得る栄誉とに、珍らしい程、はげしい執着を持つ娘であった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
かの事ありしよりこの方、あらびいつはりをもてかすむることをなし、後あがなひのためにポンティ、ノルマンディア及びグアスコニアを取れり 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
せめて、清吉の面倒をみる事によつて、死者へのあがなひが出来るやうな気がした。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
しかしながらその愉快は必ずや我らが汗もて血もて涙をもてあがなわねばならぬ。
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
時とすると死は、一種の壮烈さによってその恐ろしさをあがなわれることがある。
「君には秘密にすべきマッチ箱を売った失敗をあがなうことを命ずる。ただし我等の祖国は君の名をR団員の過去帖にしるして、これまでの忠勇を永く称するであろう、いいか」
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
マスミに対する罪をあがなうには、今からでも決して遅くはないぞ!
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いまだにあがなわれないほどの罪科を犯した自分らであったろうか。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
祈祷がなかったら、世の中はどうなるであろう? 人は他人のために罪をあがない、他人の罪過を身ににない、おのれの価値を他人に与え、世のために神の前を取りなしてやるのである。
何事をも永遠にゆるすものの目の前で、のた打ち廻るような必死の苦痛を、最初たった一人が受けたなら、その外の一切の人間の罪は、もうそれであがなってあまりあろうではないか。
人々にその罪を許し彼らに代わってそれをあがなうの潔白。
なみだ祈祷きとうつみをばあがなはぬぞよ。
当局者はく罪を罰するを知れり、乞い問う、罪をあがない得たる者を救助するの法ありや、再び饑餓きがの前にさらして、むしろ監獄の楽しみを想わしむることなきをし得るや。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
此處の歌は七首の聯作で、ほかの歌には、『後悔いむかもおぞの亞米利加』とあつたり、『罪をはや知りてあがなひまつれ亞米利加やつこ』とあつたりして、堂々のいきほひを示して居る。
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
人々ひとびと御主おんあるじよ、われをもたすたまへ。」此世このよ御扶おんたすけ蒼白あをじろいこのわが罪業ざいごふあがなたまはなかつた。
あらゆる新平の子女を我が手にあがなひ得つ。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
父の子は世界の罪をあがなうために殺される。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
一日一日罪をあがなってゆく感じだった。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
エルナニは恋敵に或る不始末を見られたあがなひとして、何時でも望みの時に命を遣らうと云ふ約束をしておいたが、大詰の城内の結婚式後の宴会の場で、命を望む時に吹かれることになつてゐる角笛の音がして来る
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
予が子のために——皇帝はワーテルローの戦場にて予を男爵に叙しぬ。復古政府は血をもってあがないたるこの爵位を予に否認すれども、予が子はこれを取りこれを用うべし。もとより予が子はそれに価するなるべし。
或声 しかしお前はあがなはない。
闇中問答 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
死は罪をあがなうことは出来ない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
器の美は人の汗のあがないである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
器の美は人の汗のあがないである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
但し罰をうければこそ、あがないもあると云う次第ゆえ、やがて御主の救抜きゅうばつを蒙るのも、それがしひとりにきわまりました。罪を罪と知るものには、総じて罰とあがないとが、ひとつに天から下るものでござる。
さまよえる猶太人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
とがあがなふ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さるほどに期限迫りて、果てはわが勤むる官署にすら督促のはがきを送らるる始末となりたれば、今はやむなくあたかも帰朝せる武男を説き動かし、この三千円を借り得てかの三千円を償い、武男の金をもって武男の名をあがなわんと欲せしなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「祭壇のきわめておごそかなる秘蹟」に対してなされた冒涜は、たとい一時的のものではあったとしても、二人のきよい魂から去らないで、ある童貞女らの修道院において「常住礼拝」をしなければあがなわれるものではないように思われた。
ただし此の規則を犯せるによって危害を生ぜば、罰金のみならずこの船並びに荷物の破れたる損害をもあがなわしむべきこと、第四条、乗客手廻り荷物は紛失等これ無き様自身取締りのこと、第五条、水火夫小使等無礼あるか其の職を尽さざるときは
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
どうじゃグレプニツキー。いまこそ、わらわの憎しみを知ったであろうのう。そもじを十字架クルスに付ければとて、罪はあがなえぬほどに底深いのじゃ。横蔵をあやめ、慈悲太郎を殺したそもじの罪は、いまここで、わらわが贖ってとらせるぞ。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ついには世界の終局において、永久的調和の刹那せつなにおいて、なんともたとえようのない高貴な現象があらわれて、それがすべての人々の胸に満ちわたり、すべての人々の憤懣ふんまんを柔らげ、すべての人の悪行や、彼らによって流された血をあがなって
神様が人間の罪をおあわれみになって、その一人子を天からおくだしになって、人間の罪のあがないをなされました。それ故、基督様は十字架につけられて、人間の罪の代りに殺されておしまいになりました救世主でございます。この救世主によらなければ、人間の罪は救われませぬ。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「宣告、——君は『狐の巣』の監督をおこたり、重大なる材料を流出させたる失敗をあがなうことを命ずる。忠勇なる『赤毛のゴリラ』よ。地下にめい……」瞑せよ——と云いかけたその刹那せつなの出来ごとだったが、突然どこからともなく一匹のねずみが現れて、チョロチョロと首領の方へ走りだした。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もし後悔しておるとすれば、つまり愛しておるのじゃ、もし愛しているならば、そなたはもはや神の子じゃ……愛はすべてのものをあがない、すべてのものを救う。現にわしのようにそなたと同じく罪深い人間が、そなたの身の上に心を動かして、そなたをあわれんでおるくらいじゃもの、神様はなおのことではないか。愛はまことにこのうえもない宝で、これがあれば世界じゅうを買うこともできる。
——そして、他人の苦しみをすべて一身に引き受けたその婦人が、人間の利己心の罪をみずから進んであがなったそのきよい婦人が、クリストフさん、人からどう判断されたとお思いになりますか? 意地悪な世間は彼女をとがめて、その事業から金をもうけてるのだと言ったり、保護してやった女どもから金を儲けてるとさえ言ったのです。彼女は力を落としてしまって、その町から立ち去らなければなりませんでした……。