“旅稼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たびかせぎ70.0%
たびかせ30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
想ふに羅馬市には、黄金こがね耳環みゝわを典して、客人をあがなひ取ることををしまざる人あるならん。拿破里ナポリ旅稼たびかせぎは、その後の事とし給はんもさまたげあらじ。
大窪天民は、「客歳かくさい」と云つてあるから文政十年に、加賀から大阪へ旅稼たびかせぎに出たと見える。天民の收入は、江戸に居つても「一日に一分や一分二朱」は取れるのである。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
両替屋出入りの客などをお花客とくいにして、大きな商賈しょうことなっているうえ、渡り職人や、旅稼たびかせぎの女芸人にいたるまで、他国者よそものが入市するには、ぜひとも
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅稼たびかせぎから帰って来た青柳は、放浪者のようにやつれて、すってんてんになってお雪のところへ転げこんで来るのであったが、お雪は切れた切れたと言いながら、やはり男の帰って来るのを待っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)