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見慣
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みな
ふりがな文庫
“
見慣
(
みな
)” の例文
一
羽
(
わ
)
の
見慣
(
みな
)
れない
小鳥
(
ことり
)
が
妙
(
みょう
)
な
節
(
ふし
)
で
木
(
き
)
に
止
(
と
)
まって
歌
(
うた
)
をうたっていました。
娘
(
むすめ
)
は、いままでこんな
不思議
(
ふしぎ
)
な
歌
(
うた
)
をきいたことがありません。
ふるさとの林の歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
異国の空の下でむだにあくせく働いたわけで、顎や
頬
(
ほお
)
いちめんの異様な
髯
(
ひげ
)
が、子供のころから
見慣
(
みな
)
れた顔をなんともぶざまにおおっていた。
判決
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
彼
(
かれ
)
は
即座
(
そくざ
)
に
云
(
い
)
ふ
可
(
べ
)
き
言葉
(
ことば
)
を
見出
(
みいだ
)
し
得
(
え
)
なかつたので、いたづらに、
見慣
(
みな
)
れたものゝ
上
(
うへ
)
に、
更
(
さら
)
に
新
(
あた
)
らしくもない
眼
(
め
)
を
据
(
す
)
ゑてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある
時
(
とき
)
摂津国
(
せっつのくに
)
の
難波
(
なにわ
)
の
津
(
つ
)
までおいでになりますと、
見慣
(
みな
)
れない
神
(
かみ
)
さまが、
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
って
向
(
む
)
こうからやって
来
(
き
)
ました。
命
(
みこと
)
が
赤い玉
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そこへ
見慣
(
みな
)
れぬ黒犬が一匹、突然猫を救いに
駈
(
か
)
けつけ、二十分に
亘
(
わた
)
る奮闘の
後
(
のち
)
、とうとうその大蛇を
噛
(
か
)
み殺した。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
継母が末の児を
背負
(
おぶ
)
ひ、お作の手を引き、進は
見慣
(
みな
)
れない男に連れられて、後を見かへり/\行つたといふことは、近所のかみさんが来ての話で解つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かれらはみんなかの女がむすめであり、
姉
(
あね
)
であることを
忘
(
わす
)
れきって、女中の仕事をするのばかり
見慣
(
みな
)
れていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
いつも
見慣
(
みな
)
れてゐる
藪
(
やぶ
)
の
竹
(
たけ
)
の
中
(
なか
)
にゐる
人
(
ひと
)
ですから、きっと、
天
(
てん
)
が
我
(
わ
)
が
子
(
こ
)
として
與
(
あた
)
へてくれたものであらうと
考
(
かんが
)
へて、その
子
(
こ
)
を
手
(
て
)
の
上
(
うへ
)
に
載
(
の
)
せて
持
(
も
)
ち
歸
(
かへ
)
り、
妻
(
つま
)
のお
婆
(
ばあ
)
さんに
渡
(
わた
)
して
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「これは
内緒
(
ないしょ
)
よ。気をつけないといけないわ。この村のげじげじ牧師のネッソンが、
見慣
(
みな
)
れない七八人の荒くれ男を案内して、下から登ってくるわ。あたし望遠鏡で、それを見つけたのよ」
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これはちょっと
見
(
み
)
ると、いかにも
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
花
(
はな
)
の
樣子
(
ようす
)
を
細
(
こま
)
やかに
寫
(
うつ
)
してあるように
見
(
み
)
えますが、
實
(
じつ
)
は
紫陽花
(
あぢさゐ
)
を
見
(
み
)
て
作
(
つく
)
つたのでなく、
見慣
(
みな
)
れてゐる
花
(
はな
)
の
模樣
(
もよう
)
を
空想
(
くうそう
)
に
浮
(
うか
)
べて、
美
(
うつく
)
しく
爲立
(
した
)
てたに
過
(
す
)
ぎません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
もしや、それでないかと、じっと
眼鏡
(
めがね
)
をその
船
(
ふね
)
の
上
(
うえ
)
に
向
(
む
)
けて
子細
(
しさい
)
に
見
(
み
)
ますと、いつかこの
港
(
みなと
)
に
入
(
はい
)
った、
彼
(
か
)
の
見慣
(
みな
)
れない
船
(
ふね
)
でありました。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると
殆
(
ほとんど
)
その途端に、ペンキ塗りの戸が勢よく開いて、
見慣
(
みな
)
れない一人の外国人が、よろめくやうに外からはひつて来た。その勢が烈しかつたからであらう。
南京の基督
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
珍しさうに客の顔を眺めるもあり、母親の蔭に隠れるもあり、
漸
(
やうや
)
く歩むばかりの末の児は、
見慣
(
みな
)
れぬ丑松を怖れたものか、
軈
(
やが
)
てしく/\やり出すのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
などと
考
(
かんが
)
えていました。そして、ガタ、ガタと
車
(
くるま
)
をひいてきかかりますと、あちらの
松
(
まつ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
見慣
(
みな
)
れないおじいさんが
休
(
やす
)
んでいました。
村の兄弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると、ある
日
(
め
)
のこと、
見慣
(
みな
)
れない
男
(
おとこ
)
の
旅人
(
たびびと
)
が
門口
(
かどぐち
)
に
立
(
た
)
って、
道
(
みち
)
を
聞
(
き
)
きました。そのとき
男
(
おとこ
)
は、
二人
(
ふたり
)
が
父親
(
ちちおや
)
の
看病
(
かんびょう
)
をしているのをながめて
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二、三
日
(
にち
)
たつと、この
港
(
みなと
)
に
見慣
(
みな
)
れない一そうの
黒
(
くろ
)
い
船
(
ふね
)
が
入
(
はい
)
ってきました。こんな
船
(
ふね
)
はめったに
見
(
み
)
ることがないのであります。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おまえのうたっている
歌
(
うた
)
は、なんという
歌
(
うた
)
なの。」と、
彼女
(
かのじょ
)
は、その
見慣
(
みな
)
れない
小鳥
(
ことり
)
に
向
(
む
)
かって
問
(
と
)
いました。
ふるさとの林の歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もっと
美
(
うつく
)
しく、もっときれいに、もっと
珍
(
めずら
)
しいものばかりで
飾
(
かざ
)
られているばかりでなく、三
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
らのほかに、
見慣
(
みな
)
れない
年若
(
としわか
)
い
紳士
(
しんし
)
が四、五
人
(
にん
)
もいました。
青い時計台
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は、
見慣
(
みな
)
れない
船
(
ふね
)
のきたことや、その
船
(
ふね
)
が
立
(
た
)
った
日
(
ひ
)
から、
薬売
(
くすりう
)
りの
見
(
み
)
えなくなった、いろいろのことを
思
(
おも
)
って、しばらくぼんやりと
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
をながめていますと、
遠
(
とお
)
く
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
は、だんだん
近
(
ちか
)
づいてきて、
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
に
乗
(
の
)
っていた
見慣
(
みな
)
れないふうをした
人
(
ひと
)
は、
塔
(
とう
)
の
窓
(
まど
)
から
姫
(
ひめ
)
を
救
(
すく
)
い
出
(
だ
)
して、
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
に
入
(
い
)
れて、どこへともなく
連
(
つ
)
れていってしまいました。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
からすは、さっそく、
社
(
やしろ
)
の
境内
(
けいだい
)
へ
飛
(
と
)
んでゆきました。するといままで、
見慣
(
みな
)
れない
鳥
(
とり
)
が
近
(
ちか
)
くにやってきたので、
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
いはとは、一
時
(
じ
)
に
騒
(
さわ
)
ぎたてました。からすは、これは
困
(
こま
)
ったと
思
(
おも
)
いました。
馬を殺したからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ここへくれば、そんな
職業
(
しょくぎょう
)
のことなどはどうだっていいのだ。じつは、あれからもう二
年
(
ねん
)
たつが、いつも
見慣
(
みな
)
れている、
自分
(
じぶん
)
の
住
(
す
)
んでいた
町
(
まち
)
の
景色
(
けしき
)
が、ばかに
昨日
(
きのう
)
今日
(
きょう
)
、
美
(
うつく
)
しく
見
(
み
)
えるじゃないか。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
きつけた、こまどりは、すずめの
方
(
ほう
)
を
見下
(
みお
)
ろしました。そこには、
見慣
(
みな
)
れない二
羽
(
わ
)
の
鳥
(
とり
)
たちが、
自分
(
じぶん
)
のうわさをしていたのでした。すずめは、
山
(
やま
)
の
奥
(
おく
)
にはすんでいなかったからです。
美しく生まれたばかりに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
町
(
まち
)
の
人々
(
ひとびと
)
は、この
見慣
(
みな
)
れない
乞食
(
こじき
)
の
後
(
うし
)
ろ
姿
(
すがた
)
を
見送
(
みおく
)
りながら、どこからあんなものがやってきたのだろう。これから
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
くときには
気
(
き
)
をつけねばならぬ。
火
(
ひ
)
でもつけられたりしてはたいへんだ。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると
不思議
(
ふしぎ
)
なことには、ちょうどその
日
(
ひ
)
から、
町
(
まち
)
へ
見慣
(
みな
)
れないようすをした
十
(
とお
)
か十一ぐらいの
年
(
とし
)
ごろの
子供
(
こども
)
が、
体
(
からだ
)
に
破
(
やぶ
)
れた
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
て、しかも
霏々
(
ひひ
)
として
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
るなかに、
素足
(
すあし
)
で
足
(
あし
)
の
指
(
ゆび
)
を
赤
(
あか
)
くして
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
慣
常用漢字
小5
部首:⼼
14画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当