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藝
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げい
又日本の
小説によく
現はれる
魔法遣ひが、
不思議な
藝を
演ずるのは
多くは、一
半は
佛教から一
半は
道教の
仙術から
出たものと
思はれる。
渠等の
無頼なる
幾度も
此擧動を
繰返すに
憚る
者ならねど、
衆は
其乞ふが
隨意に
若干の
物品を
投じて、
其惡戲を
演ぜざらむことを
謝するを
以て、
蛇食の
藝は
暫時休憩を
呟きぬ。
盡し大岡殿より
御褒美を
戴きし津國屋の嫁お菊にて其後人の
世話により
舊習ひ
覺し
藝の
善れば斯る
業ひに世を送りしなり然ば
狂言とは
夢にも知ず吾助は足に
任せて
急ぐ程に芝神明前を
お
前の
父さん
孫いもんさむとお
國元を
顯はし
給ふも
皆この
折の
隱し
藝なり、されば
派手者の
奧さま
此日を
晴れにして、
新調の三
枚着に
今歳の
流行を
知らしめ
給ふ、
世は
冬なれど
陽春三
月のおもかげ
藝の日照らす
宮居を
彫りちりばめ
常花かざす
藝の
宮、
齋殿深に
享保十
巳年も
暮明れば
同き十一
午年の元日
天神丸には吉兵衞
始め船頭
杢右衞門水主十八人
水差一人
都合二十一人にて元日の
規式を取行ひ三が日の
間は
酒宴に日を暮し
己が樣々の
藝盡して
興を
さりとては
是れ
程の
人品備へながら
身に
覺えた
藝は
無きか
取上げて
用ひる
人は
無きか
憐れのことやとは
目の
前の
感じなり
心情さら/\
知れたものならず
美くしき
花に
刺もあり
柔和の
面に
案外の
所爲なきにもあらじ
恐ろしと
思へばそんなもの
もと
富家に
人となりて
柔弱にのみ
育ちし
身は
是れと
覺えし
藝もなく
手に
十露盤は
取りならへど
物に
當りし
事なければ
時の
用には
立ちもせず
坐して
喰へば
空しくなる
山高帽子半靴と
明日かざりし
身の
廻りも
一つ
賣り
二つ
賣りはては
晦日の
勘定さへ
胸につかふる
程にもなりぬ。
勤度と
強て望むにより
素より吉原は心安き所故松葉屋半左衞門方へ
相談しけるに
縹緻と云ひ
藝と云ひ殊に歳頃も彼の望む處なれば
年一
杯二十八までの
積にて目見しけるに大いに心に
適ひ身代金百五十兩と
取極君太夫が
請人にて母の
爪印も
相濟新吉原松葉屋半左衞門方へぞ
到りける