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油斷
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ゆだん
借る程の者なれば
油斷ならざる男なりと言れし時三郎兵衞はギヨツとせし
樣子を見られしが又四郎右衞門は
身代の
果程有て
困つた事を
皆血走ツてゐるか、
困憊きツた
連中ばかりで、
忍諸してゐたら
腮が
干上がらうといふもんだから、
各自に
油斷も何もありやしない。
目にたゝへてお
高斯くとは
言出しぬ
歳月心を
配りし
甲斐に
漸く
此詞にまづ
安心とは
思ふものゝ
運平なほも
油斷をなさず
起居につけて
目を
ぢゃによって、お
恕しなされ、
斯う
速う
靡いたをば
浮氣ゆゑと
思うて
下さるな、
夜の
暗に
油斷して、つい
下心を
知られたゝめぢゃ。
いや、
其の
時の
手代の
樣子が、
井戸に
落した
音のやうで、ポカンとしたものであつた、と
云ふ。さて/\
油斷は
成らぬ
世の
中。
遙に
闇い
土手を
透して
見てぶつ/\いひながら
彼は
更に
豚小屋に
近づいて
燐寸をさつと
擦つて
見て「
油斷なんねえ」と
呟いて
又戸を
閉ぢた。
わたしはまだ
今までに、あの
位氣性の
烈しい
女は、
一人も
見た
事がありません。もしその
時でも
油斷してゐたらば、
一突きに
脾腹を
突かれたでせう。
八、
潰家からの
發火は
地震直後に
起ることもあり、
一二時間の
後に
起ることもある。
油斷なきことを
要する。
最初から
多少此心配の
無いでもなかつたが、
兎に
角、
世に
珍らしき
巨大の
魚の、
左樣容易に
腐敗する
事もあるまいと
油斷して
居つたが、
其五日目の
朝、
私はふとそれと
氣付いた。
『
油斷のならん女だね。……ほんとに君はまだお
聟さんを貰はないのかね。』
他人が
聞けば
適當の
評といはれやせん
別家も
同じき
新田にまで
計らるゝ
程の
油斷のありしは
家の
運の
傾く
時かさるにても
憎きは
新田の
娘なり
現在でもそんなことで
油斷は
成らぬ、
村落が
貧乏したから
荷車ばかり
殖えて
馬が
減つて
畢つたが
荷車の
檢査に
行つて
見て
驚いた
抔といふことや
集めて
相談しける中長兵衞
心付き彼の
藥を猫に
喰せて
試しけるに何の事もなければ是には何か
樣子有べし我又
致方有ば
隨分油斷有べからずとて又七を
乳母
御方樣が
只今お
居間へ
入らせられます。
夜は
明けた、もし、
油斷なう
心を
配って。
夫よりして友次郎
夫婦は
路次の
油斷なく少しも早く江戸に
到り
如何にもして身の
落付を定めんものと
炎暑の強きをも
厭はず夜を日に
繼で
行程に
早晩大井川を
「
聟なんぞ、
承知するもんぢやねえ、あゝだ
泥棒野郎、
俺ら
嫌えだ、
畑でも
田でも
油斷なんねえから」
かへ
品をかふれど
袖の
涙晴れんともせず
兎もすれば
我も
倶にと
決死の
素振に
油斷ならず
何はしかれ
命ありての
物だねなり
娘の
心落附かすに
若くはなしと
押しては
婚儀を