“家:うち” の例文
“家:うち”を含む作品の著者(上位)作品数
小川未明196
岡本綺堂122
泉鏡花70
夢野久作42
芥川竜之介36
“家:うち”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸69.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)52.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語23.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
現に僕のうちの女中などは逆まに舟の映ったのを見、「この間の新聞に出ていた写真とそっくりですよ。」などと感心していた。
蜃気楼 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
内弟子に参って惣領そうりょう新五郎しんごろうと云う者をうちへ呼寄せて、病人の撫擦なでさすりをさせたり
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なにがつて、もうすこうちのことや子供こどものことをかんがへてくだすつたつていいとおもふわ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そこで、一人づつ木からはね下りて、河原に泳ぎついて、魚を手拭てぬぐひにつつんだり、手にもったりして、うちに帰った。
さいかち淵 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
おさんがどうぞうちへ帰してくれと泣いて頼むと、それじゃあ明日あしたの夕がたに連れて行ってやると約束して帰りました。
半七捕物帳:60 青山の仇討 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その娘のお俊と宮とは学校朋輩ほうばいにて常に往来ゆききしたりけれども、いまうちと家との交際はあらざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その日はうちへ帰っても、気分が中止の姿勢に余儀なくえつけられたまま、どの方角へも進行できないのが苦痛になった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人は柴又しばまた帝釈天たいしゃくてんそばまで来て、川甚かわじんといううち這入はいって飯を食った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
道理こそ昨夕は楷子段はしごだんをむやみにのぼったり、くだったり、仕掛しかけうちと思ったはずだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そうですか。――あの蜜柑山みかんやまに立派な白壁の家がありますね。ありゃ、いい地位にあるが、誰のうちなんですか」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
相手の名を聞いた時、津田はその男に一二度叔父のうちで会ったような心持もしたが、ほとんど何らの記憶も残っていなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
吾輩は前回断わった通りまだ名はないのであるが、教師のうちにいるものだから三毛子だけは尊敬して先生先生といってくれる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「尼さんには用のねえ商売だが、男か女の髪結いで、ここのうちへ心安く出這入りをする者がありますかえ」と、半七は訊いた。
半七捕物帳:21 蝶合戦 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
うちの者たちはほんとうに気が違ってしまったとでも思うだろう。‥‥頭が先にくだけるかしらん。足が先に折れるかしらん」
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「そうか。それじゃあともかくもその倉田屋へ行ってみよう。もう寝たかも知れねえが、まあ其のうちだけでも教えてもらおう」
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
女性にょしょうというのも、世に聞えて、……うちのお三輪は、婦人何々などの雑誌で、写真も見れば、名も読んで知った方。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここのうちの姓はなんというかと重ねて訊くと、彼はそこらに落ちている木の枝を拾って、土の上に徐という字を書いてみせた。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「おっかあ、粕谷の仙ちゃんのおめかけの居たうちに越して来た東京のおかみさんがとおるから、出て来て見なァよゥ」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
第二信は、ある日白が縄をぬけて、赤沢君のうちから約四里甲府こうふの停車場まで帰路きろを探がしたと云う事を報じた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
貴方あなたのおうちは大変わかりませんね。私は一時間、この村を……町を歩きました。この村は……町は大変広い町です」
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
伯父さんの先生の畜生ちくしょう、自分からが其気で居ると見えて、或時ひとむかってうちの書生がといっていた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『あれです! 一八一五年六月十七、十八の両日、ウェリントン将軍の参謀本部となったうちは。いまは村の郵便局ですがね。』
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
……それがあの洪水みずの時に流れ出して、大丈夫だった広岡のうち衝突ぶつかったので流れただろう、誰のおかげだ……
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は、あんたの仲間のビルという人は知らない、これはうちに泊っている、私たちが船長と言っている人のだ、と言ってやった。
秀才は城内へ行って訴え出ると、革命党の不良分子に辮子を剪られた上、二万文の懸賞金を損したのでうちじゅうで泣き叫んだ。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
イワンはうちに帰りました。うちに帰ってみると、次の兄のタラスと、そのおかみさんが来ていて、晩飯を食っていました。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
年よった悪魔はひどく気を悪くしてしまいました。王様のうちで自分を豚同様に扱っているのです。かれはイワンに言いました。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
アーニャ わたしたちの今住んでいるうちは、もうとうに、わたしたちの家じゃないのよ。だからわたし出て行くわ。誓ってよ。
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「いいや、悪いんじゃないよ。大粒の雨が落ちて来たんでね、それでびっくりしたのだ。みんなうちへ入った方がよかろうな。」
「お前さんの衣が大へん破れてゐるから、わしが縫つてあげよう。わしのうちぐそこだから、ちよつとおで……」
豆小僧の冒険 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「そうだ。おととしの夏ごろからだ。」と、書記は冷やかに言った。「あのうち普請ふしんが出来あがった頃からだろう。」
怪獣 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「人殺し云々は嘘かもしれぬが、近藤といううちへ覆面の盗賊の入ったのは事実らしい。それを取り調べるだけでも面白いのだ」
深夜の電話 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ある時王羲之のうちへも売りに来たが、こゝの主人は、唯の一本も買はないで、加之おまけにその団扇へべた/\楽書をした。
長いこと叔父さんのうちで探して居た田舎出の婆やが来て台所をかせぐやうに成つてから、お節は一層快活に成つて行つた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
光治こうじ学校がっこうからうちかえると、じいさんからもらったふえって野原のはらたり
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、ともにうちますけれど、すぐ門前もんぜんからみぎひだりわかかれてしまいます。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひともの幸作こうさくは、うちなかはな相手あいてもなくそのらしていました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうとのほうは、あにとちがって、すこしもうちにおちついて勉強べんきょうをするということがなかったのです。
星と柱を数えたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
おくさま、ただいま。」と、きよは、おうちかえると、おかあさんのまえあたまげました。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おうちのはちは、かわいそうなのよ。」と、ひとりごとをして、光子みつこさんはそのはちをまもっていました。
はちの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「只今、あそこの茶店で聞きましたら、小篠の私のうちをおたずね下さるお方だそうで、息をきって、追いかけて来たんですよ」
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うちでは、おばあさんが、こんなにさむく、みちがすべるからけがでもなければいいがと心配しんぱいしていました。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
あかトラはひとうちはいんで、はじめのうちは、金魚きんぎょをとったり、カナリヤをべたり
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「きみ、校長はこわいぜ。担任たんにんもナカナカきびしい。けれども秋山って先生がいる。やっぱりうち家来けらいだ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
おもつたことらずつてほゝとわらひしが、かくうちかうよ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「エエ、それは、大一座のお客様を送って、ほかうちの芸妓衆と一しょに、あの子も確に自動車に乗ったと思うのですが」
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「おおかた、きょうあたりは、猪熊のわたしのうちで、昼寝でもしているだろうよ。きのうまでは、うちにいなかったがね。」
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わたしは二年以前の雪のよる勘当かんどう御詫おわびがしたいばかりに、そっとうちしのんで行きました。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「これに三十円あります。まあこれだけげておきますから、うち処置かたをつけて、一日も早く東京へおいでなさいな」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このまま、今度の帰省中ころがってる従姉いとこうちへ帰ってもいが、其処そこは今しがた出て来たばかり。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は今の住居すまいに移る前、うちを探す目的であったか、また遠足の帰り路であったか、久しぶりで偶然私の旧家の横へ出た。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
浅草から牛込へうつされた私は、生れたうちへ帰ったとは気がつかずに、自分の両親をもと通り祖父母とのみ思っていた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「もっと好いうちでないと御気に入るまいと思って、方々尋ねて見たんですが、あいにく恰好かっこうなのがなくって……」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて長蔵さんは両手に芋をせて、真黒なうちから、のそりと出て来た。入れ物がないもんだから、両手を前へ出して、
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
翌朝よくあさ自分は岡田といっしょにうちを出た。彼は電車の上で突然自分の忘れかけていたお貞さんの結婚問題を持ち出した。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うちへ戻るや否や誰より先に、まずお重を呼んで、「兄さんもお前の忠告してくれた通り、いよいよ家を出る事にした」と告げた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「だからさ。叔父さんの方では、御金の代りにうちと地面を貰ったつもりでいらっしゃるかも知れなくってよ」と御米が云う。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「これはこちらのでしょう。今朝わたしうちの裏に落ちていましたから持って来ました」と云いながら、文庫を出した。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしうちは向う横丁の角屋敷かどやしきですとさえ云えば職業などは聞かぬ先から驚くだろうと予期していたのである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鍛冶屋のお爺さんはいよいよ困って、逃げ出そうかしらんと思っておりますところへ、このうちの若い主人夫婦が出て参りまして、
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
……アノ一知は貧乏者の借金持ちの子で、お前とは身分が違うのを、お前のおもりと、うちの田畠の番人に雇うてあるのだよ。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「おい、ひょろ松。おめえ御苦労でも霊岸島へ行って、三島の様子をちょっと調べて来てくれ。あすこのうちに年頃の娘はねえか」
半七捕物帳:20 向島の寮 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「毎日の遠出とおででくたびれただろうが、これも御用で仕方がねえ。早くうちへ帰って、かみさんを相手に寝酒の一杯も飲め」
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
丸屋は宿の山側にあるうちで、あいにくお八重の座敷の障子が明け放されていたので、鷹はそのまま表へ飛び去ってしまった。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「女中はお直さんと云って、十七、八のおとなしい人でした。うちはやっぱり深川で、大島ちょうだとか云っていました」
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ゆうべの引け四ツから、けさの七ツ(午前四時)頃までのあいだに、うちのお浪というのが駈け落ちをしてしまったんです」
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「なに、もう御心配にゃあ及びません。もう見当は大抵ついています。あのお定という新造は通いですか。うちはどこですえ」
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
とどこお旅籠代はたごだいの催促もせず、帰途かえりには草鞋銭わらじせんまで心着けた深切なうちだと言った。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
文久三年正月の門松も取れて、俗に六日年越しという日の暮れ方に、熊蔵という手先が神田三河町の半七のうちへ顔を出した。
半七捕物帳:04 湯屋の二階 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ここのうちのことはお前さんが一番よく知っているということだが、宗匠は人に遺恨をうけるようなことでもありますかえ」
半七捕物帳:36 冬の金魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一ぜんめし、御休所、笹屋、としてあるうちの前で、また『おつかれ』を繰返したが、其は他の人でもない、例の敬之進であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何とかしてうちの中へはいり込んでゆく方法はないものかとさまざまに心を砕きながら、好いおりの来るのを待っていた。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
と、兄さん二人が叱られてしまいました。そうして何も買ってもらえずに、只お祭りを見たばかりでおうちへ連れて帰られました。
奇妙な遠眼鏡 (新字新仮名) / 夢野久作香倶土三鳥(著)
『泣いては人が笑ひますよ。ねえ、かあさんはもう何処どこへもかずにうちにばかり居るのだからいいでせう。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
三味線さみせんのお師匠さんと違って、琴のお師匠さんのうちは格子戸作りでも、履脱くつぬぎに石もあって、何処か上品だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私は死んだ者が蘇生よみがえったようになって、うちへ帰りましたが、丁度ちょうど全三月まるみつきったです。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、浅く日のしている高い椽側えんがわに身をもたせて話しているのはお浪で、此家ここはお浪のうちなのである。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ええ、うちではかえって人目に立つッて、あの、おほほ、心中しんじゅうの相談をしに来た処だものですから、あはははは。」
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
尋ねるうちが、余り知れないで、既に車夫にも見離されました。足を曳いて、雷神坂と承る、あれなる坂をばあえぎましてな。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人は生れかはつたやうに、ほんたうの仲のよい姉妹になつて、お母さんと三人で、椋鳥におくられて、おうちへ帰つて来ました。
仲のわるい姉妹 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
はじめはこの犬め、気が違ったのかと思ったが、うちへ帰って来ると、おれの罰を恐れている以外に別に変わった様子も見せない。
雪といえば御覧な、冬になって雪が降ると、ここのうちなんざ、裏の地面がはたけだからね、木戸があかなくッて困るんだよ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なるほど、けさうちを出るとき寝台の横に脱ぎすてて行った私の代りの靴が、片っぽだけ浪々なみなみと水をたたえている。
兼「なにお間の悪い事がありますものか、これア貴方あなたのおうちですものを、わたくしはまた上りますから御免なさい」
「姉さん。」と私は山家者らしい女中に聞いて見た。「こゝはうちの人だけでやつてるね……姉さんは矢張この家の人かね。」
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
うま自分じぶんのおうちかへつた時分じぶんとうさんはよくしてつてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「あの皿はうちの物とそつくり同じやつた。同じ青磁の皿が世間に二つあるやうでは、鴻池家うちの顔に関はるよつてな。」
青磁の皿 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「おい皆の者、あのうちから射撃したらいいじゃねえか。あの窓に控えてりゃあ、だれも街路を進んでくることはできねえ。」
けれども、一ばん悪いことはうちのそばを少し遠くはなれた子供が、ふつと姿を隠して、それつきり帰つて来ないことでした。
虹猫の大女退治 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「そればかりでなく、なか/\あなたをうちの中に入れやしませんよ。大へん疑ひ深いんですから。」と、大女は言ひました。
虹猫の大女退治 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
そして私の妻は、私たちの約束に絶対的に服従して、私の知ってる範囲では、うちから外へは決して出ようとしませんでした。
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
「あ、あ、阿發、この辺はお前のうちの地面だぜ。あの辺が六一爺ろくいちおやじの地処だ。俺達はそいつを取ってやろう」
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
たきくつがへすやうで小留をやみもなくうちながらみんな蓑笠みのかさしのいだくらゐ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
両親の友人などが来ても、臆面おくめんもなくその前に出て、しゃべりたいことをしゃべり、うちの人々の手にもてあまされた。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのくしやみの音は、お猫さんのおうちまでひゞきましたので、お猫さんのお母さんは大へんびつくりして、かけて来ました。
そして、お猫さんは遠慮なくその小さいおうちの中にはいつてゆきました。お黒さんも仕方なくお猫さんについてゆきました。
お猫さん (新字旧仮名) / 村山籌子古川アヤ(著)
「どうぞ、どうぞ、御遠慮なく。そのうちは、洋服やさんなのですから、どんな御注文でも、よろこんでお仕立て申し上げます。」
お猫さん (新字旧仮名) / 村山籌子古川アヤ(著)
「あまり長くは貸せないね。おれが都に行つてる間だけだ。都から帰つてくれば、すぐお前のうちに行くから、返してもらはう。」
悪魔の宝 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
例のふしぎな黒い牛を飼つてゐる百姓のうちには、三人の息子がゐました。三人は一人づゝ、代り合つて、牛の番をしてゐました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
借りるけれども初めから返す予算よさんがあつて借りるのでないから、流石に渠はそのうちの人に見られるのを厭であつた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)