大底たいてい)” の例文
いや串談じようだんではなし札幌さつぽろ病院長びようゐんちやうにんじられて都合次第つがふしだい明日あすにも出立しゆつたつせねばならず、もつと突然だしぬけといふではなくうとは大底たいていしれてりしが
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
惡業わるさまらぬ女子おなごがあらば、繁昌はんじようどころかひともあるまじ、貴君あなた別物べつものわたしところひととても大底たいていはそれとおぼしめせ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れほどの物好ものずきなれば手出てだしを仕樣しやうぞ、邪推じやすゐ大底たいていにしていてれ、あのことならば清淨しようじよう無垢むく潔白けつぱくものだと微笑びようふくんで口髭くちひげひねらせたまふ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれもお愛想あいさうさとわらつてるに、大底たいていにおしよ卷紙まきがみ二尋ふたひろいて二まい切手ぎつて大封おほふうじがお愛想あいさう出來できものかな、そしてひと赤坂以來あかさかから馴染なじみではないか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれもお愛想さと笑つてゐるに、大底たいていにおしよ巻紙二尋ふたひろも書いて二枚切手の大封おほふうじがお愛想で出来る物かな、そしてあの人は赤坂以来からの馴染ではないか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れはういふ子細しさいでとちゝはゝ詰寄つめよつてとひかゝるにいままではだまつてましたれどわたしうち夫婦めをとさしむかひを半日はんにちくださつたら大底たいてい御解おわかりになりませう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たかはあきれてりきちやん大底たいていにおしよといへども、なにいのさ、これはおまへにこれはねへさんに、おほきいので帳塲ちやうばはらひをつてのこりは一同みんなにやつてもいとおつしやる
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
阿關おせきことなればなみ大底たいてい此樣こんことしさうにもなく、よく/\らさにたとえるが、して今夜こんやむこどのは不在るすか、なにあらたまつての事件じけんでもあつてか
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たみうへもなきゑんよろこびておまへさまもいまはなのさかりりがたにつてはんで歩行あるくともれることでなし、大底たいていにおこヽろさだたまへ、松島まつしまさまにおんはありともなんのお束約やくそくがありしでもなく
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まづ學問がくもんといふたところおんな大底たいていあんなもの、理化學政法りくわがくせいはうなどヽびられては、およめさまのくちにいよ/\とほざかるべし、だい皮相ひさう學問がくもん枯木かれきつくばなしたもおなじにて眞心まことひとよろこはぬもの
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
表向おもてむきにはなんとも月日つきひ大凡おほよそどのくらいおくつたもの御座ござんすか、いま千葉ちば樣子やうす御覽ごらんじても、れの子供こどもときならばと大底たいていにお合點がてんゆきましよ、病氣びやうきしてわづらつて、おてらものなりましたを
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やみつねなるひとおやごヽろ、ゆゑみちまよはぬはきものをとさとし此處こヽむれば、香山家かやまけ三人みたり女子むすめうちかみむづかしくすゑ活溌はねにて、容貌きりやう大底たいていなれどもなんとしてきみおよものなく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此邸こゝ奧樣おくさまうもひとつた、繼母まゝはゝつたので平常つね我慢がまん大底たいていではなく、つもつて病死びやうしした可憐かわいさういづをとここと御座ござりますから、眞面目まじめかほであり/\をひましたを
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貴君は別物、私が処へ来る人とても大底たいていはそれとおぼしめせ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)