大小だいせう)” の例文
女王樣ぢよわうさまこと大小だいせうかゝはらず、すべての困難こんなん解决かいけつする唯一ゆゐいつ方法はうはふ御存ごぞんじでした。『れのあたまねよ!』と四邊あたりずにまをされました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
これをいて二十つた、にしてとをつたとをとこだて澤山たくさんなり。次手ついでに、目刺めざしなし。大小だいせういづれもくしもちゐず、したるは干鰯ひいわしといふ。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
子供等こどもら大小だいせうことなつたあは菱餅ひしもちが一つは一つとかみうへ分量ぶんりやうしてまれるのをたのしげにして、自分じぶんかみから兩方りやうはうとなりかみからとほくのはうから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其時平八郎が「どこへ死所しにどころを求めに往くにしても、大小だいせうしてゐては人目に掛かるから、一同刀を棄てるが好い」
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ドク露艦ロかん敬禮けいれいむかつて謝意しやゐひやうしつゝ、大小だいせうニコバルたうとサランたうとを右舷うげん左舷さげんとにながめて、西にしひがしとのわかなるマラツカ海峽かいけうをもいつしかゆめ
天滿與力てんまよりきはそれからけふ木綿もめんものの衣類いるゐ仕立したてさせるやら、大小だいせうこしらへをへるやら、ごた/\と大騷おほさわぎをしたが、但馬守たじまのかみは、キラ/\とつね彼等かれらうへひかつて
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
かけければ三人はたゞゆめに夢見し心地にて引立ひきたてられつゝ行所に身のたけ六尺有餘の大男おほをとこ黒羽二重くろはぶたへ小袖こそでに黒八丈の羽織朱鞘しゆざや大小だいせう十手じつて取繩とりなはこしさげのさ/\と出來りしに小猿三吉はこし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大小だいせう遠近ゑんきんもなくほうけたり未生みしやうわれや斯くてありけむ
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
とほつらなつた山々やま/\頂巓いたゞきにはぽつり/\と大小だいせう簇雲むらくもつたまゝみだされてしばらうごかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
たけ六尺余の大男で、羅紗らしやの黒羽織の下には、黒羽二重くろはぶたへ紅裏べにうら小袖こそで八丈はちぢやう下着したぎを着て、すそをからげ、はかま股引もゝひきも着ずに、素足すあし草鞋わらぢ穿いて、立派なこしらへ大小だいせうを帯びてゐる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
にはいけこひを、大小だいせうはかつてねらひにくるが、かけさへすれば、すぐにかゝる。また、同國どうこくで、特産とくさんとして諸國しよこくくわする、鮎釣あゆつりの、あの蚊針かばりは、すごいほど彩色さいしきたくみ昆蟲こんちうしてつくる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
羽二重はぶたへ小袖羽織こそでばおり茶宇ちやうはかま、それはまだおどろくにりないとして、細身ほそみ大小だいせうは、こしらへだけに四百兩ひやくりやうからもかけたのをしてゐた。こじりめたあつ黄金きん燦然さんぜんとして、ふゆかゞやいた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
とき明荷あけにの中に在りし金四百五十兩并びに幸之進が胴卷どうまきの中にありし二十兩餘りの金と大小だいせう衣類迄いるゐまで奪取うばひとり行衞も知れず迯去にげさりける依て彼の供人は江尻宿へ引返ひきかへし宿役人へことわおき死骸しがいを改め飛脚ひきやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれみなみいへからりたのこぎり大小だいせう燒木杙やけぼつくひ挽切ひつきつた。しまひかれうしろからけたたけつてのやうによこたへてひくゆかつくつた。たけつたなたかれ所有ものではなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
のこらず受出すと云ば仕方なけれども勿々なか/\今十兩からの金子の出來るはずはなし大方おほかた大小だいせうばかうけると云ならん其處で拔差ぬきさしは出來ずとことわり流させ呉んと思ひければ久兵衞は文右衞門にむかひ質物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きず大小だいせう三ヶしよだ。‥‥大名だいみやうといふものは、子供こどものやうなものだなう。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)