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多人数
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たにんず
ふりがな文庫
“
多人数
(
たにんず
)” の例文
旧字:
多人數
男「
大
(
おお
)
きに
待遠
(
まちどお
)
だったろうな、もっと早く出ようと心得たが、
何分
(
なにぶん
)
出入
(
でいり
)
が
多人数
(
たにんず
)
で、奉公人の手前もあって出る事は出来なかった」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼らほど
多人数
(
たにんず
)
でない、したがって比較的静かなほかの客が、まるで舞台をよそにして、気楽そうな話ばかりしているお延の
一群
(
いちぐん
)
を折々見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
英国の学者社会に
多人数
(
たにんず
)
知己が有る中に、かの有名の「ハルベルト・スペンセル」とも曾て半面の識が有るが、シカシもう七八年も以前の事ゆえ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
蝋燭の
焔
(
ほのほ
)
と炭火の熱と
多人数
(
たにんず
)
の
熱蒸
(
いきれ
)
と混じたる一種の
温気
(
うんき
)
は
殆
(
ほとん
)
ど凝りて動かざる一間の内を、
莨
(
たばこ
)
の
煙
(
けふり
)
と
燈火
(
ともしび
)
の油煙とは
更
(
たがひ
)
に
縺
(
もつ
)
れて渦巻きつつ立迷へり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
哄
(
どっ
)
と立上る
多人数
(
たにんず
)
の影で、月の前を黒雲が走るような電車の中。大事に
革鞄
(
かばん
)
を抱きながら、車掌が甲走った早口で
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
暫
(
しばら
)
くあってその座敷が
遽
(
にわか
)
に騒がしく、
多人数
(
たにんず
)
の足音がして、跡はまたひっそりとした。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかれども、これらの壮士は、かえって内地に
止
(
とど
)
まる
方
(
かた
)
好手段ならんといいしに、新井これに答えて、なるほどしかる
乎
(
か
)
、かくの如き人あらば、即ち帰らしむべし、何ぞ
多人数
(
たにんず
)
を要せん。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
病院
(
びょういん
)
では
外来患者
(
がいらいかんじゃ
)
がもう
診察
(
しんさつ
)
を
待構
(
まちかま
)
えて、
狭
(
せま
)
い
廊下
(
ろうか
)
に
多人数
(
たにんず
)
詰掛
(
つめか
)
けている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
奉公人も
多人数
(
たにんず
)
居って多過ぎるから
減
(
へら
)
そうと思っているところだから、奉公に置く事も出来ません帰えって下さい、此の開明の世の中に
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今日は
高知
(
こうち
)
から、何とか
踴
(
おど
)
りをしに、わざわざここまで
多人数
(
たにんず
)
乗り込んで来ているのだから、是非見物しろ、めったに見られない
踴
(
おどり
)
だというんだ
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
襖越
(
ふすまごし
)
に聞いている人にまで、何人で叩くのか、非常な
多人数
(
たにんず
)
で叩いている音の様に
聞
(
きこ
)
えると言います。
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼らの
中
(
うち
)
には古井が磯山に代りしを
忌
(
い
)
むの
風
(
ふう
)
ありて議
諧
(
かな
)
わず、やや不調和の気味ありければ、かかる人々は
潔
(
いさぎよ
)
く帰東せしむべし、何ぞ
多人数
(
たにんず
)
を要せん、われは万人に敵する利器を有せり
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
その理由の第一は、時勢既に変じて
多人数
(
たにんず
)
の江戸
詰
(
づめ
)
はその必要を認めないからである。
何故
(
なにゆえ
)
というに、
原
(
もと
)
諸侯の参勤、及これに伴う家族の江戸における居住は、徳川家に人質を提供したものである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
このくらい遠慮するなら
多人数
(
たにんず
)
集まった時もう少し遠慮すればいいのに、学校でもう少し遠慮すればいいのに、下宿屋でもう少し遠慮すればいいのに。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
成程
(
なるほど
)
、
子分
(
こぶん
)
の
多人数
(
たにんず
)
在
(
あ
)
るのは
子槌
(
こづち
)
で、
夫
(
そ
)
れから
種々
(
いろ/\
)
の
宝
(
たから
)
を
振
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
しますが、
兜町
(
かぶとちやう
)
のお
宅
(
たく
)
へ
往
(
い
)
つて見ると
子宝
(
こだから
)
の多い事。甲「
第
(
だい
)
一
国立銀行
(
こくりつぎんこう
)
で
大黒
(
だいこく
)
の
縁
(
えん
)
は
十分
(
じふぶん
)
に
在
(
あ
)
ります。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
希有
(
けう
)
ぢやと申して、
邸内
(
ていない
)
多人数
(
たにんず
)
が
立出
(
たちい
)
でまして、力を合せて、
曳声
(
えいごえ
)
でぐいと
曳
(
ひ
)
きますとな……殿様。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
病人は二人に支えられながら、釣られるように、
利
(
き
)
かない足を運ばして、窓の方へ近寄ってくる。この有様を見ていた、窓際の
多人数
(
たにんず
)
は、さも面白そうに
囃
(
はや
)
し立てる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
名に負う
大家
(
たいけ
)
の事でございますから、お大名様方にもお
出入
(
でいり
)
が沢山ございまして、それが為めに奉公人も
多人数
(
たにんず
)
召使い、又
出方
(
でかた
)
車力
(
しゃりき
)
なども多分に河岸へ参りますゆえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
キャキャとする
雛妓
(
おしゃく
)
の
甲走
(
かんばし
)
った声が聞えて、重く、ずっしりと、
覆
(
おっ
)
かぶさる風に、何を話すともなく
多人数
(
たにんず
)
の物音のしていたのが、この時、
洞穴
(
ほらあな
)
から風が抜けたように
哄
(
どっ
)
と
動揺
(
どよ
)
めく。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
難儀をするものは世間には
多人数
(
たにんず
)
あって、僕は交際も広いから一々恵み
尽
(
つく
)
されません、そうして
故
(
ゆえ
)
なく人に恵みをすべきものでもなく、又故なく貰うべきものでもなく
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうして
遠浅
(
とおあさ
)
の
磯近
(
いそちか
)
くにわいわい騒いでいる
多人数
(
たにんず
)
の
間
(
あいだ
)
を通り抜けて、比較的広々した所へ来ると、二人とも泳ぎ出した。彼らの頭が小さく見えるまで沖の方へ向いて行った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
変化
(
へんげ
)
、妖怪、幽霊、怨念の夜だからと言って、そのために
裾
(
すそ
)
、足の事にこだわるのではないのだが、
夜半
(
よなか
)
に、はきものの数さえ多ければ、何事もなかったろう。……
多人数
(
たにんず
)
が一所だから。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何うも
訝
(
いぶか
)
しいは粥河圖書、事に依ったら又己を欺いて
多人数
(
たにんず
)
の同類で取巻いて、飛道具で
撃取
(
うちと
)
ろうと
企
(
たく
)
むかもしれんが、さある時は止むを得ず圖書を一刀の
下
(
もと
)
に斬って捨て
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
するとまた
斜
(
なな
)
めに
仆
(
たお
)
れかかる。浩さんだ、浩さんだ。浩さんに相違ない。
多人数
(
たにんず
)
集まって
揉
(
も
)
みに揉んで騒いでいる中にもし一人でも人の目につくものがあれば浩さんに違ない。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二俣
(
ふたまた
)
の奥、
戸室
(
とむろ
)
の
麓
(
ふもと
)
、岩で城を
築
(
つ
)
いた山寺に、
兇賊
(
きょうぞく
)
籠
(
こも
)
ると知れて、まだ
邏卒
(
らそつ
)
といった時分、
捕方
(
とりかた
)
が
多人数
(
たにんず
)
、
隠家
(
かくれが
)
を取巻いた時、表門の
真只中
(
まっただなか
)
へ、その
親仁
(
おやじ
)
だと言います、六尺一つの
丸裸体
(
まるはだか
)
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其の代り事成就なせば
向後
(
こうご
)
御出入頭
(
おでいりがしら
)
に取立てお扶持も下さる、
就
(
つい
)
てはあゝいう処へ置きたくないから、広小路あたりへ
五間々口
(
ごけんまぐち
)
ぐらいの立派な店を出し、奉公人を
多人数
(
たにんず
)
使って
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ごもっともで、よく注意は致しますが何分
多人数
(
たにんず
)
の事で……よくこれから注意をせんといかんぜ。もしボールが飛んだら表から廻って、御断りをして取らなければいかん。いいか。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
多人数
(
たにんず
)
に囲まれて
通
(
かよ
)
った時、
庚申堂
(
こうしんどう
)
の
傍
(
わき
)
に
榛
(
はん
)
の木で、
半
(
なか
)
ば姿を
秘
(
かく
)
して、
群集
(
ぐんじゅ
)
を放れてすっくと立った、
脊
(
せい
)
の高い
親仁
(
おやじ
)
があって、
熟
(
じっ
)
と私どもを見ていたのが、
確
(
たしか
)
に衣服を脱がせた奴と見たけれども
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私が物を廉く売ると申して無闇に廉く売るのでは有りません、多分に買い出すと廉くなる上に、多分の利を見ずに廉う売るので、諸方より
多人数
(
たにんず
)
買いに来るから、骨は折れますが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
己
(
おれ
)
が
見着
(
みつ
)
けて
持
(
も
)
つて
帰
(
かへ
)
る、
死骸
(
しがい
)
の
来
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
れ。』と
睨
(
にら
)
みつけて
廊下
(
らうか
)
を
蹴立
(
けた
)
てゝ
出
(
で
)
た——
帳場
(
ちやうば
)
に
多人数
(
たにんず
)
寄合
(
よりあ
)
つて、
草鞋穿
(
わらぢばき
)
の
巡査
(
じゆんさ
)
が
一人
(
ひとり
)
、
框
(
かまち
)
に
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
たが、
矢張
(
やつぱり
)
此
(
こ
)
の
事
(
こと
)
に
就
(
つ
)
いてらしい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時々どっと
山颪
(
やまおろし
)
に誘われて、
物凄
(
ものすご
)
いような
多人数
(
たにんず
)
の
笑声
(
わらいごえ
)
がするね。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
という是れが
決闘状
(
はたしじょう
)
の
取遣
(
とりや
)
りでございますが、
向
(
むこう
)
は盗賊の同類が
多人数
(
たにんず
)
居りますから、
其等
(
それら
)
が取巻いて飛道具でも向けられゝば其れ
切
(
ぎ
)
り、左もない所が相手も粥河圖書だからおめ/\とも討たれまい
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恁
(
かか
)
る
広野
(
ひろの
)
に
停車場
(
ステエション
)
の屋根と此の
梢
(
こずえ
)
の
他
(
ほか
)
には、草より高く空を
遮
(
さえぎ
)
るもののない、其の
辺
(
あたり
)
の混雑さ、
多人数
(
たにんず
)
の
踏
(
ふみ
)
しだくと見えて、
敷満
(
しきみ
)
ちたる
枯草
(
かれくさ
)
、
伏
(
ふ
)
し、
且
(
か
)
つ立ち、
窪
(
くぼ
)
み、又倒れ、しばらくも
休
(
や
)
まぬ
間々
(
あいだあいだ
)
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
多
常用漢字
小2
部首:⼣
6画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
数
常用漢字
小2
部首:⽁
13画
“多人”で始まる語句
多人數