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併
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あは
ふりがな文庫
“
併
(
あは
)” の例文
神樂坂の毘沙門樣は善國寺の境内を
併
(
あは
)
せて、今よりは遙かに廣く、眞夜中過ぎのたゝずまひは、氣味が惡いほどシンとして居ります。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
跡部
(
あとべ
)
は坂本が手の者と、今到着した与力四人とを
併
(
あは
)
せて、玉造組の加勢与力七人、同心三十人を得たので、坂本を先に立てて出馬した。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼土
(
かのど
)
の使徒聖人が言行を録すると共に、
併
(
あは
)
せて本邦西教徒が勇猛精進の事蹟をも採録し、以て福音伝道の一助たらしめんとせしものの如し。
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あなたの一般的批評は
其
(
その
)
観察の深く
且
(
かつ
)
大にして
肯綮
(
こうけい
)
に当つて居る事を示して居り、
併
(
あは
)
せてあなたの天才を引立たせて居ります。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
村民を
集
(
あつ
)
めて文珠菩薩の
祭礼
(
さいれい
)
を
行
(
おこな
)
ひ、
併
(
あは
)
せて此一行をも
招待
(
せうたい
)
すべし、而して漸次道路を
開通
(
がいつう
)
し
爰
(
ここ
)
に
達
(
たつ
)
し、世人をして
参詣
(
さんけい
)
するを得せしめんと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
▼ もっと見る
赤裸々
(
せきらゝ
)
に、
眞面目
(
まじめ
)
に、
謙遜
(
けんそん
)
に
悔
(
く
)
ゐることの、
悲痛
(
ひつう
)
な
悲
(
かな
)
しみと、しかしながらまた
不思議
(
ふしぎ
)
な
安
(
やすら
)
かさとをも
併
(
あは
)
せて
經驗
(
けいけん
)
した。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
〔譯〕
果斷
(
くわだん
)
は、
義
(
ぎ
)
より來るもの有り。
智
(
ち
)
より來るもの有り。
勇
(
ゆう
)
より來るもの有り。義と智とを
併
(
あは
)
せて來るもの有り、
上
(
じやう
)
なり。
徒
(
たゞ
)
に
勇
(
ゆう
)
のみなるは
殆
(
あやふ
)
し。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
婦
(
をんな
)
の徳をさへ
虧
(
か
)
かでこの
嬋娟
(
あでやか
)
に生れ得て、しかもこの富めるに
遇
(
あ
)
へる、天の
恵
(
めぐみ
)
と世の
幸
(
さち
)
とを
併
(
あは
)
せ
享
(
う
)
けて、残る
方
(
かた
)
無き果報のかくも
痛
(
いみじ
)
き人もあるものか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
力を
併
(
あは
)
せて、金盤一つさし上げたるがその縁少しく
欹
(
そば
)
だちて、水は肩に
迸
(
はし
)
り落ちたり。丈高く育ちたる水草ありて、露けき緑葉もてこの像を
掩
(
おほ
)
はんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
或は云ふ。日本は乃ち小国、倭の為に
併
(
あは
)
す所となる。故にその号を冒す。使者情を以てせず、故に疑ふ
国号の由来
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
彼
(
あ
)
れは
快
(
こゝろよ
)
く
瞑
(
めい
)
することが
出來
(
でき
)
ると
遺書
(
ゐしよ
)
にもあつたと
言
(
い
)
ふではないか、
彼
(
あ
)
れは
潔
(
いさぎよ
)
く
此世
(
このよ
)
を
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたので、お
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
も
併
(
あは
)
せて
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたので
決
(
けつ
)
して
未練
(
みれん
)
は
殘
(
のこ
)
して
居
(
ゐ
)
なかつたに
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
そ
)
れ
等
(
ら
)
の研究に
依
(
よ
)
るに、彼等は何れも矢毒(即ち野獣を射て
之
(
これ
)
を毒殺すべく
鏃
(
やじり
)
に塗る毒)クラーレ、ヴェラトリンの
如
(
ごと
)
き猛毒の使用を知り、
併
(
あは
)
せて
阿片
(
あへん
)
、
規那
(
きな
)
、
大麻
(
おほあさ
)
ヤラツパ
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
が
其
(
その
)
姿
(
すがた
)
を
隱
(
かく
)
すと
共
(
とも
)
にかの
帆走船
(
ほまへせん
)
も
其
(
その
)
停泊港
(
ていはくかう
)
に
在
(
あ
)
らずなり、
併
(
あは
)
せて
大佐
(
たいさ
)
が
年來
(
ねんらい
)
の
部下
(
ぶか
)
として
神
(
かみ
)
の
如
(
ごと
)
く
親
(
おや
)
の
如
(
ごと
)
くに
氏
(
し
)
に
服從
(
ふくじゆう
)
せる三十七
名
(
めい
)
の
水兵
(
すゐへい
)
も
其
(
その
)
姿
(
すがた
)
を
失
(
うしな
)
ひたりといへば
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
前
(
まへ
)
に
述
(
の
)
べた
如
(
ごと
)
く
政府
(
せいふ
)
は
自己
(
じこ
)
に
買取
(
かひと
)
つた
在外正貨
(
ざいぐわいせいくわ
)
とクレデイツトに
依
(
よ
)
つて
借
(
か
)
り
得
(
う
)
る
金
(
かね
)
と
併
(
あは
)
せて
相當
(
さうたう
)
巨額
(
きよがく
)
の
金
(
かね
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
るのであるから、
此
(
この
)
在外
(
ざいぐわい
)
の
資金
(
しきん
)
を
爲替資金
(
かはせしきん
)
として
利用
(
りよう
)
すれば
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
川添ひの町の路地は折々忍返しをつけた其の出口から遥に
河岸通
(
かしどほり
)
のみならず、
併
(
あは
)
せて橋の欄干や過行く荷船の帆の一部分を望み得させる事がある。
此
(
かく
)
の如き光景は
蓋
(
けだ
)
し逸品中の逸品である。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そこで
媢嫉
(
ばうしつ
)
の念禁じ難く、兄弟姉妹の縁に連なる良兼貞盛良正等の力を
併
(
あは
)
せて将門を殺さうとし、一面国香良正等は之を好機とし、将門を滅して相馬の
夥
(
おびただ
)
しい田産を押収せんとしたのである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
此の身と
併
(
あは
)
せて貧民教育に貢献したいと考へて居たので御座いますが、今度
愈々
(
いよ/\
)
着手致すことに決心しまして御座います、申す迄もなく、只だ
貴所
(
あなた
)
の
御指揮
(
ごさしづ
)
をと其れのみ
心頼
(
こゝろたのみ
)
で御座いましたものを
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
本年のうち小生はこれと
併
(
あは
)
せて三たびほど触発の機会を得申候。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
清水谷の常吉が面白さうに渡したのは、女の手紙が五本、小菊に書いたなか/\の
達筆
(
たつぴつ
)
で、五本を
併
(
あは
)
せてこよりで
束
(
たば
)
ねてあります。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
第一どの船にも、一艘に、主従三十四人、船頭四人、
併
(
あは
)
せて三十八人づつ乗組んでゐる。だから、船の中は、皆、身動きも
碌
(
ろく
)
に出来ない程狭い。
虱
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
実に彼の宮を奪れしは、その
甞
(
かつ
)
て与へられし物を取去られし上に、与へられざりし物をも
併
(
あは
)
せて取去られしなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
わたくしの推測は、單に
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くに説くときは、餘りに
空漠
(
くうばく
)
であるが、
下
(
しも
)
にある文政十一年の火事の段と
併
(
あは
)
せ考ふるときは、
稍
(
やゝ
)
プロバビリテエが増して來るのである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
おん身は病に臥し給ひきとは
實
(
まこと
)
か。アヌンチヤタ。病はいと重く、一とせの久しきにわたりしかど、死せしは我容色と我音聲とのみなりき。公衆は此二つの屍を
併
(
あは
)
せ藏せる我身を棄てたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
興世王は将門に
対
(
むか
)
つて、一国を取るも罪は
赦
(
ゆる
)
さるべくも無い、同じくば阪東を
併
(
あは
)
せて取つて、世の気色を見んには
如
(
し
)
かじと云ひ出すと、
如何
(
いか
)
にも
然様
(
さう
)
だ、と合点して
終
(
しま
)
つた。興世王は実に
好
(
い
)
い居候だ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
源吉の調べと
併
(
あは
)
せて、もう一度平次の頭で整理して見ましたが、下手人はお小夜の
知己
(
ちき
)
で、木戸を開けて狹い庭から通して貰つて
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
住むべき家の
痕跡
(
あとかた
)
も無く焼失せたりと
謂
(
い
)
ふだに、見果てぬ夢の如し、まして
併
(
あは
)
せて頼めし
主
(
あるじ
)
夫婦を
喪
(
うしな
)
へるをや、
音容
(
おんよう
)
幻
(
まぼろし
)
を去らずして、ほとほと幽明の
界
(
さかひ
)
を弁ぜず
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
十太夫の同勢は新規の足輕二百人に
徒歩衆
(
かちしゆう
)
、働筒衆を
併
(
あは
)
せて三百五十人、市兵衞の一行は僅に上下三十八人である。山鹿へ著いて正勝の旅館に
伺候
(
しこう
)
すると、正勝はかう云つた。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
鐵磨きに
眞鍮
(
しんちゆう
)
を
併
(
あは
)
せた恐ろしく堅牢なもので、少し小型ではありますが、火箸や針金は言ふ迄もなく間に合せの合ひ鍵などで開くやうなものではなく、多く大奧などで使ふのを
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
両奉行は鉄砲奉行
石渡彦太夫
(
いしわたひこだいふ
)
、
御手洗伊右衛門
(
みたらしいゑもん
)
に、鉄砲同心を借りに
遣
(
や
)
つた。同心は二
人
(
にん
)
の部下を
併
(
あは
)
せて四十人である。次にそれでは足らぬと思つて、
玉造口定番
(
たまつくりぐちぢやうばん
)
遠藤
但馬守胤統
(
たぢまのかみたねをさ
)
に加勢を願つた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
相手の氣勢さへ
挫
(
くじ
)
けば、八五郎の馬鹿力は最も
有效
(
いうかう
)
に働きます。二人の青持と力を
併
(
あは
)
せて、
瞬
(
またゝ
)
くうちに生捕つた曲者が、二人、三人、五人、——折から關所の方にあがる
喊
(
とき
)
の聲。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兄は福島樣を疑ひ、福島樣は兄を疑ひ、二人は力を
併
(
あは
)
せて盜賊を詮議する氣もなく、互に跡をつけ跡をつけられて、當江戸表へ參り、御當所
狸穴
(
まみあな
)
に住み付いて、お互に見張つて居ります。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曾
(
かつ
)
て守隨彦太郎とその
管轄區
(
くわんかつく
)
を爭つたばかりに、
却
(
かへ
)
つて自分の地位を
喪
(
うしな
)
つた京の秤座神善四郎の成れの果てで、湯女のお浪はその娘、守隨の手代辰次はお浪の隱れた夫、三人心を
併
(
あは
)
せて
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女は一度沈んで浮かんだところを、橋の下にやつて來た月見船が
漕
(
こ
)
ぎ寄せ、何をあわてたか
櫂
(
かい
)
を振上げましたが、氣が付いたと見えて、水の中の平次と力を
併
(
あは
)
せ、身投女を
舷
(
ふなべり
)
に引揚げました。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔は人物
技藝
(
ぎげい
)
一世に
秀
(
ひい
)
でた者を任じたのですが、後、
足利
(
あしかゞ
)
時代から賣官の風が行はれ、江戸時代には賣官料まで公定されて、一階一兩から四十五兩に及び七十三刻を
併
(
あは
)
せると都合七百十九兩
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
千本金之丞あわてたやうに
合槌
(
あひづち
)
を打つのでした。役高を
併
(
あは
)
せて百五十石取の武家にしては、影が薄くて、卑屈で、島家の用人風情に引廻されて居る
腑甲斐
(
ふがひ
)
なさを、事毎に平次は見せつけられます。
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
九枚
併
(
あは
)
せると何うやらその時の船中の
詳
(
くは
)
しい見取圖は出來上がります。
銭形平次捕物控:167 毒酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「楢井家に傳はる金と、公儀から御領りの金、
併
(
あは
)
せて一萬兩近いものが、何處かに隱してあるに相違ないといふが、三月の間搜し拔いてもどうしても見付からない。——ところで、この騷ぎの眞つ最中、昨夜若旦那の福松が死んだのだ」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
併
常用漢字
中学
部首:⼈
8画
“併”を含む語句
併合
併呑
合併
乍併
併行
併発
併立
併用
金石併用期
越山併得能州景
立併
濫併
双方合併
兼併
併馬鈴芋
併行線
併植
併有
併存
併在
...