“乍併”の読み方と例文
読み方割合
しかしながら100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乍併しかしながら、此の家庭問題を、色々と討究して、八釜しくいうて居る現象は、決して悪い事でない、むしろ悦ぶべき状態に相違ないのであろう。
家庭小言 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
乍併しかしながら余が「文明」を愛讀するは一に永井先生の文章あるが爲にして、忌憚なく云へば他の諸氏の文章の多くは余の最も好まざるところのものなり。
貴嬢あなたは特に青年の為に御配慮です、乍併しかしながら今日こんにちの青年は、牧者のつゑを求むる羊と云ふよりは、母雞おやどりの翼を頼むひなであります
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
乍併しかしながら私の此の希望は単なる希望にのみ止まつて容易に実現し得ない事と考へる。
狩太農場の解放 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
相手の鼻垂しも、同じく此の説明を承認してゐたと見えて、此の點には異議は云はなかつたが、乍併しかしながら、如何にして母のお腹に宿つたかといふ根本問題を、からかひ氣味に教へて呉れた。
貝殻追放:016 女人崇拝 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
乍併しかしながら自分が心から安心の出来ないのにどうして児供等を安心させることが出来よう。
大雨の前日 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
——し私一己いつこの野心から申すならば、今まむなしく牢獄にとらはれて、特に只今たゞいま御話の如き暴行は、随分各国の獄裡ごくりに実験せられた所ですから、私も決して喜んで行かうとは思ひませぬ、乍併しかしながら
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
里見弴さんが勝れたる作家だといふ事も、既に喋々する必要はなくなつた。乍併しかしながら里見さんの場合にも、鈍くて押の強い連中は、屡々間違つた批評を浴せかける。「大正の鏡花」の如きも勿論その一例である。