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諭
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さと
ふりがな文庫
“
諭
(
さと
)” の例文
それがじいやにはなんだか
惨
(
いじ
)
らしくも思われるので、叱ったり
諭
(
さと
)
したりして、たびたび断わるのですけれど、どうしても
肯
(
き
)
きません。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
もとよりです。懸命にお
諭
(
さと
)
しつかまつッた。けれど、耳にもかけるふうではない。……
兄者
(
あにじゃ
)
には、ここ数日、泣かんばかり出陣の儀を
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊之助も恟りいたして騒ぐをいろ/\お
諭
(
さと
)
しなされましたが、これも因果と諦らめ、遂にその夜のうちに首をくゝって相果てました。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
早く俗縁を
断
(
た
)
つて、過去の繁華を夢に見つゝ心地よく衰頽の平和に眠つて行く此の長崎に来い………と
諭
(
さと
)
してくれるやうにも思はれた。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
両隊の兵卒一同は
小頭
(
こがしら
)
池上
弥三吉
(
やさきち
)
、大石甚吉を以て、両隊長に勤事控の見舞を言わせた。両隊長は長尾に申し出た趣意を配下に
諭
(
さと
)
した。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
始は査官
言
(
こと
)
を尽して説き
諭
(
さと
)
しけれど、一向に聞入れねば、止むことを得ずして、他の査官を
傭
(
やと
)
ひ来りつ、遂に警察署へ送り入れぬ。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
王国の職員の一人としては叱って
諭
(
さと
)
すべきではあるが、青嵐居士は、この青年の好学に大きな同情を持ち得られる人でありました。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
盡
(
つく
)
すべしと
厚
(
あつ
)
く
諭
(
さと
)
されし上早速其所の地主嘉兵衞と其
家主
(
いへぬし
)
を呼寄られ城富を
引渡
(
ひきわた
)
しとなり
隨分
(
ずゐぶん
)
心付けつかはすべき由申付けられけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と、
主人
(
しゅじん
)
は、
諭
(
さと
)
すように、いったのでした。これを
聞
(
き
)
いたときに、
信吉
(
しんきち
)
は、いままでの
自分
(
じぶん
)
の
意気地
(
いくじ
)
なしが、
真
(
しん
)
に
恥
(
は
)
ずかしくなりました。
風雨の晩の小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
氣の早い子だねとお京の
諭
(
さと
)
せば、そんならお妾に行くを廢めにしなさるかと振かへられて、誰れも願ふて行く處では無いけれど
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
諭
(
さと
)
すにお登和嬢も我意を得たる如く「ハイ、ホントにそうでございます」と自ら進んで答えしが中川は再び「そうして和女は
外
(
ほか
)
へ
好
(
い
)
い口を ...
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
岩倉説勝を占めて、その翌日慶喜に対し、将軍職辞退の聴許があり、更に退官納地を奉請するように、
諭
(
さと
)
されることになった。
鳥羽伏見の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
真宗
嗣
(
つ
)
ぎ立て即位式に先導せしむると
鳴吠
(
めいはい
)
徘徊して意忍びざるがごとし、先帝の葬式に従えと
諭
(
さと
)
せば悦んで尾を揺るがし
故
(
もと
)
のごとく飲食す。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
と赤ん坊を
諭
(
さと
)
すように背中を
撫
(
な
)
でまわしたのであったが、しかし、そんな親切や同情が彼には、ちっとも通じないらしかった。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
検査官は彼れの首筋を捕えて柔かに引起し今更彼是れ云うても無益だ
有体
(
ありてい
)
に白状しろ白状するに越した事は無いと
諭
(
さと
)
しました
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
父は
沸
(
に
)
える腹をこらえ手を握って
諭
(
さと
)
すのである。おとよは
瞬
(
まばた
)
きもせず
膝
(
ひざ
)
の手を見つめたまま黙っている。父はもう
堪
(
たま
)
りかねた。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
と歌子は
諭
(
さと
)
した。それ故にこそ彼女は梅雨の日を訪ずれたのである。そして、絶交する人の目に、島田に結んだ姿を残そうとしたのである。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ので高木は母とともに長井の家へ来て、何分の沙汰が
公向
(
おもてむき
)
からあるまでは、当分そのままにして、手を着けずに置くようにと、父を
諭
(
さと
)
した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
伯父が見兼ねて、
態々
(
わざわざ
)
上京して、もう小説家になるなとは言わぬ、唯是非一度帰省して両親の心を安めろと
懇
(
ねんごろ
)
に
諭
(
さと
)
して呉れた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「よく考えてごらんなさい。マドモアゼーユ」厳格ではあるが、それでもまだなんとなく
諭
(
さと
)
すような調子で、彼は言い始めた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
尽すべきお
諭
(
さと
)
しがある。財政がどうであろうと皆様がお困りであろうと、国防上必要最少限度のことは断々固として要求する
戦争史大観
(新字新仮名)
/
石原莞爾
(著)
女である姉にそれを見られたことに、恥とも極り惡さともいへないものが、人間への成長の途上でこの兄弟をひどく
諭
(
さと
)
してくるものがあつた。
めたん子伝
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
杉十郎がこんこんと
諭
(
さと
)
しはじめるので私たちも腰を据えたが、彼らのいうことはどうもうかうかとは信ぜられぬのであった。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
さればとてお俊を
諭
(
さと
)
して藤吉の後を
逐
(
お
)
わすことをいたすほどの決心は出ませんので、ただ悪い悪いと思いながらお俊の情を受けておりました。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
なお、右のほか、帯刀御免の者、ならびに旧家の者などへもよくよく申し
諭
(
さと
)
し、随分武芸心がけさせ候よういたすべく候……
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日本
(
につぽん
)
の
古代
(
こだい
)
の
人々
(
ひと/″\
)
は、かういふふうに、
一首
(
いつしゆ
)
の
歌
(
うた
)
についても、
何
(
なに
)
か
神
(
かみ
)
の
心
(
こゝろ
)
あるひは、
諭
(
さと
)
しが
含
(
ふく
)
まれてゐるのだ、といふ
考
(
かんが
)
へ
癖
(
くせ
)
を
持
(
も
)
つてゐました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
妙子を
飜意
(
ほんい
)
させるのにも、自分一人の力では
覚束
(
おぼつか
)
ないので、貞之助と、雪子と、三人で代る代る
諭
(
さと
)
して見たら
利
(
き
)
き目がありそうにも考えられた。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それがだん/\つのつて、
七月
(
しちがつ
)
の
十五夜
(
じゆうごや
)
などには
泣
(
な
)
いてばかりゐました。
翁
(
おきな
)
たちが
心配
(
しんぱい
)
して、
月
(
つき
)
を
見
(
み
)
ることを
止
(
や
)
めるようにと
諭
(
さと
)
しましたけれども
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
さすが畜生の
智慧
(
ちえ
)
浅きは
詮方
(
せんかた
)
なし、と泣き泣き
諭
(
さと
)
せば、猿の吉兵衛も部屋の
隅
(
すみ
)
で涙を流して手を合せ、夫婦はその様を見るにつけいよいよつらく
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
この時青年エリフ両者の態度に憤りを起して現われて仲裁を試み、最後にエホバ御自身ヨブを
諭
(
さと
)
してヨブに平安臨み、そして結末となるのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
去年から太后も
物怪
(
もののけ
)
のために病んでおいでになり、そのほか天の
諭
(
さと
)
しめいたことがしきりに起こることでもあったし
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
腕一杯の物を建てたら死んでも恨みはないとまで思い込んだに、悲しや上人様の今日のお
諭
(
さと
)
し、道理には違いないそうもなければならぬことじゃが
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
山野夫人はけげん顔の雇人達に明智小五郎を紹介して、何なりと彼の質問には、少しも遠慮せず答える様にと
諭
(
さと
)
した。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ふと早口の
甲高
(
かんだか
)
い声と、静かな
諭
(
さと
)
すような声が聞えます。こんなことがあるとは聞いていましたが、今が初耳でした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
山上憶良は、或る男が、両親妻子を軽んずるのをみて、その不心得を
諭
(
さと
)
して、「惑情を
反
(
かへ
)
さしむる歌」というのを作った、その反歌がこの歌である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
扨
(
さ
)
テ前日、府中ニ触レアッテ
此度
(
このたび
)
双方勝負ノ
贔屓
(
ひいき
)
ヲ禁止セリ。
興長主
(
おきながのかみ
)
武蔵ニ
謂
(
いっ
)
テ
曰
(
いわ
)
ク、明朝辰ノ上刻向島ニ於テ、岩流小次郎ト仕合致スベキ由ヲ
諭
(
さと
)
ス。
巌流島
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
釈尊は娘を
諭
(
さと
)
して出家せしめた。娘が道に対して始めて尊敬の念を起したのを釈尊が褒め給うと娘の
鬢髪
(
びんぱつ
)
はたちどころに落ちたと経典には書いてある。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ちがった信仰をもつ
為政者
(
いせいしゃ
)
が、単なる殖産政策の立場から、
勧
(
すす
)
め
諭
(
さと
)
して神山の樹を
伐
(
き
)
らせ、それを開墾して
砂糖黍
(
さとうきび
)
などを
栽
(
う
)
えさせ、鼠の居処を
狭
(
せば
)
めて
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これ南洲が維新の創始に際し、その門下生が諸国週遊せんとするを
諭
(
さと
)
したるの言、また以て村田が人品の超群にして、その眼界の
秀聳
(
しゅうしょう
)
なるを概見すべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
粕谷
(
かすや
)
の夫妻は彼女を慰めて、葛城が此等の動揺は
当
(
まさ
)
に来る可き
醗酵
(
はっこう
)
で、少しも懸念す可きでないと
諭
(
さと
)
した。然しお
馨
(
けい
)
さんの渡米には、二念なく賛同した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そもそも事をなすに、これを命ずるはこれを
諭
(
さと
)
すに
若
(
し
)
かず、これを諭すはわれよりその実の例を示すに若かず。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
我涙は愈〻繁くなりぬ。我はいかなる故と、明には知らざりしが、斯く
諭
(
さと
)
されたる時、限なき幸なさを覺えき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
私はここではお前たちの側ばかり言うのだよ。唯円には唯円でよく
諭
(
さと
)
しきかせます。これから、お前たちはここをさがって、唯円を呼んで来てくれないか。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
かく
諭
(
さと
)
したりし欣弥の
声音
(
こわね
)
は、ただにその平生を
識
(
し
)
れる、傍聴席なる渠の母のみにあらずして、法官も聴衆もおのずからその異常なるを聞き得たりしなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また西洋哲学を勉強するにはそのいわば永遠の源泉であるギリシア哲学とキリスト教とをぜひ研究しなければならぬということを
諭
(
さと
)
されたのも先生であった。
読書遍歴
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
鶴見は娘の静代にそういって
諭
(
さと
)
していたが、それも終ると、番茶をいれさせて、一口飲んでほっとしていた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「今からでも決しておそくはないから、
直
(
ただ
)
ちに
抵抗
(
ていこう
)
をやめて軍旗の
下
(
もと
)
に復帰するようにせよ。そうしたら、今までの罪は許されるのである。」と
諭
(
さと
)
し、また
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
二人に後に下っているようにと
諭
(
さと
)
すような手振りをしながら、彼は身を屈めて、壁の隙間から覗いて見た。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
橋口君は謡曲を数番聞かせたばかりでなく、教えてやるから始めるようにと
諭
(
さと
)
した。無論千吉君はキッパリ断らなかったが、同輩から
予
(
あらかじ
)
め警戒されていたから
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかし先生は、私の無礼を
咎
(
とが
)
めもせず、静かな声で、一旦君から買取った上はこれをどう処分をしようと私の自由であり、君は文句をいう権利がない
旨
(
むね
)
を
諭
(
さと
)
した。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
諭
常用漢字
中学
部首:⾔
16画
“諭”を含む語句
御諭
説諭
諭告
福沢諭吉
訓諭
諷諭
諭示
告諭
諭戒
諭旨
諭吉夫婦
高諭
諭告書
諭旨免官
諭言
諭誡
諭達
諭鶴
譬諭
譬諭経
...