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訊
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たづ
ふりがな文庫
“
訊
(
たづ
)” の例文
「エアさんはそこにゐますか。」と
主人
(
あるじ
)
は、半分席から立上つて、入口の方を見まはしながら
訊
(
たづ
)
ねた。私は
扉
(
ドア
)
の傍にまだ立つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「一体君たちは、こんなことをしてゐて、
終
(
しま
)
ひに何うなるんだね。」彼は
腹這
(
はらば
)
ひになつて、
莨
(
たばこ
)
をふかしながら、そんな事を
訊
(
たづ
)
ねた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
昨日
(
きのふ
)
、
碓氷
(
うすひ
)
で
汽車
(
きしや
)
を
下
(
お
)
りて、
峠
(
たうげ
)
の
權現樣
(
ごんげんさま
)
に
詣
(
まう
)
でた
時
(
とき
)
、さしかゝりで
俥
(
くるま
)
を
下
(
お
)
りて、あとを
案内
(
あんない
)
に
立
(
た
)
つた
車夫
(
しやふ
)
に、
寂
(
さび
)
しい
上坂
(
のぼりざか
)
で
彼
(
かれ
)
は
訊
(
たづ
)
ねた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「や、お初めて。」とリンコルンは初めて気が
注
(
つ
)
いたやうに会釈をした。「早速で
甚
(
はなは
)
だ
無躾
(
ぶしつけ
)
なやうだが、一寸お
訊
(
たづ
)
ねしたいと思つて……」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何でもその辺の人に「
越後
(
ゑちご
)
で偉かつた人は誰ですか。」と
訊
(
たづ
)
ねると「それは
上杉謙信
(
うへすぎけんしん
)
と良寛さんです。」と答へるさうである。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
餘り笑ふので其の譯を
訊
(
たづ
)
ねると、シャクの排斥を發議した例の長老が最近それと同じ樣な慘めな經驗をしたといふ評判だからだ、と言つた。
狐憑
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
只
(
たゞ
)
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
他
(
ほか
)
には
何
(
なん
)
にも
考
(
かんが
)
へつきませんでした、『それは
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
の
受持
(
うけもち
)
よ、
其
(
そ
)
の
事
(
こと
)
なら
夫人
(
ふじん
)
に
訊
(
たづ
)
ねた
方
(
はう
)
が
可
(
い
)
いわ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
友も
稍
(
やゝ
)
酔つた様子で、
漸
(
やうや
)
く
戸外
(
おもて
)
の
闇
(
くら
)
くなつて行くのを見送つて居たが、不意に、かう
訊
(
たづ
)
ねられて、われに返つたといふ風で
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
おつれあひは、とか、御家族は、とか、私の一人ぼつちなわびしい状態を見て、いたはりの心から
訊
(
たづ
)
ねるのであつたらう。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
主は彼に向ひて宮の
家内
(
かない
)
の様子を
訊
(
たづ
)
ねけるに、知れる
一遍
(
ひととほり
)
は語りけれど、娘は
猶能
(
なほよ
)
く知るらんを、
後
(
のち
)
に招きて聴くべしとて、夫婦は
頻
(
しきり
)
に
觴
(
さかづき
)
を
侑
(
すす
)
めけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「貴様は何をしようとしてゐるのだ。」——かう
訊
(
たづ
)
ねられたら、私は何と答へる事が出来るのでせう。「己は、この男を罪人にしようとしてゐるのだ。」
猿
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
君
(
きみ
)
、
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
躰
(
からだ
)
は何うかね。」と
暫
(
しばら
)
くして私はまた友に
訊
(
たづ
)
ねた。私
達
(
たち
)
は
會
(
あ
)
ふと
必
(
かなら
)
ず
孰
(
どツ
)
ちか
先
(
さき
)
に
此
(
こ
)
の事を
訊
(
き
)
く。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「それとも」と和作は追かけるやうにして
訊
(
たづ
)
ねた。「飯島先生の話でどうかなつたのぢやあ、ないのかい?」
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
あの坊さんの梟がいつもの高い処からやさしく
訊
(
たづ
)
ねました。穂吉は何か云はうとしたやうでしたが、たゞ眼がパチパチしたばかり、お母さんが代って答へました。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
男優A ぢや、こつちから
訊
(
たづ
)
ねるがね。君は、どういふ証拠をつかまへて、そんな詰問をするんだね?
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「で、どんな忠告を受けたんだい。」とTは黙して置けぬと云ふ風に、
真面目
(
まじめ
)
になつて
訊
(
たづ
)
ね出した。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
途中でトランク一つの代価を
訊
(
たづ
)
ねると娘店員が来て、zwei milliarden dreimal hundert millionen Mark と云つた。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
或
(
ある
)
劇場監督
(
デイレクツウル
)
の事に
就
(
つい
)
て議論のある晩でムネ・シユリイは黙つて聴いて居たが、食事の
終
(
しま
)
ひ際にユウゴオが「君はデイレクツウルと云ふ職を何と考へるか」と
訊
(
たづ
)
ねたので
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「さうよ、土がまだ妙に冷たいもんな。」と、それと並んで同じ
労働
(
しごと
)
をしてゐる同じ年格好の、もう一人の男が云つた。そして、どこか不平を
洩
(
も
)
らすやうな調子で
訊
(
たづ
)
ねた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
仲裁に入つた男の
睾丸
(
こうぐわん
)
を
蹴上
(
けあ
)
げて気絶さしたとか、
云々
(
うんぬん
)
の通信なんだがそれに間違ひはありませんか、一応お
訊
(
たづ
)
ねする次第です——と云つたやうな話を聞き、ひどく
狼狽
(
らうばい
)
した訳です。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
番臺の女房にお光の事を
訊
(
たづ
)
ね、あたふたと歸つて行つたといふだけのことです。
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「F
町
(
まち
)
はまだかな‥‥」とまた
河野
(
かうの
)
が
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いて、
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したやうに
訊
(
たづ
)
ねた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「私を
訊
(
たづ
)
ねて來たのは如何いふ御用です。」
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「君は何派だい。」と道助は
訊
(
たづ
)
ねた。
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
「何てんです、それは?」と
訊
(
たづ
)
ねた。
曠日
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
私は土人に
訊
(
たづ
)
ねました
古代土器の印象
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
「アデェル」と私は
訊
(
たづ
)
ねた。「あなたがお話しになつた、その綺麗な氣持ちのいゝ町にゐらした時は、
誰方
(
どなた
)
と御一緒でしたの?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
だが、色々試してゐるうち、孔雀の世間馴れた
素振
(
そぶり
)
が、これまで
初心
(
うぶ
)
な
生娘
(
きむすめ
)
でなかつた事を証拠立てて来た。草人は不安さうな目付をして
訊
(
たづ
)
ねた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは、
礑
(
はた
)
と
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
ることあるものゝ
如
(
ごと
)
く、『それで
此處
(
こゝ
)
に
此麽
(
こんな
)
に
澤山
(
たくさん
)
茶器
(
ちやき
)
があるのねえ?』と
訊
(
たづ
)
ねました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と年の少い子が無邪気に
訊
(
たづ
)
ねた。何て馬鹿な質問をするんだらうといふやうに、みんなはその子の顔を見た。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
周三は
垂頭
(
うつむ
)
き加減で、默ツて、
神妙
(
しんめう
)
に聞いてゐたが、
突如
(
だしぬけ
)
に、「だが、其の
贅澤
(
ぜいたく
)
を行ツてゐた時分と、今と、何方が氣樂だと思ひます。」とぶしつけに
訊
(
たづ
)
ねる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「あれは今誰がすんでゐる」と
訊
(
たづ
)
ねるので、知つてゐる通り、「ガルモンチ侯爵一家」と答へますと、「それ見給へ、その名前は、
羅馬
(
ローマ
)
時代から伝つてゐるのだ。」
けむり(ラヂオ物語)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
番頭
(
ばんとう
)
を
呼
(
よ
)
んでもらつて
訊
(
たづ
)
ねますと、——
勿論
(
もちろん
)
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
男
(
をとこ
)
ではなかつたが——
此
(
これ
)
はよく
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて
帰来
(
かへりき
)
にける貫一は二人の在らざるを怪みて
主
(
あるじ
)
に
訊
(
たづ
)
ねぬ。彼は
徐
(
しづか
)
に長き髯を
撫
(
な
)
でて片笑みつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
こつちから
訊
(
たづ
)
ねもせぬのに、寺の玄関の三畳の窓へ来た女のことをも上さんは話した。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
梟のお母さんが、大きな眼を泣いてまぶしさうにしょぼしょぼしながら
訊
(
たづ
)
ねました。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
或る日、表町の外食券食堂へ行く途中(私達家族三人は主食配給が遅配がちなのと、隣組の輪番制当番がうるさかつたので外食にきりかへたのだ)一人の
年増
(
としま
)
婦人からかう
訊
(
たづ
)
ねられた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
平次は平凡なことを
訊
(
たづ
)
ねました。この男の
承
(
う
)
け
應
(
こた
)
へを試さうといふのでせう。
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
わたしは度を失ひながら、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
茶の間に上げた。「どうしてこんなに遅く来た? 何かあつたのか?」かう
訊
(
たづ
)
ねても、無感覚に黙つてゐる。わたしの
癇癖
(
かんぺき
)
の突発を恐れてゐる事が感ぜられた。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「
志願兵殿
(
しぐわんへいどの
)
、
何時
(
なんじ
)
でありますか‥‥」と、
背後
(
うしろ
)
から
兵士
(
へいし
)
の
一人
(
ひとり
)
が
訊
(
たづ
)
ねた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「何を笑つたんだい。」Tが闇の中から
訊
(
たづ
)
ねた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
幾らか気になると云つたやうに
訊
(
たづ
)
ねた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
駅長さんに
訊
(
たづ
)
ねたら
桑名の駅
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
せんからお
訊
(
たづ
)
ねしようと思つてゐましたが、お父樣の御親類のエア家の方から、何かお聞きになつたことはありませんか。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『それは
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、
終
(
しま
)
ひから
復
(
ま
)
た
始
(
はじ
)
めに
還
(
かへ
)
るのには
何
(
ど
)
うしたら
可
(
い
)
いの?』と
愛
(
あい
)
ちやんが
突飛
(
とつぴ
)
なことを
訊
(
たづ
)
ねました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
大学生は
悔
(
くや
)
しがつて、
何家
(
どこ
)
の子供か知らと
訊
(
たづ
)
ねてみると、文科大学の内藤湖南博士が
秘蔵
(
ひぞ
)
つ
児
(
こ
)
だつたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
随分お達者で
御機嫌
(
ごきげん
)
よろしう……
宮
(
みい
)
さん、お前から好くさう言つておくれ、よ、
若
(
も
)
し貫一はどうしたとお
訊
(
たづ
)
ねなすつたら、あの大馬鹿者は一月十七日の晩に気が違つて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
声——よし、それは後で
訊
(
たづ
)
ねる。帰りは何時の電車へ乗つた? こつちへ着いた時間でもいゝ。
クロニック・モノロゲ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
其處
(
そこ
)
で
訊
(
たづ
)
ねまして、はじめて、
故郷
(
ふるさと
)
は
然
(
さ
)
まで
遠
(
とほ
)
くない、
四五十里
(
しごじふり
)
だと
云
(
い
)
ふのが
分
(
わか
)
つて、それから、
釵
(
かんざし
)
を
賣
(
う
)
り、
帶
(
おび
)
を
賣
(
う
)
つて、
草樹
(
くさき
)
をしるべに、
漸
(
や
)
つと
日
(
ひ
)
をかさねて
歸
(
かへ
)
つたのでございます。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
誰
(
だれ
)
か工手学校に入るんですか。」主人は拡げて見ながら、
訊
(
たづ
)
ねた。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
訊
漢検準1級
部首:⾔
10画
“訊”を含む語句
訊問
問訊
御訊
訊糺
訊問者
訊尋
聞訊
訊入
訊返
訊斷
訊問室
訊合
訊出
不審訊問
神訊
相訊
旅客訊問
御訊問
対質訊問
十字火訊問