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粧
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よそほひ
ふりがな文庫
“
粧
(
よそほひ
)” の例文
紅
(
べに
)
も
笹色
(
さゝいろ
)
の
粧
(
よそほひ
)
を
凝
(
こら
)
して、
月光
(
げつくわう
)
に
溶
(
と
)
けて
二葉
(
ふたは
)
三葉
(
みは
)
、たゞ
紅
(
べに
)
の
點滴
(
したゝ
)
る
如
(
ごと
)
く、
峯
(
みね
)
を
落
(
お
)
ちつつ、
淵
(
ふち
)
にも
沈
(
しづ
)
まず
飜
(
ひるがへ
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女は昔の儘で、矢張馬鹿で、気の利かない
粧
(
よそほひ
)
をしてゐた。詰らぬ、気の毒なやうな女である。娘とその婿とを連れて来た。その頃一家はすつかり微禄してゐた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
程も有らずラムプは
点
(
とも
)
されて、
止
(
た
)
だ在りけるままに
竦
(
すく
)
みゐたる彼の
傍
(
かたはら
)
に置るるとともに、その光に照さるる満枝の姿は、更に
粧
(
よそほひ
)
をも加へけんやうに
怪
(
け
)
しからず
妖艶
(
あでやか
)
に
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
桃の
實
(
み
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、
紅粉
(
こうふん
)
の
粧
(
よそほひ
)
でつるつるした
果物
(
くだもの
)
のやうな、桃の
實
(
み
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、いかにも
狡
(
ずる
)
さうな
薔薇
(
ばら
)
の花、吾等の齒に毒をお塗り、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
そのまゝ
樹下
(
きのもと
)
に立せ玉ふ
石地蔵𦬇
(
いしのぢぞうぼさつ
)
の
前
(
まへ
)
に
並
(
なら
)
びたちながら、
懐中
(
くわいちゆう
)
より
鏡
(
かゞみ
)
を
出
(
いだ
)
して
鉛粉
(
おしろい
)
のところはげたるをつくろひ、
唇紅
(
くちべに
)
などさして
粧
(
よそほひ
)
をなす、これらの
粧具
(
しやうぐ
)
をかりに
石仏
(
せきぶつ
)
の
頭
(
かしら
)
に
置
(
お
)
く。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
時の
帝
(
みかど
)
の
中宮
(
ちゆうぐう
)
、後に建禮門院と申せしは、入道が第四の
女
(
むすめ
)
なりしかば、此夜の盛宴に漏れ給はず、
册
(
かしづ
)
ける
女房
(
にようばう
)
曹司
(
ざうし
)
は皆々晴の衣裳に奇羅を競ひ、
六宮
(
りくきゆう
)
の
粉黛
(
ふんたい
)
何れ劣らず
粧
(
よそほひ
)
を
凝
(
こ
)
らして
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
けふも謝肉の祭日にて、はや其時刻にさへなりぬるを、われは心づかでありしなり。かゝる群の華かなる
粧
(
よそほひ
)
、その物騷がしき聲々はます/\我心地を損じたり。車幾輛か我前を過ぐ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
胸張り肩
聳
(
そび
)
えたる士官の、まだ
維廉
(
ヰルヘルム
)
一世の街に臨める
窻
(
まど
)
に
倚
(
よ
)
り玉ふ頃なりければ、様々の色に飾り成したる礼装をなしたる、
妍
(
かほよ
)
き
少女
(
をとめ
)
の
巴里
(
パリー
)
まねびの
粧
(
よそほひ
)
したる、彼も此も目を驚かさぬはなきに
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
此
(
この
)
豫期
(
よき
)
の
下
(
もと
)
に、
宗助
(
そうすけ
)
は
突然
(
とつぜん
)
御米
(
およね
)
に
紹介
(
せうかい
)
されたのである。
其時
(
そのとき
)
御米
(
およね
)
は
此間
(
このあひだ
)
の
樣
(
やう
)
に
粗
(
あら
)
い
浴衣
(
ゆかた
)
を
着
(
き
)
てはゐなかつた。
是
(
これ
)
から
餘所
(
よそ
)
へ
行
(
ゆ
)
くか、
又
(
また
)
は
今
(
いま
)
外
(
そと
)
から
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
たと
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
な
粧
(
よそほひ
)
をして、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
から
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
隋
(
ずゐ
)
の
文帝
(
ぶんてい
)
の
宮中
(
きうちう
)
には、
桃花
(
たうくわ
)
の
粧
(
よそほひ
)
あり。
其
(
そ
)
の
趣
(
おもむき
)
相似
(
あひに
)
たるもの
也
(
なり
)
。
皆
(
みな
)
色
(
いろ
)
を
衒
(
てら
)
ひ
寵
(
ちよう
)
を
售
(
う
)
りて、
君
(
きみ
)
が
意
(
こゝろ
)
を
傾
(
かたむ
)
けんとする
所以
(
ゆゑん
)
、
敢
(
あへ
)
て
歎美
(
たんび
)
すべきにあらずと
雖
(
いへど
)
も、
然
(
しか
)
れども
其
(
そ
)
の
志
(
こゝろざし
)
や
可憐也
(
かれんなり
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そのまゝ
樹下
(
きのもと
)
に立せ玉ふ
石地蔵𦬇
(
いしのぢぞうぼさつ
)
の
前
(
まへ
)
に
並
(
なら
)
びたちながら、
懐中
(
くわいちゆう
)
より
鏡
(
かゞみ
)
を
出
(
いだ
)
して
鉛粉
(
おしろい
)
のところはげたるをつくろひ、
唇紅
(
くちべに
)
などさして
粧
(
よそほひ
)
をなす、これらの
粧具
(
しやうぐ
)
をかりに
石仏
(
せきぶつ
)
の
頭
(
かしら
)
に
置
(
お
)
く。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
紋羽二重
(
もんはぶたへ
)
の
小豆鹿子
(
あづきかのこ
)
の
手絡
(
てがら
)
したる
円髷
(
まるわげ
)
に、
鼈甲脚
(
べつこうあし
)
の
金七宝
(
きんしつぽう
)
の玉の
後簪
(
うしろざし
)
を
斜
(
ななめ
)
に、
高蒔絵
(
たかまきゑ
)
の
政子櫛
(
まさこぐし
)
を
翳
(
かざ
)
して、
粧
(
よそほひ
)
は
実
(
げ
)
に
塵
(
ちり
)
をも
怯
(
おそ
)
れぬべき人の
謂
(
い
)
ひ知らず
思惑
(
おもひまど
)
へるを、
可痛
(
いたは
)
しの
嵐
(
あらし
)
に
堪
(
た
)
へぬ花の
顔
(
かんばせ
)
や
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その心その姿その
粧
(
よそほひ
)
は、わが目を注ぎ心を傾くるところなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
春
(
はる
)
の
粧
(
よそほひ
)
の
濃
(
こ
)
き
淡
(
うす
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
霞
(
かすみ
)
の
色
(
いろ
)
は、
消
(
き
)
ゆるにあらず、
晴
(
は
)
るゝにあらず、
桃
(
もゝ
)
の
露
(
つゆ
)
、
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
に、
且
(
か
)
つ
解
(
と
)
け
且
(
か
)
つ
結
(
むす
)
びて、
水
(
みづ
)
にも
地
(
つち
)
にも
靡
(
なび
)
くにこそ、
或
(
あるひ
)
は
海棠
(
かいだう
)
の
雨
(
あめ
)
となり、
或
(
あるひ
)
は
松
(
まつ
)
の
朧
(
おぼろ
)
となる。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は
釈
(
ゆるさ
)
れざる
囚
(
とらはれ
)
にも
同
(
おなじ
)
かる思を悩みて、元日の
明
(
あく
)
るよりいとど
懊悩
(
おうのう
)
の遣る方無かりけるも、年の始といふに
臥
(
ふ
)
すべき
病
(
やまひ
)
ならねば、起きゐるままに本意ならぬ
粧
(
よそほひ
)
も、色を好める夫に勧められて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
粧
常用漢字
中学
部首:⽶
12画
“粧”を含む語句
化粧
粧飾
扮粧
薄化粧
時勢粧
盛粧
身粧
厚化粧
行粧
朝化粧
假粧
若粧
御化粧
時世粧
濃化粧
御粧
服粧
淡粧
化粧部屋
化粧煉瓦
...