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突込
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つッこ
ふりがな文庫
“
突込
(
つッこ
)” の例文
あ「いゝえお
母
(
っか
)
さんは今日は
五度
(
いつたび
)
御膳を
食
(
あが
)
って、
終
(
しま
)
いにはお鉢の中へ手を
突込
(
つッこ
)
んで
食
(
あが
)
って、
仕損
(
しそこ
)
ないを三度してお
襁褓
(
しめ
)
を洗った」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
果して遣った! 意地にも立ったきりじゃ居られなくなって、ままよ、と
胆
(
たん
)
を据えて、つかつかと出ようとすると、見事に膝まで
突込
(
つッこ
)
んだ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と丈助がうっかりして居る処を、おしのは手早く小脇差の鞘を払い、丈助の
横腹
(
よこッぱら
)
を目掛け、一生懸命力に任せてウーンと
突込
(
つッこ
)
む。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あの、樹の下の、暗え中へ頭
突込
(
つッこ
)
んだと思わっせえまし、お前様、苦虫の
親仁
(
おやじ
)
が
年効
(
としがい
)
もねえ、
新造子
(
しんぞっこ
)
が抱着かれたように、キャアと云うだ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何か、直ぐに連れてここへ来る
手筈
(
てはず
)
じゃった、猿は、
留木
(
とまりぎ
)
から落ちて縁の下へ半分
身体
(
からだ
)
を
突込
(
つッこ
)
んで、
斃死
(
くたばっ
)
ていたげに云う……嘘でないな。」
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
と云われてまご/\して
彼方
(
あっち
)
へ
打
(
ぶッ
)
つかり、
此方
(
こっち
)
へ突当って滑ったり、
盥
(
たらい
)
の中へ足を
突込
(
つッこ
)
んで尻もちをつくやら大騒ぎで
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といいながら
突込
(
つッこ
)
むように
煙管
(
きせる
)
を
納
(
い
)
れた、仕事に
懸
(
かか
)
る
身構
(
みがまえ
)
で、
頭
(
かしら
)
は素知らぬ顔をして
嘯
(
うそぶ
)
きながら、揃えて下駄を
掻掴
(
かいつか
)
めり。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
下女「何うでございますか私は只台所のお
竈
(
へッつい
)
の下へ首を
突込
(
つッこ
)
んで居りましたから、
確
(
しっ
)
かりとは分りませんでしたが、多分お怪我をなさいましたろう」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ずんずんずんと沈んでな、もう奈落かと思う時、
釣瓶
(
つるべ
)
のようにきりきりと、
身体
(
からだ
)
を車に引上げて、髪の
雫
(
しずく
)
も切らせずに、また海へ
突込
(
つッこ
)
みました。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
としけ/″\枕の紋を視詰めて居ましたが、火鉢の中へ
黒檀柄
(
こくたんえ
)
の火箸を
突込
(
つッこ
)
み是を杖にして居た故、力が這入って火の中へ這入り、
真赤
(
まっか
)
に焼けて
居
(
お
)
る火箸を取って
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と膳の下へ
突込
(
つッこ
)
むように
摺
(
す
)
り寄った。膝をばたばたとやって、歯を
噛
(
か
)
んで
戦
(
おのの
)
いたが、寒いのではない、脱いだ
膚
(
はだ
)
には気も着かず。
太息
(
といき
)
を
吐
(
つ
)
いて
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其の
中
(
うち
)
にお瀧が中央に居るから、
若
(
も
)
し
情実
(
わけ
)
が有ればソレ夜中に向うの床の中へ這入るとか、男の方からお瀧の方へ足でも
突込
(
つッこ
)
めば、貴方が
跳起
(
はねお
)
きて
両人
(
ふたり
)
をおさえ付け
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それでも、板屋漏る
燈
(
ともしび
)
のように、細く
灯
(
とも
)
して、薄く白い煙を
靡
(
なび
)
かした、おでんの屋台に、
車夫
(
わかいしゅ
)
が二人、丸太を
突込
(
つッこ
)
んだように、
真黒
(
まっくろ
)
に入っていたので。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
拾った
処
(
とこ
)
を云わなければならないが、御迷惑が掛っちゃア済まねえから、売りてえのを我慢して、何うか御当人にお渡し申してえと思って、今まで腹掛の
隠
(
かくし
)
に
突込
(
つッこ
)
んでいた所が
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小児衆
(
こどもしゅう
)
小児衆、
私
(
わし
)
が
許
(
とこ
)
へござれ、と言う。
疾
(
はや
)
く
白媼
(
しろうば
)
が
家
(
うち
)
へ
行
(
ゆ
)
かっしゃい、
借
(
かり
)
がなくば、
此処
(
ここ
)
へ馬を繋ぐではないと、
馬士
(
まご
)
は腰の
胴乱
(
どうらん
)
に
煙管
(
きせる
)
をぐっと
突込
(
つッこ
)
んだ。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と考えて居りますと、
片方
(
かたっぽ
)
では片手で
探
(
さぐ
)
り、
此処
(
こゝ
)
ら
辺
(
あたり
)
が
喉笛
(
のどぶえ
)
と思う処を探り当てゝ、懐から取出したぎらつく刄物を、
逆手
(
さかて
)
に取って、ウヽーンと上から力に任せて
頸窩骨
(
ぼんのくぼ
)
へ
突込
(
つッこ
)
んだ。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
眉の太い、
怒
(
いか
)
り
鼻
(
ばな
)
のがあり、
額
(
ひたい
)
の広い、
顎
(
あご
)
の
尖
(
とが
)
った、
下目
(
しため
)
で
睨
(
にら
)
むようなのがあり、
仰向
(
あおむ
)
けざまになって、
頬髯
(
ほおひげ
)
の中へ、煙も出さず葉巻を
突込
(
つッこ
)
んでいるのがある。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
器量はたぎって
好
(
よ
)
いと云うのではありませんが、
何処
(
どこ
)
か
男惚
(
おとこぼ
)
れのする顔で、
愛敬靨
(
あいきょうえくぼ
)
が深く二ツいりますが、
尺
(
ものさし
)
を
突込
(
つッこ
)
んで見たら二分五厘あるといいますが、
誰
(
たれ
)
か尺を入れたと見えます。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(やあ、)と言って、十二、三の一番上の
児
(
こ
)
が、駈けて返って、橋の上へ落して行った白い
手巾
(
ハンケチ
)
を拾ったのを、
懐中
(
ふところ
)
へ
突込
(
つッこ
)
んで、黙ってまた飛んで行ったそうで。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
笑うと
靨
(
えくぼ
)
と申してちょいと頬に穴があきますが、どういう器械であくか分りませんけれども、その穴は余程深く、二分五厘有ったと云います、誰が尺を
突込
(
つッこ
)
んで見たか、髪の毛の
艶
(
つや
)
が好く
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……案ずるに我が家の
門附
(
かどづけ
)
を
聞徳
(
ききどく
)
に、いざ、その段になった処で、
件
(
くだん
)
の(出ないぜ。)を
極
(
き
)
めてこまそ心積りを、
唐突
(
だしぬけ
)
に頬被を
突込
(
つッこ
)
まれて、大分
狼狽
(
うろた
)
えたものらしい。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
胴金造りの長いやつを抜き放し、丹治の脇腹目掛けてウーンと力に任せて深く
突込
(
つッこ
)
まれ、丹治はウンとそっくり反って身を
顫
(
ふる
)
わす所を足を踏みかけ、
猶
(
なお
)
も再びごじられて其の儘息は絶えました。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小さな銀貨を
一個
(
ひとつ
)
握
(
にぎ
)
らせると、両手で、頭の上へ押頂いて、(沢山に
難有
(
ありがと
)
、難有、難有、)と
懐中
(
ふところ
)
へ
頤
(
あご
)
を
突込
(
つッこ
)
んで礼をするのが、何となく、ものの
可哀
(
あわれ
)
が身に染みた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
徳「どゝゝゝ懐に
突込
(
つッこ
)
んじゃいけません、懐に突込んじゃア」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれども何の張合もなかった、客は別に騒ぎもせず、さればって
聞棄
(
ききず
)
てにもせず、
何
(
なん
)
の
機会
(
きっかけ
)
もないのに、小形の銀の懐中時計をぱちりと開けて見て、無雑作に
突込
(
つッこ
)
んで
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と富五郎の
咽喉
(
のど
)
へ
突込
(
つッこ
)
む。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
店の客人が、飲さしの二合
壜
(
びん
)
と、もう一本、棚より
引攫
(
ひっさら
)
って、こいつを、丼へ
突込
(
つッこ
)
んで、しばらくして、
婦人
(
おんな
)
たちのあとを追ってぶらりと出て行くのに、何とも言わねえ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その怨念の胸の処へ手を当てて、ずうと
突込
(
つッこ
)
んだ、思いますと、がばと口が
開
(
あ
)
いて、
拳
(
こぶし
)
が中へ。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
縁側
(
えんがわ
)
へやって来て、お嬢様面白いことをしてお目に
懸
(
か
)
けましょう、
無躾
(
ぶしつけ
)
でござりますが、
私
(
わたし
)
のこの手を
握
(
にぎ
)
って下さりますと、あの蜂の中へ
突込
(
つッこ
)
んで、蜂を
掴
(
つか
)
んで見せましょう。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出家の
言
(
ことば
)
は、
聊
(
いささ
)
か寄附金の
勧化
(
かんげ
)
のように聞えたので、少し気になったが、
煙草
(
たばこ
)
の灰を落そうとして目に
留
(
と
)
まった
火入
(
ひいれ
)
の、いぶりくすぶった色あい、マッチの
燃
(
もえ
)
さしの
突込
(
つッこ
)
み
加減
(
かげん
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「つい
突込
(
つッこ
)
んで置いたもんですから。」と袖の下に、葛木はその名刺入を持っている。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……邪魔だらば、縁の下へ
突込
(
つッこ
)
まりょうで。柱へうしろ手に縛られていながらでも、お孝の顔を見ていたいで、便所の掃除でも何でもするだ。活動写真で見たですが、西洋は
羨
(
うらやま
)
しい。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年倍
(
としばい
)
なる
兀頭
(
はげあたま
)
は、
紐
(
ひも
)
のついた
大
(
おおき
)
な
蝦蟇口
(
がまぐち
)
を
突込
(
つッこ
)
んだ、
布袋腹
(
ほていばら
)
に、
褌
(
ふどし
)
のあからさまな前はだけで、土地で売る雪を切った氷を、
手拭
(
てぬぐい
)
にくるんで
南瓜
(
とうなす
)
かぶりに、
頤
(
あご
)
を締めて、やっぱり
洋傘
(
こうもり
)
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よろしい、と肥った監督が
大
(
おおき
)
な
衣兜
(
かくし
)
へ手を
突込
(
つッこ
)
んで、のみ込んでくれました。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紙に乗せて、
握飯
(
にぎりめし
)
を
突込
(
つッこ
)
んでくれたけれど、それが食べられるもんですか。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
水へ
突込
(
つッこ
)
んでるように、
畝
(
うね
)
ったこの筋までが蒼白く透通って、
各自
(
てんで
)
の顔は、
皆
(
みんな
)
その熟した
真桑瓜
(
まくわうり
)
に目鼻がついたように黄色くなったのを、見合せて、
呼吸
(
いき
)
を詰める、とふわふわと浮いて出て
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と片手を袖へ、二の腕深く
突込
(
つッこ
)
んだ。片手で
狙
(
ねら
)
うように茶碗を
圧
(
おさ
)
えて
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
国民皆
堕落
(
だらく
)
、優柔
淫奔
(
いんぽん
)
になっとるから、夜分なあ、暗い中へ足を
突込
(
つッこ
)
んで見い。あっちからも、こっちからも、ばさばさと
遁出
(
にげだ
)
すわ、二疋ずつの、まるでもって
螇蚸
(
ばった
)
蟷螂
(
かまきり
)
が草の中から飛ぶようじゃ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
持って
上
(
あが
)
って、伝が
家
(
とこ
)
の帳場格子の中へ
突込
(
つッこ
)
んで見せたというぜ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何かないか、と考えて、有る——台所に糖味噌が、こりゃ私に、と云って一々運ぶも面倒だから、と手の着いたのじゃあるが、
桶
(
おけ
)
ごと持って来て、時々爺さんが何かを
突込
(
つッこ
)
んでおいてくれるんでした。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蒲団の下へ
突込
(
つッこ
)
んで置いた、
白鞘
(
しらさや
)
の短刀が転がって出たですが。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
熟
(
じっ
)
と灰吹を見詰めてから、静かに
巻莨
(
まきたばこ
)
を
突込
(
つッこ
)
みながら
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さよう、」と
突込
(
つッこ
)
んで応ずる竜田の声は明快である。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
一際
(
ひときわ
)
首を
突込
(
つッこ
)
みながら
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と吸口をもっと
突込
(
つッこ
)
む。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
爾時
(
そのとき
)
、袂へ
突込
(
つッこ
)
んで
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“突”で始まる語句
突
突然
突立
突出
突飛
突如
突兀
突伏
突張
突嗟