トップ
>
真似
>
まね
ふりがな文庫
“
真似
(
まね
)” の例文
旧字:
眞似
と、
母親
(
ははおや
)
が
教
(
おし
)
えました。するとみんな
一生懸命
(
いっしょうけんめい
)
、グワッ、グワッと
真似
(
まね
)
をして、それから、あたりの
青
(
あお
)
い
大
(
おお
)
きな
葉
(
は
)
を
見廻
(
まわ
)
すのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
作らないでも済む時に詩を作る唯一の弁護は、詩を職業とするからか、又は他人に
真似
(
まね
)
の出来ない詩を作り得るからかの場合に限る。
艇長の遺書と中佐の詩
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
慚愧
(
ざんき
)
の冷汗やら、散々なことでありましたが、それにつけても思うには、男と生まれて、こんな
馬鹿気
(
ばかげ
)
た
真似
(
まね
)
の出来るものではない。
幕末維新懐古談:20 遊芸には縁のなかったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
(頭を前後左右に動かし)首の附け根が少し痛いのは、別段、関係はないか……。いやに、お静かですな。眠つた
真似
(
まね
)
をしてますね。
医術の進歩
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
彼らの残りの
生涯
(
しょうがい
)
は、自己
真似
(
まね
)
をすることのうちに過ぎてゆき、昔生存していたころに言い
為
(
な
)
し考えあるいは愛したところのことを
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
「あっ、怪物どもが、こっちへ向って歩きだした。おれたちを見つけたのかもしれんわい、早く、おれたちは死骸の
真似
(
まね
)
をするんだ」
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「これがわたくしの思いつきでして」、それから子供の集まってるところへ行ってその
真似
(
まね
)
をしてみせると、案外によく
飴
(
あめ
)
が売れた。
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
その怖ろしい躍動を
真似
(
まね
)
るだけの力も、妨げるだけの力もないお雪ちゃんは、歯を食いしばって、眼を閉づるよりほかはありません。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「アイ、目出度いのい」——それが元日村の衆への
挨拶
(
あいさつ
)
で、お倉は胸を突出しながら、その時の父や夫の
鷹揚
(
おうよう
)
な態度を
真似
(
まね
)
て見せた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
つまり頬を
膨
(
ふく
)
らし、唇で山蜂の飛ぶ音を
真似
(
まね
)
、かくて不満の意を表わすという
次第
(
しだい
)
だ。そのうちに、きっとやらずにはいないだろう。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
所歓
(
いろ
)
は
堰
(
せ
)
いて了ふし、
旦那取
(
だんなとり
)
は為ろと云ふ。そんな
不可
(
いや
)
な
真似
(
まね
)
を為なくても、立派に行くやうに私が稼いであるんぢやありませんか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
誰
(
だれ
)
だ
己
(
おれ
)
の
真似
(
まね
)
をするのは。と
云
(
い
)
つて腹を立て、
其男
(
そのをとこ
)
を
引摺
(
ひきず
)
り出して
打
(
ぶ
)
ん
殴
(
なぐ
)
つたところが、
昨日
(
きのふ
)
自分の
連
(
つ
)
れて歩いた
車夫
(
しやふ
)
でございました。
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
妻はしばしば「あなた方は、
従兄弟
(
いとこ
)
同士なら、ときどきは何か言うものよ。唖だって、従兄弟同士なら、手
真似
(
まね
)
で語り合っているわよ」
秋草の顆
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
『外で何を勝手な
真似
(
まね
)
をして居るか
解
(
わか
)
りもしない女房のお
帰宅
(
かへり
)
を
謹
(
つゝし
)
んでお
待申
(
まちまう
)
す亭主じやアないぞ』といふのが銀之助の腹である。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
なに、今の小説を見るのに、ただ思ったことをダラダラと書いて行けばいいらしいのだから、私にだってあの位の
真似
(
まね
)
は出来よう。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
女も今度は素直に盃を受けて、「そうですか、じゃ一つ頂戴しましょう。チョンボリ、ほんの
真似
(
まね
)
だけにしといておくんなさいよ」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
真似
(
まね
)
る事のできぬ隠れたる遺伝のあることを信ずるがために、初めてこの国の永続ということが、何よりも大事な問題となるのである。
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
が、これがもしスパイの余得であったなら同志を欺くためにもこういう不当所得の
看
(
み
)
え
透
(
す
)
かされるような
真似
(
まね
)
は決して
做
(
し
)
なかったろう。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「何だ、つまらねえ
真似
(
まね
)
を……、鈴虫なら
啼
(
な
)
きもするが、目明しなんざあ可愛らしくもねえ。いッそ川の中へ蹴転がしてしまいなせえ」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
他の文芸を知らず、ただ俳句のみを知って、それで他の文芸の長所とする所をも
真似
(
まね
)
て見ようとするのは
愚
(
おろか
)
なことではあるまいか。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「わしの家はな、下司の貧乏人とは格が違うんだからな、ふだん子供を外へおっぽり出して遊ばせるような
真似
(
まね
)
はできないんだよ」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
子供らは旗をこしらえて戦争の
真似
(
まね
)
をした。けれどがいして田舎は平和で、夜はいつものごとく
竹藪
(
たけやぶ
)
の外に
藁屋
(
わらや
)
の
灯
(
あかり
)
の光がもれた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「痛えッ!」「痛かったら死ね、死んだ
真似
(
まね
)
でもしろ」「何にいッ」と
捕手
(
とりて
)
が机の上に跳ねあがって大河内を追っかけはじめた。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
「こっちで言いたい言葉じゃ、貴公、山県狂介のところで、
下男
(
げなん
)
のような
居候
(
いそうろう
)
のような
真似
(
まね
)
をしておるとかいう話じゃが、まだいるのか」
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「軽業の一座で、その赤い髪の中に銀色の角を植え、裸体になって、鬼の
真似
(
まね
)
をして居た
其方
(
そなた
)
を、引取ってやったのは誰の恩だ」
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
外人が鋭意して
真似
(
まね
)
んともがく
所以
(
ゆえん
)
のものを、われにありては
浪
(
みだ
)
りに滅却し去りて悔ゆるなからんとするは、そもそも何の意ぞ。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
もう後へは
退
(
ひ
)
かれぬようになって、未練なわしの心にもどうぞ死ぬ覚悟がつこうかと、それを
恃
(
たの
)
みにあんな
真似
(
まね
)
をしてみたのだ。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
そうすると、あすこが
安藤阪
(
あんどうざか
)
で、
樹
(
き
)
の茂ったところが牛天神になるわけだな。おれもあの時分には随分したい放題な
真似
(
まね
)
をしたもんだな。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
幸子は自分には
真似
(
まね
)
も出来ないが、こう云う癖を取るのが上手な妙子に聞かせたらと思うと、ひとり
可笑
(
おか
)
しくてたまらなかった。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
西洋人には
真似
(
まね
)
の出来ない一種の技術を持っている。西洋料理を食べる時にもフークで物を
挿
(
さ
)
すより箸で挟んだ方がよほど楽だ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
しかし
近頃
(
ちかごろ
)
ではもうそんな
拙
(
へた
)
な
真似
(
まね
)
はいたしません。
天狗
(
てんぐ
)
がどんな
立派
(
りっぱ
)
な
姿
(
すがた
)
に
化
(
ば
)
けていても、すぐその
正体
(
しょうたい
)
を
看破
(
かんぱ
)
して
了
(
しま
)
います。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼は絶えずその
真似
(
まね
)
だけはやって来た。しかし、彼の母が頭の中に浮び上るとまたその次の日も朝からズボンに足を突き込んで歩いていた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「お前が
倉知
(
くらち
)
さんへ往っていると云うから、ついでに
挨拶
(
あいさつ
)
して来ようと思って、あがらずに来た、
何故
(
なぜ
)
そんな、つまらない
真似
(
まね
)
をするのだ」
白っぽい洋服
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
外国の下手な探偵作家があきあきするほどくり返し、そうして日本の探偵作家が
真似
(
まね
)
をしはじめたトリックだ。だが、手数はかかっている。
五階の窓:05 合作の五
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それで問題は全く最初に返って、天然の雪の結晶の出来る通りに
真似
(
まね
)
をすれば良いという極めて平凡な結論に達したのである。
雪を作る話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
あのヨハネ伝の
弟子
(
でし
)
の足を洗ってやる仕草を
真似
(
まね
)
していやがる、げえっ、というような誤解を招くおそれなしとしないので一言弁明するが
美男子と煙草
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
『俺はかうして彼らと肩を並べるために、伸び上り/\警句めいた事を云つてゐるが、そんな
真似
(
まね
)
をして何の役に立つのだ。』
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
勿論、私はソクラテスの
真似
(
まね
)
をするという
訳
(
わけ
)
ではないが、書斎には常にこのソクラテスと、リンコルンのバストを飾っておく。
ソクラテス
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そうして私は汗だくになって、決勝点に近づくときの選手の
真似
(
まね
)
をして、死にものぐるいの
恰好
(
かっこう
)
で、ペダルを踏みながら、村に帰ってきた。
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
紫の君も同じように見に立ってから、雛人形の中の源氏の君をきれいに装束させて
真似
(
まね
)
の参内をさせたりしているのであった。
源氏物語:07 紅葉賀
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「およしなさい、みつともない! 第一この私に、そんな
真似
(
まね
)
ができると思つて?『女性解放』青年同盟の執行委員の私に!」
わが心の女
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「さあ、投げ。」と云いながら十人の黒いばけものがみな
真似
(
まね
)
をして投げました。バラバラバラバラ真珠の雨は見物の頭に落ちて来ました。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
父はわたしの教育のことには、ほとんど
風馬牛
(
ふうばぎゅう
)
だったが、さりとてわたしを
馬鹿
(
ばか
)
にするような
真似
(
まね
)
は、ついぞしたことがない。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
要するに初めからきちんとした箱詰めの様な生活を
真似
(
まね
)
るよりも、境遇に適応した活動をしてそこに規則のある生活を造ることが必要である。
青年の元気で奮闘する我輩の一日
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
先生はいきなり私たちの
真似
(
まね
)
をしてシャツを脱ぎ
棄
(
す
)
て、上半身裸になつてもう一度酒を飲みました。先生のその格好は古い壁画のやうでした。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
お
前様
(
めえさま
)
もの、
祖父殿
(
おんぢいどん
)
の
真似
(
まね
)
をするだ、で、
私
(
わし
)
が
自由
(
じいう
)
には
成
(
な
)
んねえだ。
間違
(
まちが
)
へて
先生
(
せんせい
)
だ、
師匠
(
ししやう
)
だ
言
(
い
)
はつしやるなら、
祖父殿
(
おんぢいどん
)
を
然
(
さ
)
う
呼
(
よ
)
ばらつせえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
仰向
(
あおむい
)
て
瞻
(
み
)
る
蒼空
(
あおぞら
)
には、
余残
(
なごり
)
の色も何時しか消え
失
(
う
)
せて、今は一面の青海原、星さえ
所斑
(
ところまだら
)
に
燦
(
きらめ
)
き
出
(
い
)
でて
殆
(
と
)
んと
交睫
(
まばたき
)
をするような
真似
(
まね
)
をしている。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「どうも困るな、こんな
取着
(
とりつ
)
き
身上
(
しんしょう
)
で、そんな
贅沢
(
ぜいたく
)
な
真似
(
まね
)
なんかされちゃ……。何だか知んねえが、その
引物
(
ひきもの
)
とかいう物を
廃
(
よ
)
そうじゃねえか。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
……それを今
流行
(
はや
)
りの露助の
真似
(
まね
)
をして、飛んでもないことをケシかけるものがあるとしたら、それこそ、取りも直さず日本帝国を売るものだ。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「ハハハ、じたばたするない。
手前
(
てまい
)
は
鷲
(
わし
)
でもまだ羽の生えそろはない子供だ。そんな大それた
真似
(
まね
)
をするのは、早いぞ!」
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
似
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“真似”で始まる語句
真似事
真似手
真似方
真似人
真似出
真似声
真似詠