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根気
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こんき
ふりがな文庫
“
根気
(
こんき
)” の例文
旧字:
根氣
籠城戦は
根気
(
こんき
)
だ、また、食糧その他一切は自給自足だ。日常、家庭での御内助をここ一城に集めて、あんた達のお力にまつ任務も多い。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは手間のかかる仕事であったが、少年は
根気
(
こんき
)
よく土の壁に足場を一段ずつ掘っていって、やがて穴のそとに出ることができた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もう海上を長いあいだ
漂流
(
ひょうりゅう
)
し、
暴風雨
(
ぼうふうう
)
と戦って
根気
(
こんき
)
もつきはてた少年どもは、いま眼前に陸地を見ると、もういても立ってもいられない。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
それには、すこしでもたくさん
持
(
も
)
ってゆくほうがもうかりますから、
男
(
おとこ
)
は、
根気
(
こんき
)
よく
寂
(
さび
)
しい
北国
(
ほっこく
)
の
町々
(
まちまち
)
を
歩
(
ある
)
いていました。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
子供にも
根気
(
こんき
)
よく話したら確かに
得心
(
とくしん
)
のゆくべき性質のものゆえ、今日のところではまず誤りを含むことのもっとも少ないものと認めねばならぬ。
我らの哲学
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
▼ もっと見る
でも、キツネ先生は、いつまでも
根気
(
こんき
)
よくやっています。まったく、これはどこからみても、りっぱな
狩人
(
かりうど
)
です。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
肉は食べやすいように小さく
挘
(
むし
)
り魚は小骨一つ残さず取り去り、御飯やお湯は必ず自分の舌で味わってみて、熱すぎれば
根気
(
こんき
)
よくさましてからくれるのだった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
根気
(
こんき
)
が無いからいけません、むかし加賀の千代女が、はじめてお師匠さんのところへ俳句を教わりに行った時、まず、ほととぎすという題で作って見よと言われ
千代女
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
にんじんは、
根気
(
こんき
)
よく、ハンケチの
表側
(
おもてがわ
)
へかみ出す。間違って裏側へやると、そこをなんとかごまかす。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
で、宿の主人は布団のいわれを
探
(
さが
)
し出すために、
根気
(
こんき
)
よくそれからそれへとたずねて行きました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
も早読む
根気
(
こんき
)
はなく、手っ取り早く英語のルブランを集めたのであるが、新聞紙法違反で入獄する友人のために、その全部を寄贈してしまって、その後どうなったかわからない。
随筆銭形平次:12 銭形平次以前
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
すると
南町
(
みなみちょう
)
へ行って、
留守
(
るす
)
だと云うから本郷通りの古本屋を
根気
(
こんき
)
よく一軒一軒まわって歩いて、横文字の本を二三冊買って、それから南町へ行くつもりで三丁目から電車に乗った。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三人は約三十分
許
(
ばかり
)
根気
(
こんき
)
に働いた。仕舞にはさすがの与次郎もあまり
焦
(
せ
)
つ付かなくなつた。見ると書
棚
(
だな
)
の方を向いて
胡坐
(
あぐら
)
をかいて
黙
(
だま
)
つてゐる。美禰子は三四郎の
肩
(
かた
)
を
一寸
(
ちよつと
)
突
(
つ
)
つ
付
(
つ
)
いた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はまた、
二人
(
ふたり
)
の子供の性質の相違をも考えるようになった。正直で、
根気
(
こんき
)
よくて、目をパチクリさせるような癖のあるところまで、なんとなく太郎は義理ある
祖父
(
おじい
)
さんに似てきた。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
良人
(
おっと
)
までを道具につかったり、木部の尊信する牧師を方便にしたりして、あらん限りの知力をしぼった懐柔策も、なんのかいもなく、冷静な思慮深い作戦計画を
根気
(
こんき
)
よく続ければ続けるほど
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
それは空中を
鍵形
(
かぎがた
)
に区切り、
刃
(
やいば
)
型に刺し、その区切りの中間から
見透
(
みとお
)
す空の色を一種の
魔性
(
ましょう
)
に見せながら、その性全体に
於
(
おい
)
ては
茫漠
(
ぼうばく
)
とした虚無を示して十年の
変遷
(
へんせん
)
のうちに
根気
(
こんき
)
よく立っている。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
狂気の真似をし通したお高の
根気
(
こんき
)
、役者も下座も粒の揃った
納涼狂言
(
すずみきょうげん
)
、十両からは笠の台が飛ぶと言われたその当時、九カ月あまりに五百両は、もし
最終
(
どんじり
)
まで漕ぎつけえたら、瘠浪人の書き下し
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
親愛な人々を見暮らす
根気
(
こんき
)
が尽きて、限りなく懐しみ乍ら
訣別
(
けつべつ
)
を急ごうとする広々とした
傷心
(
しょうしん
)
を抱き、それを
慈
(
いつく
)
しんで汽車に乗った。知る友のない海浜の村落へ来て、海を眺めた時、ほっとした。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
僅
(
わず
)
かな食物を見つける以外に、何一つ身を労することもなく、ただ一心に風と
潮合
(
しおあ
)
いとの便宜を観察して、時節の到来を
狙
(
ねら
)
っていたという
根気
(
こんき
)
のよさは、おそらくは東洋の
魯敏孫
(
ロビンソン
)
の特性であって
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何時
(
いつ
)
か男の眼が覚めるだらうつて思ふ一方、その女との
根気
(
こんき
)
くらべみたいな形にもなつたんだわ。で、たうとう、あたしが負けるには負けたけれど、三年間の辛抱は、褒めてもらつてもいゝわ……。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
(
根気
(
こんき
)
のいいことだ。こちらも根気よくやらなければ。
持久戦
(
じきゅうせん
)
だぞ)
月と手袋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
丘田医師は、今もさる病院の一室で、
根気
(
こんき
)
のよい治療を続けているという。
流石
(
さすが
)
は医師である彼のことだと、医局では感心しているそうだ。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
野原
(
のはら
)
も、
村
(
むら
)
も、
山
(
やま
)
も、もう
雪
(
ゆき
)
で
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
でありました。おじいさんは、
毎晩
(
まいばん
)
根気
(
こんき
)
よく
仕事
(
しごと
)
をつづけていたのであります。
こまどりと酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ところがその運動をいつまで
根気
(
こんき
)
にやったものか覚えていない。いとど疲れている上に、なお手足を疲らして、いかな南京虫でも
応
(
こた
)
えないほど疲れ切ったんで、始めて寝たもんだろう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
滝川
(
たきがわ
)
攻めにかかった
秀吉
(
ひでよし
)
は、あの
無類
(
むるい
)
な
根気
(
こんき
)
と、熱と、
智謀
(
ちぼう
)
をめぐらして、またたくうちに、
亀山城
(
かめやまじょう
)
をおとし、
国府
(
こう
)
の城をぬき、さらに敵の野陣や海べの軍船を
焼
(
や
)
きたてて、
一益
(
かずます
)
の本城
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かういふ時には、
根気
(
こんき
)
が大事だ。みんな根気くらべだ。
雅俗貧困譜
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
晩方
(
ばんがた
)
まで、
根気
(
こんき
)
よくかえるらは
鳴
(
な
)
いていました。すると、いままで
見
(
み
)
えなかった
雲
(
くも
)
の
影
(
かげ
)
が
空
(
そら
)
に
動
(
うご
)
きはじめました。
長ぐつの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なぐっても、叩いても、蹴っても、どう締めつけてもなお動いている生きものと闘っているような
根気
(
こんき
)
負けが、ともすると却って寄手の方に生じて——それは
著
(
いちじる
)
しく士気を
沮喪
(
そそう
)
せしめることがある。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それなら
安心
(
あんしん
)
だ。
金色
(
こんじき
)
の
魚
(
うお
)
は、
俺
(
おれ
)
が
釣
(
つ
)
らなけりゃならぬ。」と、
一人
(
ひとり
)
はいって、
自分
(
じぶん
)
がその千
両
(
りょう
)
の
金
(
かね
)
をもらう
覚悟
(
かくご
)
で、
根気
(
こんき
)
よく
糸
(
いと
)
を
垂
(
た
)
れているのであります。
金の魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
で、これはどこまで、
押
(
お
)
し
根気
(
こんき
)
の
懸合
(
かけあ
)
いだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人
(
ひと
)
たちの
中
(
なか
)
では、
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まって
見
(
み
)
てゆくものもあれば、
知
(
し
)
らぬ
顔
(
かお
)
をして、さっさといってしまうものもありました。しかし、おじいさんは、
根気
(
こんき
)
よく
同
(
おな
)
じことをいっていました。
千代紙の春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
道
(
みち
)
ばたでは、あいかわらず、みみずが、ジーイ、ジーイ、と
唄
(
うた
)
をうたい、
田
(
た
)
の
中
(
なか
)
では、かえるが、
根気
(
こんき
)
よく、お
日
(
ひ
)
さまを
見上
(
みあ
)
げながら、コロ、コロ、といって
鳴
(
な
)
いていたのでした。
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「はやく、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れてしまえ!」と、
腹立
(
はらだ
)
ちまぎれに、いったものもあります。すずめを
捕
(
と
)
っている
男
(
おとこ
)
は、これで
生活
(
せいかつ
)
をするのか、
根気
(
こんき
)
よく、いつまでも
仕事
(
しごと
)
をつづけていました。
すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あんなに
幸福
(
こうふく
)
のにじがかかった。またそれだけ
下界
(
げかい
)
の
滅
(
ほろ
)
びるのが
長引
(
ながび
)
くわけだ。よし、
妹
(
いもうと
)
がそういうようにみんなを
守
(
まも
)
る
気
(
き
)
なら、わたしはいっそう
根気
(
こんき
)
よくみんなをのろってやろう。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かすかにうなり
声
(
ごえ
)
をたて、
波
(
なみ
)
があちらへ
引
(
ひ
)
いたかと
思
(
おも
)
うと、つぎには、もっと
大
(
おお
)
きな
怒
(
いか
)
り
声
(
ごえ
)
に
変
(
か
)
わって、
勢
(
いきお
)
いよく
襲
(
おそ
)
ってきたのです。しかも、
同
(
おな
)
じことを
根気
(
こんき
)
よくくりかえしていました。
北の少女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、こうして
根気
(
こんき
)
よく
歩
(
ある
)
いても、あまり
買
(
か
)
う
人
(
ひと
)
がないだろうと、
村
(
むら
)
の
人々
(
ひとびと
)
がいったことを
太郎
(
たろう
)
は
胸
(
むね
)
に
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して、なんとなく、その
薬売
(
くすりう
)
りが
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なような
感
(
かん
)
じがしたのでありました。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おじいさんは、
小
(
ちい
)
さな
町
(
まち
)
の
方
(
ほう
)
から
倦
(
う
)
まずに
根気
(
こんき
)
よくやってきたのです。
からすの唄うたい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど、
男
(
おとこ
)
は
根気
(
こんき
)
よく、
日盛
(
ひざか
)
りをかさをかぶって、
黄色
(
きいろ
)
な
袋
(
ふくろ
)
を
下
(
さ
)
げて
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おまえさんは、そんなことを
人
(
ひと
)
にきくのはむりというもんだ。
考
(
かんが
)
えてみるがいい。だれも
目
(
め
)
にみえないところにすんでいるものを、
釣
(
つ
)
れるとか、
釣
(
つ
)
れないとかいうことはできない。
根気
(
こんき
)
ひとつだ。
北の国のはなし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“根気”の意味
《名詞》
根気(こんき)
物事を諦めずに行い続ける気力。
(出典:Wiktionary)
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“根気”で始まる語句
根気強
根気競
根気負