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昨日
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さくじつ
ふりがな文庫
“
昨日
(
さくじつ
)” の例文
上松を過れば、一
度
(
たび
)
遠く離れし木曾川は再び來りて路傍を洗ひ、激湍の
水珠
(
すゐしゆ
)
を飛ばし、奇岩の水中に
横
(
よこたは
)
れる、更に
昨日
(
さくじつ
)
に倍せるを覺ゆ。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
ともかくも葬式は
昨日
(
さくじつ
)
で済みましたから、これから何とかして当夜の間違いの起った筋道を詮議いたしたいと存じて居るのでございます。
勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『丑松の奴がいろ/\御世話様に成りますさうで——
昨日
(
さくじつ
)
はまた御出下すつたさうでしたが、
生憎
(
あいにく
)
と留守にいたしやして。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
なす治助なるか
御意
(
ぎよい
)
に御座りますと答るにコレ此請取に覺えあるかと尋ねければ治助は是を見て此請取は
昨日
(
さくじつ
)
廣小路
(
ひろこうぢ
)
の店にて
商
(
あきな
)
ひを致し
手付
(
てつけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして、
昨日
(
さくじつ
)
の
話
(
はなし
)
をして、おじいさんのいわれた
女
(
おんな
)
は、この
女
(
おんな
)
でなかったかとたずねました。おじいさんは
考
(
かんが
)
えていたが
幸福の鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
既に
今日
(
こんにち
)
及び
昨日
(
さくじつ
)
の公衆にして
斯
(
か
)
くの如くんば、
明日
(
みやうにち
)
の公衆の批判と
雖
(
いへど
)
も
亦
(
また
)
推して知るべきものがありはしないだらうか。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「さて残暑お熱い事でございます、又
昨日
(
さくじつ
)
は
上
(
あが
)
りまして御無理を願ったところ、早速にお
聞済
(
きゝず
)
み下され有がとう存じます」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
言
(
い
)
ふまでの
事
(
こと
)
ではあるまい。
昨日
(
さくじつ
)
……
大正
(
たいしやう
)
十二
年
(
ねん
)
九
月
(
ぐわつ
)
一
日
(
じつ
)
午前
(
ごぜん
)
十一
時
(
じ
)
五十八
分
(
ふん
)
に
起
(
おこ
)
つた
大地震
(
おほぢしん
)
このかた、
誰
(
たれ
)
も
一睡
(
いつすゐ
)
もしたものはないのであるから。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昨日
(
さくじつ
)
父より帰国しろという手紙を受取り候う時は、とっさにはぼんやり
致
(
いた
)
し
居
(
お
)
り
候
(
そうら
)
いしかど、ようやくにして悲しさ申しわけなさに泣き申し候う。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
白氏
(
はくし
)
が
晴天
(
せいてん
)
の雨の
洒落
(
しやれ
)
ほどにはなく
候
(
そろ
)
へども
昨日
(
さくじつ
)
差上
(
さしあ
)
げ
候
(
そろ
)
端書
(
はがき
)
十五
枚
(
まい
)
もより風の
枯木
(
こぼく
)
の吹けば飛びさうなるもののみ、
何等
(
なんら
)
風情
(
ふぜい
)
をなすべくも
候
(
そろ
)
はず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
『
怎
(
ど
)
う致しまして。
昨日
(
さくじつ
)
は
態々
(
わざわざ
)
お立寄下すつた相ですが、
生憎
(
あいにく
)
と芋田の急病人へ行つてゐたものですから失礼致しました。今度町へ
被来
(
いらしつ
)
たら是非
何卒
(
どうか
)
。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
昨日
(
さくじつ
)
は、あまり
口惜
(
くや
)
しゅうございましたから、
睡
(
ねむ
)
らず
工夫
(
くふう
)
しました、今日はそう負けはいたしません」
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
昨日
(
さくじつ
)
、旦さんがドツサリ焙じとくなはつたばツかりやおまへんか。」と、お駒は不審氣な顏をした。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其
(
それ
)
には
別
(
べつ
)
に
理由
(
りいう
)
も
何
(
なに
)
も無い、
究竟
(
つまり
)
学校が違つて
了
(
しま
)
つた所から、お
互
(
たがひ
)
に
今日
(
こんにち
)
あつて
昨日
(
さくじつ
)
も
明日
(
みやうにち
)
も無い
子供心
(
こどもごゝろ
)
に、
漠然
(
ぼうつ
)
と
忘
(
わす
)
れて
了
(
しま
)
つたのです、すると、
私
(
わたし
)
が二
級
(
きふ
)
に
成
(
な
)
つた
時
(
とき
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ここは、左大臣
藤原道世
(
ふじわらのみちよ
)
様のお
邸
(
やしき
)
でございます。実は、
昨日
(
さくじつ
)
道世様が、
鞍馬
(
くらま
)
のお寺へ
御参詣
(
ごさんけい
)
の途中、お車を引く牛が、
暴
(
あば
)
れ出して、あなたにそんな
大傷
(
おおきず
)
を負わせたのでした。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
昨年のクリスマスにも機械の破損せし懐中時計を子供の
玩弄物
(
おもちや
)
に致すやうにと贈り遣りしことあるものなるに、
昨日
(
さくじつ
)
門口にて出逢ひし時、
可笑
(
をか
)
しさを
耐
(
こら
)
へ居る如き顔付きを致し候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
一
昨日
(
さくじつ
)
も、やった。昨日もやった。今日もやった。だから、明日も、やるであろう。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かかる
饗応
(
きょうおう
)
の前で
妄
(
みだ
)
りに食うものでないと言い聞かされ、
男
(
だん
)
は
定
(
さだ
)
めし岩倉公の
御不興
(
ごふきょう
)
を受けたであろうと思いしが、翌日にいたり
公
(
こう
)
より
昨日
(
さくじつ
)
来た青年は菓子が
嗜
(
すき
)
だと見えるというて
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
私達が
昨日
(
さくじつ
)
見て来た地獄は旧火山である西雲仙中央火山丘の一つが、その後絶えず
繰返
(
くりかえ
)
された爆発のため
山形
(
さんけい
)
を失い、現在の地獄盆地を現出したものに
外
(
ほか
)
ならないと、地質学者は説く。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
「
昨日
(
さくじつ
)
はわざ/\お使をお立て下さいまして、有難くお礼を申上げます。就いてはその節お貸し下さいました二
品
(
しな
)
のうち、紐育の地図は暫く拝借させて戴きますが、ベデカアの方は……」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
罪の罪たるを知らざるより大なる罪はなし、とはカーライルに聞くところなり、
昨日
(
さくじつ
)
の非を知りて
明日
(
みやうにち
)
の
是
(
ぜ
)
を期するは、信仰に入るの
要緘
(
えうしん
)
にして、罪人の必らず自殺すべしとせざるは之をもてなり。
山庵雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
翌朝五百は貞固を
訪
(
と
)
うて懇談した。大要はこうである。
昨日
(
さくじつ
)
の
仰
(
おおせ
)
は尤至極である。自分は同意せずにはいられない。これまでの
行掛
(
ゆきがか
)
りを思えば、優善にこの上どうして罪を
贖
(
あがな
)
わせようという道はない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
何
(
ど
)
うぞ宜しく、先生には
昨日
(
さくじつ
)
……」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昨日
(
さくじつ
)
は紅楼に
爛酔
(
らんすい
)
するの人
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
昨日
(
さくじつ
)
は」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
というので台所を捜すと醤油樽がある、丁度
昨日
(
さくじつ
)
取ったばかりの重いやつを
提
(
さ
)
げて来て裾の方に載せ、沢庵石と石の七輪を
掻巻
(
かいまき
)
の袖に載せると
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
閣下の
怠慢
(
たいまん
)
は、私たち夫妻の上に、最後の不幸を
齎
(
もたら
)
しました。私の妻は、
昨日
(
さくじつ
)
突然失踪したぎり、
未
(
いまだ
)
にどうなったかわかりません。私は危みます。
二つの手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
便
(
たよ
)
りて參り候はゞ
竄
(
かくま
)
ひもいたすべけれども未だ
手前
(
てまへ
)
へは參り申さず主税之助方よりは
昨日
(
さくじつ
)
尋ね參り候間右の
旨
(
むね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
早速でございますが、こちらの娘のお蝶どのの身の上について、
昨日
(
さくじつ
)
もほかの御女中がまいって詳しいお話を
半七捕物帳:07 奥女中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『マア、貴方で御座いましたか!
昨日
(
さくじつ
)
は失礼致しました。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
昨日
(
さくじつ
)
は舟の中で御一緒に成ました時に、何とか御挨拶を
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
昨日
(
さくじつ
)
は見舞がてらに本宅の
御母様
(
おんははさま
)
参
(
まゐ
)
られ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
昨日
(
さくじつ
)
は図らざる事で段々御厄介に成りました、あれから万年町へ参ると重三も来合せて、段々話も尽きないゆえ、重三は親父が案じるから帰ると云ったが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
保吉
(
やすきち
)
は三十になったばかりである。その上あらゆる売文業者のように、目まぐるしい生活を営んでいる。だから「
明日
(
みょうにち
)
」は考えても「
昨日
(
さくじつ
)
」は
滅多
(
めった
)
に考えない。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
昨日
(
さくじつ
)
といい、
今日
(
こんにち
)
といい、御役の方々、御苦労に存じます。大かた斯うであろうと察しまして、
今朝
(
こんちょう
)
は読経して、皆さま方のお出でをお待ち申して居りました」
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
竊
(
ひそか
)
に話し
私
(
わたく
)
しにも
昨日
(
さくじつ
)
一
服
(
ぷく
)
遣
(
つかは
)
して
貴君樣
(
あなたさま
)
の食事に入れて
呉
(
くれ
)
よと
頼
(
たの
)
み候と彼藥を見せければ
又
(
また
)
七
委細
(
ゐさい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
四、彼は
昨日
(
さくじつ
)
「
小咄
(
こばなし
)
文学」を罵り、
今日
(
こんにち
)
恬然
(
てんぜん
)
として「コント文学」を作る。
宜
(
うべ
)
なるかな。彼の健康なるや。
病牀雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お
目出度
(
めでた
)
うございます。乙「はい、お
目出度
(
めでた
)
うございます。甲「
昨日
(
さくじつ
)
は
御年頭𢌞
(
ごねんとうまは
)
りでございましたか。 ...
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
武「
昨日
(
さくじつ
)
は色々お世話に……
今日
(
こんにち
)
は早くから出ようと思ったが少々余儀ない事で友達に逢って
暇乞
(
いとまご
)
いなどをして居たんで少々時刻が遅れてお待たせ申して済みません」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
なん
)
だ、これは? ……『
昨日
(
さくじつ
)
のことは夫の罪にては
無之
(
これなく
)
、皆浅はかなるわたくしの心より起りしこと故、何とぞ
不悪
(
あしからず
)
御ゆるし下され
度
(
たく
)
候
(
そうろう
)
。……なおまた
御志
(
おこころざし
)
のほどは
後
(
のち
)
のちまでも忘れまじく』
三つの窓
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
多「炭屋善右衞門の所から
参
(
めえ
)
りやしたが、此のお屋敷の御家来に鎌の一
昨日
(
さくじつ
)
という人がありやすか」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文「
然
(
しか
)
らばそれで御承知の上からは友之助が
昨日
(
さくじつ
)
持参致した百金は速かにお返しがありましょうな」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
はア
一昨日
(
いっさくじつ
)
は余程お悪いようでございましたが、
昨日
(
さくじつ
)
よりいたして段々御快気に
赴
(
おもむ
)
き、
今朝
(
こんちょう
)
などはお
粥
(
かゆ
)
を三椀程召上りました、其の上お力になる魚類を召上りましたが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨日
(
さくじつ
)
火事見舞ながら講釈師の
放牛舎桃林
(
ほうぎゅうしゃとうりん
)
子
(
し
)
の宅へ参りました処
同子
(
どうし
)
の宅は
焼残
(
やけのこ
)
りまして誠に
僥倖
(
しあわせ
)
だと云って悦んで居りましたが、桃林の
家
(
うち
)
に町奉行の調べの本が有りまして
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“昨日”の意味
《名詞》
昨日(きのう(熟字訓)、さくじつ)
今日より一日前の日。
(きのう)ごく近い過去。
(出典:Wiktionary)
“昨日”の解説
昨日
(出典:Wikipedia)
昨
常用漢字
小4
部首:⽇
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“昨日”で始まる語句
昨日今日
昨日等
昨日迄
昨日少年今白頭