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へいゆ
ふりがな文庫
“
平癒
(
へいゆ
)” の例文
佐吉の傷は間もなく
平癒
(
へいゆ
)
し、お駒と与次郎は、相変らず忠実に勤めておりますが、それからは、別に変ったこともありません。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
国の臣等と
倶
(
とも
)
に深い哀愁を
懐
(
いだ
)
き、諸共に発願して、三宝に祈念し、一
躯
(
く
)
の釈迦如来の像——太子と等身なるを作り、その
功徳
(
くどく
)
を以て、御病
平癒
(
へいゆ
)
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
手紙の奥には老母の信心する
日吉
(
ひよし
)
さまとかの御洗米が、一ト袋
捲
(
ま
)
き込まれてあった。老母は夜の白々あけにそこへ毎日毎日孫の
平癒
(
へいゆ
)
を祈りに行った。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
聞夫婦は
増々
(
ます/\
)
悦
(
よろこ
)
び
心靜
(
こゝろしづ
)
かに
逗留
(
とうりう
)
いたしける
中
(
うち
)
早くも十日程立疵口も
稍
(
やゝ
)
平癒
(
へいゆ
)
して身體も大丈夫に
成
(
なり
)
ければ最早江戸表へ出立せんと申に亭主八五郎は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その様あたかも
庸医
(
ようい
)
が病を誤診して、初め普通薬を用いて無効なりしや更に劇薬を病者に服せしめし如く、病は
平癒
(
へいゆ
)
せざるのみか益々重る一方であった。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
「お延、これは陰陽不和になった時、一番よく
利
(
き
)
く薬だよ。たいていの場合には一服呑むとすぐ
平癒
(
へいゆ
)
する妙薬だ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして現代においてこの二国民がようやくその病根から
平癒
(
へいゆ
)
し初めたのは一七八九年(訳者注 フランス大革命)の勇健なる衛生法のお陰によってである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼
(
かれ
)
は
悲慘
(
みじめ
)
な
自分
(
じぶん
)
を
自分
(
じぶん
)
が
苛
(
いぢ
)
めてやるやうな
心持
(
こゝろもち
)
を一
方
(
ぱう
)
には
有
(
も
)
つた。一
方
(
ぱう
)
には
又
(
また
)
無智
(
むち
)
な
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
が
能
(
よ
)
くするやうに
彼
(
かれ
)
は
持病
(
ぢびやう
)
の
平癒
(
へいゆ
)
を
佛
(
ほとけ
)
に
祈
(
いの
)
つたのでもあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
病気ようやく
平癒
(
へいゆ
)
で三日ばかりは非常に苦しみましたが、ドクトルが余程骨を折ってくれたものか三日ばかり経つと大分手足に感覚のある事を覚えて来た。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
それは領内の
窮民
(
きゅうみん
)
または
鰥寡
(
かんか
)
孤独の者で、その身がなにかの
痼疾
(
こしつ
)
あるひは
異病
(
いびょう
)
にかゝつて、容易に
平癒
(
へいゆ
)
の見込みの立たないものは、
一々
(
いちいち
)
申出ろといふのであつた。
梟娘の話
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さて重二郎は母の眼病
平癒
(
へいゆ
)
のために、暇さえあれば茅場町の
薬師
(
やくし
)
へ
参詣
(
さんけい
)
を致し、
平常
(
ふだん
)
は細腕ながら
人力車
(
じんりき
)
を
挽
(
ひ
)
き、一生懸命に稼ぎ、
僅
(
わず
)
かな
銭
(
ぜに
)
を取って帰りますが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
公爵のシャトーの中のかび臭い陰気な
雰囲気
(
ふんいき
)
を描くためにいろいろな道具が使われているうちに、姫君の
伯母
(
おば
)
三人のオールドミスが姫君の病気
平癒
(
へいゆ
)
を祈る場面がある。
音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
斯
(
こ
)
う
言
(
い
)
った
御礼
(
おれい
)
詣
(
まい
)
りに
亜
(
つ
)
いで
多
(
おお
)
いのは
病気
(
びょうき
)
平癒
(
へいゆ
)
の
祈願
(
きがん
)
、
就中
(
なかんずく
)
小供
(
こども
)
の
病気
(
びょうき
)
平癒
(
へいゆ
)
の
祈願
(
きがん
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
十日、
庚戌
(
かのえいぬ
)
、将軍家御疱瘡、
頗
(
すこぶ
)
る心神を悩ましめ給ふ、
之
(
これ
)
に依つて近国の
御家人等
(
ごけにんら
)
群参
(
ぐんさん
)
す。廿九日、
己巳
(
つちのとみ
)
、雨降る、将軍家御
平癒
(
へいゆ
)
の間、御
沐浴
(
もくよく
)
有り。(
吾妻鏡
(
あずまかがみ
)
。以下同断)
鉄面皮
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
この本尊である
薬師如来
(
やくしにょらい
)
は、そもそも
光明
(
こうみょう
)
皇后眼病
平癒
(
へいゆ
)
祈願のためにと、ここの尼僧は説明してくれたと記憶するが、それで特に眼が大きく鋭く作られてあるのかと思う。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
乏しい
小遣銭
(
こづかいせん
)
をはたいて、医者にもみて貰った。色々の医学の書物を買込んで、自己療法もやって見た。
或
(
あるい
)
は神仏を念じて、大好物の
餅
(
もち
)
を
断
(
た
)
って病気
平癒
(
へいゆ
)
の祈願をさえした。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
平癒
(
へいゆ
)
を待って一たび東に帰り、母にあい、浪子を
訪
(
と
)
うて心を語り、再び
彼女
(
かれ
)
を迎えんか。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
糧米を分け
薬湯
(
やくとう
)
を与え城中の武士を引卒して自分から親しく
罹災者
(
りさいしゃ
)
を見舞い、神社仏閣へ使者を遣わし
加持
(
かじ
)
や
祈祷
(
きとう
)
を行わせ、ひたすら病魔の退散と罹病者の
平癒
(
へいゆ
)
を願うのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
十五年二月廿二日御当家
御攻口
(
おんせめくち
)
にて、御幟を一番に入れ候時、銃丸左の
股
(
もも
)
に
中
(
あた
)
り、ようよう引き取り候。その時某四十五歳に候。
手創
(
てきず
)
平癒
(
へいゆ
)
候て後、某は十六年に
江戸詰
(
えどづめ
)
仰つけられ
候
(
そろ
)
。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
あるいは何がしの神を信ずれば病気
平癒
(
へいゆ
)
疑なしといはるるもあり、あるいはこの病に利く奇体の灸点あり幸にその灸師只今田舎より上京中なれば来てもらふては如何などいはるるもあり
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「奥方さまのおたのみで、お
祈祷
(
いのり
)
にあがりました……ハイ、三人の姫君さまが、そろいもそろうてご
風気
(
ふうき
)
の
大熱
(
たいねつ
)
……そのご
平癒
(
へいゆ
)
を神さまにお
祈
(
いの
)
りしてくれとのご
諚
(
じょう
)
をうけてまいりました」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ために平素往々
患
(
うれ
)
うる所の、
扁桃腺炎
(
へんとうせんえん
)
を誘起し、体温上昇し
咽喉
(
いんこう
)
腫
(
は
)
れ
塞
(
ふさ
)
がりて、
湯水
(
ゆみず
)
も通ずること能わず、
病褥
(
びょうじょく
)
に
呻吟
(
しんぎん
)
すること旬余日、僅かに
手療治
(
てりょうじ
)
位にて幸に
平癒
(
へいゆ
)
せんとしつつありしが
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
もう高齢であったから不思議でもないのであるが、そのことから不穏な空気が世上に
醸
(
かも
)
されていくことにもなったし、太后も何ということなしに寝ついておしまいになって、長く御
平癒
(
へいゆ
)
のことがない。
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
一日も早くご
平癒
(
へいゆ
)
あらんことを祈った。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
山崎の守符はそのころ流行したもので、その守符で火傷を
撫
(
な
)
でれば直ぐに
平癒
(
へいゆ
)
すると伝へられてゐた。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とある。即ち皇后御病気
平癒
(
へいゆ
)
を願って
建立
(
こんりゅう
)
された寺であるが、
忽
(
たちま
)
ち
霊験
(
れいげん
)
あって皇后は御
恢復
(
かいふく
)
になった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
夫婦が太鼓をかついでお宮まいりをして親の病気の
平癒
(
へいゆ
)
を祈願したという美談がある、と
真面目
(
まじめ
)
な顔で
嘘
(
うそ
)
を言う古老もあり、それはどんな書物に出ています、と突込まれて
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
摧
(
くだ
)
きて我が妻の
疾
(
やまひ
)
平癒
(
へいゆ
)
成さしめ給へと祈りしかば定まり
有
(
ある
)
命數
(
めいすう
)
にや
日増
(
ひまし
)
に
勞
(
つか
)
れ
衰
(
おとろ
)
へて今は頼み少なき有樣に吉兵衞は妻の
枕邊
(
まくらべ
)
に
膝
(
ひざ
)
さし
寄
(
よせ
)
彼是
(
かれこれ
)
と力をつけ
言慰
(
いひなぐさ
)
めつゝ何か
食
(
た
)
べよ
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
おれは娘の病気の
平癒
(
へいゆ
)
を祈るために、ゆうべここに
参籠
(
さんろう
)
した。すると夢にお告げがあった。左の
格子
(
こうし
)
に寝ている
童
(
わらわ
)
がよい守本尊を持っている。それを借りて拝ませいということじゃ。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
鳴雪
(
めいせつ
)
翁より贈られたるは
柴又
(
しばまた
)
の
帝釈天
(
たいしゃくてん
)
の掛図である。この図は
日蓮
(
にちれん
)
が病中に枕元に現はれたといふ帝釈天の姿をそのまま写したもので、特に病気
平癒
(
へいゆ
)
には縁故があるといふて贈られたのである。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
病気
平癒
(
へいゆ
)
の願に発したものに相違ないが、私ははじめその純白の眼のゆえに、眼病平癒の祈りをこめたみ仏であろうかと想像していたのであった。むろんそうではない。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
本腹
(
ほんぷく
)
なりとは
大納言光貞卿
(
だいなごんみつさだきやう
)
紀州
(
きしう
)
和歌山
(
わかやま
)
にて
大病
(
たいびやう
)
につき
奧方
(
おくがた
)
國元
(
くにもと
)
へ
入
(
いら
)
せられ
直
(
ぢき
)
に
看病遊
(
かんびやうあそ
)
ばされたきよし
度々
(
たび/\
)
の願ひ
先例
(
せんれい
)
にはなく
共
(
とも
)
格別
(
かくべつ
)
の
家柄
(
いへがら
)
ゆゑ
聞濟
(
きゝずみ
)
に成り
國許
(
くにもと
)
へ
登
(
のぼ
)
らせられ
御看病遊
(
ごかんびやうあそ
)
ばし
平癒
(
へいゆ
)
の
後
(
ご
)
懷姙
(
くわいにん
)
なる
故
(
ゆゑ
)
和歌山にて
御誕生
(
ごたんじやう
)
ありしなり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“平癒”の意味
《名詞》
平 癒(へいゆ)
病気が治ること。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
癒
常用漢字
中学
部首:⽧
18画
“平”で始まる語句
平
平常
平生
平素
平和
平坦
平伏
平地
平日
平家