“餓死:がし” の例文
“餓死:がし”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治9
海野十三6
野村胡堂4
夏目漱石2
シャーロット・ブロンテ1
“餓死:がし”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 倫理学・道徳 > 人生訓・教訓6.2%
文学 > 文学 > 叢書 全集 選集4.8%
文学 > フランス文学 > 詩1.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
成経 わしはも一度くり返してあえて言おう。あなたを一人見捨てて都へ帰るほどなら、わしはこの島で餓死がしすることを選ぶ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
縁は不思議なもので、もしこの竹垣が破れていなかったなら、吾輩はついに路傍ろぼう餓死がししたかも知れんのである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私の前には餓死がしと労働の二つの途があって私はただ常暗とこやみの国に行くために、その途の一つをたどらなければならないのだ。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
だが、明智やきみたちが、この洞くつの道にまよって、かってに餓死がしするのは、おれの知ったことじゃないからね。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
わがおかせる罪のため、ついに私の上に天罰てんばつが下った。今や私はこの檻の中で餓死がしするばかりだ。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
毛利家の被官ひかん、清水長左衛門宗治むねはるが、わずか五千の士卒や農兵と共に、餓死がししてもと、死守している敵城なのであった。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「サア、こゞえ死ぬほど寒くはないし、餓死がししたにしてはよく肥つて居るし、——矢つ張り急病でせうな」
城内の通路は、左右、槍ぶすまであった。餓死がししても守りきると覚悟している城内の将兵だけに、一人の藤吉郎を見ても、その眼は殺気立っていた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
成経 わしはあなたを一人この島に捨てて帰るほどなら、むしろ三人でこの島で餓死がしするほうがいい。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
糧道もたれ、水路もふさがれ、外部ともまったく絶縁されている城兵約三千五百が、餓死がしに瀕するのはまずこの一月中旬と見ていたのである。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ。われわれを待っているものは燃料の欠乏だ。食料がなくなることだ。そしてみんな餓死がしするのだ。ああ、おれは餓死するまえに頭が変になりたい」
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
「つまり餓死がししたり自殺したりする手数を国家的に省略してやるのですね。ちょっと有毒瓦斯ガスをかがせるだけですから、たいした苦痛はありませんよ。」
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この調子でいくと、四人はコロラド大峡谷の中で餓死がしするおそれがあることが分った。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ただもう餓死がしを待つより外しかたがないという恐ろしい空間帯くうかんたいだった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
Ⅲ ピオはおそらく日本政府の追捕をおそれて人跡なきところに餓死がしせしならんか?
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お猿や犬の太夫と同じやうに、食物とむちとで馴され、命がけの危ない藝當をさせられるくらゐなら、私は餓死がしした方が餘つぽどしだと思つたので御座います。
「ああ……味方の援軍がここに到る時は、遂に、三千の城兵は餓死がしした後か」
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直接世間を相手にする芸術家に至ってはもしその述作なり製作がどこか社会の一部に反響を起して、その反響が物質的報酬となって現われて来ない以上は餓死がしするよりほかに仕方がない。
道楽と職業 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
前途に対する希望は、ここでしずかに餓死がしするばかりである……。
この夏、城のきさきは皆わが心の塔のうち餓死がししたり。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
方々探しまわった末、天井の上にあたる部屋から救いだされたのは、永らく行方をたずねられていた北岸をはじめ七人の村人だった。その人たちは、あやうく餓死がしの一歩手前で救われたのだった。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「それでは永久に洞穴のなかにいて餓死がしするつもりか」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
眼の不自由な宗兵衞は、二十四になる伜の宗次郎と一緒に、骨にみるやうな貧苦と鬪ひ拔きましたが、近頃はその戰鬪力もうせ、餓死がしを待つばかりの果敢はかない身の上に落ち込んでゐました。
蜂谷にミドリ、それに進も手をかしてドアをこじ明けると、内部を調べてみた。するとはたせるかな、その中には慾深い犬吠が、黄金塊おうごんかいいだいて餓死がししているのを発見した。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わずかに餓死がしを免がるるなど、その境遇の悲惨なるなかなか筆紙ひっしの尽し得る所にあらざりしかど、富豪の家に人となりし彼の、別に苦情を訴うることもなく、むしろ清貧に安んじたりし有様は
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
(この雨風に、濡れもしよう。冷えもしよう。年をとっている体、悪くしたら朝までに死んでしまうかも知れぬ。——いやいや、幾日も、人に気づかれずにいれば、それでなくても餓死がしするにきまっている)
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飼犬かいいぬが主人の少年の病死の時その墓を離れず食物もとらずとうとう餓死がしした有名な例、鹿しかさるの子が殺されたときそれをしたって親もわざと殺されることなどたれでも知っています。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
餓死がしに頻している城の者だ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかるに彼らは真に心の独立を重んじ、ついには我が心にかなわぬしゅうあわを食わずとて首陽山しゅようざんかくれ、歌を詠じて餓死がししたところは、たしかに両人は心の独立を重んじた証拠である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
氷原に誰一人として生きた人間がいなければ、このまま落下傘で下りてみたところで、丁坊は餓死がしするか、さもなければこのへんの名物である白熊に頭からぱくりとやられて、向うのおなかをふとらせるか、どっちかであろう。
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「むなしく餓死がしはせぬつもりだが、さりとて、この一城と、五百のお味方を失いたまわば、岡崎浜松も危うからんと——胸がいたむ。あくまでも——最期の一瞬までも——たとえ土を喰い草をもうと戦わねばならん。……そこでだ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仙台が焼けてさえいなかったら、仙台には二、三の知人もいるし、途中下車して、何とか頼んで見る事も出来るでしょうが、ご存じの如く、仙台市は既に大半焼けてしまっているようでしたから、それもかなわず、ええ、もう、この下の子は、餓死がしにきまった。
たずねびと (新字新仮名) / 太宰治(著)
けれども、もしあなたが餓死がししたなら、それが果されたわけなのですか。誰もみな、ぐづ/\わづらつて、天壽を全うすることなく死ぬやうな運命に、定められてゐるとは、限らない。もしも、お前がこゝで、缺乏の爲めに死ぬことがあれば、お前の運命が、定められてゐるやうには。
それを見せつけられてゐる母の私が、餓死がしする迄も默つて居なければならなかつたでせうか、——玄龍の娘で、この朝井家を横取りしようとしてゐる不義の子のお玉、私の娘のお直を狂ひ死にさせるほどの目に逢はせた時代、それに夫の敵の玄龍を、この私の手で殺したのは無理でせうか。
わしが石の舟となったのは、わしがたち頃から近年にいたるまで、世は乱麻らんまのごとく、武門の道も、生きる道も、洪水こうずいのような濁流だくりゅうおかされ、正しく道をとろうにも、正しく進めず、正義にあろうとすれば、滅亡か餓死がししかないような時代であったからである。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)