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見世物
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みせもの
ふりがな文庫
“
見世物
(
みせもの
)” の例文
又
賞
(
め
)
で
喜
(
よろこ
)
ばるゝと
雖
(
いへ
)
ども
親
(
おや
)
の
因果
(
いんぐわ
)
が
子
(
こ
)
に
報
(
むく
)
ふ
片輪
(
かたわ
)
娘
(
むすめ
)
の
見世物
(
みせもの
)
の如く
賞
(
め
)
で
喜
(
よろこ
)
ばるゝの
謂
(
いひ
)
にあらねば、決して/\
心配
(
しんぱい
)
すべきにあらす。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
蘿月はその頃お豊の家を訪ねた時にはきまって
甥
(
おい
)
の長吉とお糸をつれては
奥山
(
おくやま
)
や
佐竹
(
さたけ
)
ッ
原
(
ぱら
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行ったのだ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
わしはあんなあやしげな
見世物
(
みせもの
)
を、一日も早くなくしてしまわないといけないと思って、思いきってそれをやったのだ
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
見世物
(
みせもの
)
には
猿芝居
(
さるしばい
)
、
山雀
(
やまがら
)
の曲芸、ろくろ首、山男、地獄極楽のからくりなどという、もうこの頃ではたんと見られないものが軒を
列
(
なら
)
べて出ていました。
梨の実
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
そこでくず
屋
(
や
)
は
文福
(
ぶんぶく
)
茶
(
ちゃ
)
がまに、
見世物
(
みせもの
)
でもうけたお
金
(
かね
)
を
半分
(
はんぶん
)
そえて、
茂林寺
(
もりんじ
)
の
和尚
(
おしょう
)
さんの
所
(
ところ
)
へ
持
(
も
)
って行きました。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
どこへか小屋がけをする
飾
(
かざり
)
につかう
鉢物
(
はちうえ
)
で、この爺は
見世物
(
みせもの
)
の種かしらん、といやな
香
(
におい
)
を手でおさえて見ていると、爺がな、クックックッといい出した。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目まぐるしく背景の変る、この
見世物
(
みせもの
)
は、その転換の度毎に、電燈を消すことになっていたので、見物達は、アア、また背景が変るのかと、思ったのだ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
両側の群集は何か素晴らしい
見世物
(
みせもの
)
を期待するかのように、しーんと静まり返って、この儀式を見物している。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「そうですよ。あれじゃしようがない。何か少しこれという
見世物
(
みせもの
)
が一つ位あってもよさそうですね。何か拵えたらどうでしょう。
旨
(
うま
)
くやれば
儲
(
もう
)
かりますぜ」
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
縁日の
見世物
(
みせもの
)
に
出
(
いで
)
し身なりしを、
故
(
ゆえ
)
ありて小屋を忍出で、今この
古刹
(
ふるでら
)
に住むものなれば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
多少女の身体及びその運動を観覧せしめるものだともいえるところの
見世物
(
みせもの
)
であった。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
しかし
我邦
(
わがくに
)
ではまだ臓物の食べ方を知らない人が多いため
美味
(
おい
)
しい臓物も腸と一緒に肥料屋に売られたり、あるいは胃袋なんぞは折々
香具師
(
やし
)
の材料となって縁日の
見世物
(
みせもの
)
になるそうです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
獄裡
(
ごくり
)
に長くつながれたとはいえ、それを囚人あつかいにし、出獄してから後も、囚人であった事を売物
見世物
(
みせもの
)
のようにして、舞台にさらしたり、
寄席
(
よせ
)
に出したりしたのはあんまり
無惨
(
むざん
)
すぎる。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
僕等はいつか
埃
(
ほこり
)
の色をした
国技館
(
こくぎくわん
)
の前へ通りかかつた。国技館は
丁度
(
ちやうど
)
日光
(
につくわう
)
の
東照宮
(
とうせうぐう
)
の
模型
(
もけい
)
か何かを
見世物
(
みせもの
)
にしてゐる所らしかつた。僕の
通
(
かよ
)
つてゐた
江東
(
かうとう
)
小学校は
丁度
(
ちやうど
)
ここに建つてゐたものである。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
紫野
(
むらさきの
)
の
芝原
(
しばはら
)
には、
野天小屋
(
のでんこや
)
がけの
見世物
(
みせもの
)
が
散在
(
さんざい
)
していた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蝋人形
(
らふにんぎやう
)
の
見世物
(
みせもの
)
の夏の
晝過
(
ひるすぎ
)
を
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
見世物
(
みせもの
)
にて見たることあり。
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
見世物
(
みせもの
)
じゃあるまいし」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大入
(
おほいり
)
だ
評判
(
ひやうばん
)
だ四
版
(
はん
)
だ五
版
(
ばん
)
だ
傑作
(
けつさく
)
ぢや
大作
(
たいさく
)
ぢや
豊年
(
ほうねん
)
ぢや
万作
(
まんさく
)
ぢやと
口上
(
こうじやう
)
に
咽喉
(
のど
)
を
枯
(
か
)
らし
木戸銭
(
きどせん
)
を
半減
(
はんまけ
)
にして
見
(
み
)
せる
縁日
(
えんにち
)
の
見世物
(
みせもの
)
同様
(
どうやう
)
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
蘿月
(
らげつ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
お
豊
(
とよ
)
の家を訪ねた時にはきまつて
甥
(
をひ
)
の
長吉
(
ちやうきち
)
とお
糸
(
いと
)
をつれては
奥山
(
おくやま
)
や
佐竹
(
さたけ
)
ツ
原
(
ぱら
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行つたのだ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
マイカ大要塞が、博覧会の
見世物
(
みせもの
)
同然に落ちてしまうんだ。そうなると、太青洋の
覇王
(
はおう
)
どころのさわぎではない。キンギン国は四等国に下ってしまうぞ
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
名物が先ず
蜘蛛男
(
くもおとこ
)
の
見世物
(
みせもの
)
、娘剣舞に、玉乗り、源水の
独楽廻
(
こままわ
)
しに、覗きからくりなどで、せいぜい変った所が、お富士さまの作り物に、メーズと云って
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「へえ。
見世物
(
みせもの
)
でいろいろおもしろい
芸当
(
げいとう
)
をして
見
(
み
)
せて、あなたにたんとお
金
(
かね
)
もうけをさせて
上
(
あ
)
げますよ。」
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
御休息
(
おやすみ
)
なさいまし。」「いらっしゃいな。」と玉の
腕
(
かいな
)
も
露
(
あら
)
わに
襷
(
たすき
)
懸けて働きたまえば、見る者あッというばかり、これにて五十銭の
見世物
(
みせもの
)
とは
冥加
(
みょうが
)
恐しきことぞかし。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
境内へ入るとその
雑沓
(
ざっとう
)
の中には種々雑多の
見世物
(
みせもの
)
小屋が客を呼んでいた、のぞき屋は当時の人気もの
熊太郎
(
くまたろう
)
弥五郎
(
やごろう
)
十人殺しの活劇を見せていた、その向うには極めてエロチックな形相をした
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
何
(
なん
)
とか云ふ
独逸出来
(
ドイツでき
)
の本に、化け物の
画
(
ゑ
)
ばかり集めたのがある。その本の中の化け物などは、
大抵
(
たいてい
)
見世物
(
みせもの
)
の
看板
(
かんばん
)
に過ぎない。まづ上乗と思ふものでも何か妙に自然を欠いた、病的な感じを
伴
(
ともな
)
つてゐる。
支那の画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
見世物
(
みせもの
)
小屋はたたんでしまえ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕
此間
(
このあいだ
)
ふっと、
見世物
(
みせもの
)
というものに気がついたのですよ。そしてね、すばらしいことを思いついたのですよ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
舷側
(
げんそく
)
の明り窓から西洋の景色や戦争の油画を覗かせるという趣向の
見世物
(
みせもの
)
を
拵
(
こしら
)
え、
那破烈翁
(
ナポレオン
)
や
羅馬
(
ローマ
)
法王の油画肖像を看板として西洋
覗眼鏡
(
のぞきめがね
)
という名で人気を
煽
(
あお
)
った。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そのうちに、
鎮守
(
ちんじゅ
)
さまの秋祭の日がきました。いろいろの
見世物
(
みせもの
)
やおもちゃの店がでて、たいへんなにぎわいです。高一は、ミドリをさそっておまいりにゆきました。
電気鳩
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人間
(
にんげん
)
の
欲
(
よく
)
には
限
(
かぎ
)
りがないといいながら、そうそう
欲
(
よく
)
ばるのは
悪
(
わる
)
いことだから、
今日
(
きょう
)
限
(
かぎ
)
りお
前
(
まえ
)
を
見世物
(
みせもの
)
に
出
(
だ
)
すことはやめて、もとのとおり
茂林寺
(
もりんじ
)
に
納
(
おさ
)
めることにしよう。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小梅の伯父さんにつれられて奥山の
見世物
(
みせもの
)
を見に行ったり池の
鯉
(
こい
)
に
麩
(
ふ
)
をやったりした。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
南京出刃打
(
なんきんでばうち
)
の
見世物
(
みせもの
)
が、奇術にまじって、劇場に
掛
(
かか
)
ったんだよ。まともには見られないような、白い、西洋の
婦人
(
おんな
)
の裸身が、戸板へ両腕を長く張って、脚を揃えて、これも
鎹
(
かすがい
)
で留めてある。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと気がつくと、大通りに面した広い空地に、大きなテントが薄白く
聳
(
そび
)
えていた。曲芸の
見世物
(
みせもの
)
だ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そのうちに、いったいがひょうきんなおじいさんのことですから、いつかこわいのも
何
(
なに
)
も
忘
(
わす
)
れてしまって、
見世物
(
みせもの
)
でも
見
(
み
)
ている
気
(
き
)
で、おもしろがって
鬼
(
おに
)
の
踊
(
おど
)
りを
見物
(
けんぶつ
)
していました。
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小梅
(
こうめ
)
の
伯父
(
をぢ
)
さんにつれられて
奥山
(
おくやま
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行つたり池の
鯉
(
こひ
)
に
麩
(
ふ
)
をやつたりした。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし、いっておきますがね、わたしを
見世物
(
みせもの
)
あつかいはよして下さい。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何にも知らない
不束
(
ふつつか
)
なものですから、
余所
(
よそ
)
の女中に
虐
(
いじ
)
められたり、毛色の変った
見世物
(
みせもの
)
だと、
邸町
(
やしきまち
)
の犬に
吠
(
ほ
)
えられましたら、せめて、
貴女方
(
あなたがた
)
が
御贔屓
(
ごひいき
)
に、私を
庇
(
かば
)
って下さいな、後生ですわ、ええ。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母親と
乳母
(
うば
)
とが話す桃太郎や
花咲爺
(
はなさかじじい
)
の物語の外に、最初のロマンチズムを伝えてくれたものは、この大黒様の
縁日
(
えんにち
)
に欠かさず出て来たカラクリの
見世物
(
みせもの
)
と
辻講釈
(
つじこうしゃく
)
の爺さんとであった。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
見世物
(
みせもの
)
の「八幡の
籔知
(
やぶし
)
らず」でさえ、迷い込んだらちょっと出られぬものだ。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そういう人たちは、しらべてみると、みんな前の日に、「透明猫」の
見世物
(
みせもの
)
を見て、そのあやしい猫にさわった者ばかりであったが、そういうことがはっきりするには、それから五日もかかった。
透明猫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
旧劇は
元
(
もと
)
より卑俗の
見世物
(
みせもの
)
たりといへども、昔のまま保存せしむれば、江戸時代の
飾人形
(
かざりにんぎょう
)
、羽子板、
根付
(
ねづけ
)
、浮世絵なぞと同じく、休みなき吾人日常の近世的
煩悶
(
はんもん
)
に対し、一時の慰安となすに足るべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「オヤ、小池君、あすこに
見世物
(
みせもの
)
が出ているようだね」
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大懸賞
(
だいけんしょう
)
の
見世物
(
みせもの
)
透明猫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“見世物(
見世物小屋
)”の解説
見世物小屋(みせものごや)は、珍奇さや禍々しさ、猥雑さを売りにして、日常では見られない品や芸、獣や人間を見せる小屋掛けの興行である。
時代が下るにつれ、主に奇異な外見に重きを置いている点でサーカスと区別されており、海外では「フリークショー(Freak show)」の名称が用いられている。
(出典:Wikipedia)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“見世物”で始まる語句
見世物小屋
見世物師
見世物場