“江東”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうとう80.0%
かうとう20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
江東こうとうの或る商人あきんどの左の二の腕に不思議の腫物しゅもつが出来た。その腫物は人のかおの通りであるが、別になんの苦痛もなかった。
雲霞うんかのような味方の大軍に対して、戦った所が、仕方はありません。それに、烏江の亭長ていちょうは、わざわざ迎えに出て、江東こうとうへ舟で渡そうと云ったそうですな。
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その前身は所謂いはゆるお羽織と言はれた辰巳たつみ藝者の一人で、艶名江東かうとうに隱れもなくいろ/\浮いた取沙汰もあり、板屋順三郎に引かれても幾匹かの狼が、その黒板塀の外をウロウロして
僕等はいつかほこりの色をした国技館こくぎくわんの前へ通りかかつた。国技館は丁度ちやうど日光につくわう東照宮とうせうぐう模型もけいか何かを見世物みせものにしてゐる所らしかつた。僕のかよつてゐた江東かうとう小学校は丁度ちやうどここに建つてゐたものである。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)