江東かうとう)” の例文
その前身は所謂いはゆるお羽織と言はれた辰巳たつみ藝者の一人で、艶名江東かうとうに隱れもなくいろ/\浮いた取沙汰もあり、板屋順三郎に引かれても幾匹かの狼が、その黒板塀の外をウロウロして
僕等はいつかほこりの色をした国技館こくぎくわんの前へ通りかかつた。国技館は丁度ちやうど日光につくわう東照宮とうせうぐう模型もけいか何かを見世物みせものにしてゐる所らしかつた。僕のかよつてゐた江東かうとう小学校は丁度ちやうどここに建つてゐたものである。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
(「お条さん」は髪の毛の薄い為めに何処どこへも片付かずにゐる人だつた。しかし髪の毛をやす為めに蝙蝠かうもりの血などを頭へつてゐた。)最後に僕のかよつてゐた江東かうとう小学校の校長さんは両眼ともめい
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)