“みせもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見世物63.8%
観世物22.4%
観物8.6%
看物1.7%
見物1.7%
觀物1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蘿月はその頃お豊の家を訪ねた時にはきまっておいの長吉とお糸をつれては奥山おくやま佐竹さたけぱら見世物みせものを見に行ったのだ。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
屋敷へはいってからも、林之助は用のひまをみてお絹にたびたび逢いに来た。東両国の観世物みせもの小屋の楽屋へも時どき遊びに来た。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
奇鳥なればふ人も多く、江戸へいだして観物みせものにせんなどいひしも有しが、主人をしみてゆるさず。
市場又は祭礼すべて人のあつまる所へいでゝ看物みせものにせしが、ある所にても見つるに大さいぬのごとくかたちは全く熊にして、白毛雪をあざむきしかも光沢つやありて天鵞織びらうどのごとくつめくれなゐ也。
とほく来りたるものは宿をもとむるもあれば、家毎いへごとに人つどひ、香具師かうぐし看物みせもの薬売くすりうり弁舌べんぜつ、人の足をとゞめてきりたつべき所もあらぬやう也。此初市の日は繁花はんくわの地の喿饒にぎはひにもをさ/\おとらず。
行手ゆくての道の両側には見物みせもの店や、食物店が、それはそれはちょうど九段の招魂社しょうこんしゃの祭りに行ったように奇麗に居並んでいて、其処そこ往来ゆききするお姫様や、小供こどもの姿が手に取るように見えます。
迷い路 (新字新仮名) / 小川未明(著)
またその奇怪な苦悶の觀物みせもの(彼等は觀物と云ふ)を囘避するか、それとも吾々社會生活の圈内から除き去るか、この三つの方法しか無いと云ふのが、彼等の一致した意見なんだ。
奇病患者 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)