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『奇病患者』
ふりがな文庫
『
奇病患者
(
きびょうかんじゃ
)
』
薪の紅く燃えてゐる大きな爐の主座に胡坐を掻いて、彼は手酌でちび/\盃を甞めてゐた。その傍で細君は、薄暗い吊洋燈と焚火の明りで、何かしら子供等のボロ布片のやうな物をひろげて、針の手を動かしてゐた。そして夫の、今夜はほとんど五合近い酒を飮んでも …
著者
葛西善蔵
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約12分(500文字/分)
朗読目安時間
約19分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
下
(
く
)
凝
(
ぢつ
)
被
(
か
)
熾
(
おこ
)
當
(
あて
)
主座
(
よこざ
)
極
(
きま
)
觀物
(
みせもの
)
呼吸
(
いき
)
布片
(
きれ
)
急
(
せ
)
悄氣
(
しよげ
)
惘乎
(
ぼう
)
浸染
(
にじ
)
眞物
(
ほんもの
)
起
(
た
)