トップ
>
文言
>
もんごん
ふりがな文庫
“
文言
(
もんごん
)” の例文
両岸から
鉄線
(
はりがね
)
で
吊
(
つ
)
ったあぶなげな仮橋が川を
跨
(
また
)
げて居る。橋の口に立札がある。
文言
(
もんごん
)
を読めば、曰く、五人以上同時に
渡
(
わた
)
る可からず。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そしてふたたび、書中の
文言
(
もんごん
)
を疑うように、
眼
(
まなこ
)
をそれへ
努
(
つと
)
めてみたが、疑うべくもない文字の上へ、はや
滂沱
(
ぼうだ
)
と涙がさきにこぼれていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はて、いずれの
仁
(
じん
)
かな? が、わしにはそなたの護り袋の中の、
大方
(
おおかた
)
、
父御
(
ててご
)
の
遺言
(
ゆいごん
)
らしいものの
文言
(
もんごん
)
さえ、読めるような気がするのじゃ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ついでに着せもしてやらうと青山の兄から
牡丹餅
(
ぼたもち
)
の様に
甘
(
うま
)
い
文言
(
もんごん
)
、偖こそ
胸
(
むね
)
撫
(
な
)
で下し、招待券の
御伴
(
おとも
)
して、逗子より新橋へは来りしなりけり。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
譬
(
たと
)
えば、いろは四十七文字を習い、手紙の
文言
(
もんごん
)
、帳合いの仕方、
算盤
(
そろばん
)
の稽古、
天秤
(
てんびん
)
の取扱い等を心得、なおまた進んで学ぶべき箇条ははなはだ多し。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
文言
(
もんごん
)
は例のお話の縁談について、明日ちょっとお伺いしたいが、お差支えはないかとの問合せで、配達が遅れたものと見え、日附は昨日の出である。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
其の場の所置が米國婦人の心には非常に不愉快に感じられたので一家は遠からず愛する日本を去りたいとの
文言
(
もんごん
)
である。自分は夢中で車を走らした。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その
文言
(
もんごん
)
は非常に丁寧にしたためてあって、別紙には十箇条ほどの「やわら伝授の目録」というものが添えてあった。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
冥路
(
よみじ
)
のさわりのような心地も致しますけれど、何事もこれまでの定まる縁……こんなことも書いてある、筆もなかなか見事だし、
文言
(
もんごん
)
もうめえものだ
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
手紙はごく短いものであったけれど、そこには、彼女を、もう一度ハッとさせた様な、奇妙な
文言
(
もんごん
)
が
記
(
しる
)
されていた。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
やがて
名宛
(
なあて
)
を
認
(
したた
)
め終ると、「ただ通り一遍の
文言
(
もんごん
)
だけ並べておいたらそれで好いでしょう」と云いながら、
手焙
(
てあぶり
)
の前に
翳
(
かざ
)
した手紙を
敬太郎
(
けいたろう
)
に読んで聞かせた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
悲しむべし
辺鄙
(
へんぴ
)
の小邦、仏法未だ
弘通
(
ぐずう
)
せず、
正師
(
しょうし
)
未だ出世せず、たゞ
文言
(
もんごん
)
を伝へ
名字
(
みょうじ
)
を
誦
(
じゅ
)
せしむ。もし無上の仏道を学ばんと欲せば遥かに宋土の知識を訪ふべし。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
開いてみると「明夜、残余の首頂戴に参堂、御用意あれ」——何とも不気味な、人を食った
文言
(
もんごん
)
である。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
取出し何れもの前にて
讀聞
(
よみきか
)
せ其
文言
(
もんごん
)
は九助事江戸
表
(
おもて
)
より
持歸
(
もちかへ
)
り候金百八十兩
島田宿
(
しまだじゆく
)
藤八へ
預
(
あづ
)
け是あり曼陀羅と引替に
渡
(
わた
)
す
約束
(
やくそく
)
故
(
ゆゑ
)
曼陀羅を
盜取
(
ぬすみとり
)
送
(
おく
)
り
遣
(
つかは
)
し候間右の金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
三月に一度、今の
間
(
ま
)
に半年目、一年目、年始の状と暑中見舞の
交際
(
つきあい
)
になりて、
文言
(
もんごん
)
うるさしとならば
端書
(
はがき
)
にても事は足るべし、あはれ
可笑
(
をか
)
しと軒ばの桜くる年も笑ふて
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
父親の手紙は、いつも同じようであったが、お島の身のうえについて、立っているらしい
碌
(
ろく
)
でもない
噂
(
うわさ
)
が、
昔
(
むか
)
し
気質
(
かたぎ
)
の
老人
(
としより
)
を怒らせている事は、その
文言
(
もんごん
)
でも受取れた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
文
(
ふみ
)
の
面
(
おもて
)
を見ればそんなけびらいは露程もなく、何もかも
因縁
(
いんねん
)
ずくと
断念
(
あきら
)
めた思切りのよい
文言
(
もんごん
)
。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
国元の父と母とへ交る/″\あてた無心も、初めは短い
文言
(
もんごん
)
で足りて、そして金は目算より多く寄越されたが、度重るほど文言は長くなって、そして金は目算より段々少なくなる。
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
そのとき、
配達夫
(
はいたつふ
)
が一通の
電報
(
でんぽう
)
を
配達
(
はいたつ
)
して来た。その
文言
(
もんごん
)
にはこうあった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
その後楠氏の血統は、四度この書を手中に納めたが、書中の
文言
(
もんごん
)
を解く事を得ず、且つは余りに足利の勢威、日本全国に行き渡り、身を置く所もなかったため、一族を率いて信濃に遁がれた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
文言
(
もんごん
)
からいえば愚劣一方のかれの歌が、かれの口にかかると、その手ぶり身ぶりや、からだのこなしや、意味ありげにまたたいたり、舌を口のすみでいやらしく動かしたりするしぐさによって
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
膝
(
ひざ
)
へそれを取寄せて、甲斐守は、少しでも半田屋の有利になるような点をさがそうとした。けれど、証文の
文言
(
もんごん
)
には、針ほどの穴もなかった。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「諸君、少し待ち給え、今、この手紙を読み
了
(
おわ
)
って、それからこの使者の
文言
(
もんごん
)
を聞いてからの上で」
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは小さく畳んだ一枚の紙片であったが、開いて見ると
左
(
さ
)
のような恐ろしい
文言
(
もんごん
)
が
認
(
したた
)
めてあった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
三
月
(
つき
)
に一
度
(
ど
)
、
今
(
いま
)
の
間
(
ま
)
に
半年目
(
はんとしめ
)
、一
年
(
ねん
)
目
(
め
)
、
年始
(
ねんし
)
の
状
(
ぜう
)
と
暑中見舞
(
しよちうみまい
)
の
突際
(
つきあい
)
になりて、
文言
(
もんごん
)
うるさしとならば
端書
(
はがき
)
にても
事
(
こと
)
は
足
(
た
)
るべし、あはれ
可笑
(
をか
)
しと
軒
(
のき
)
ばの
櫻
(
さくら
)
くる
年
(
とし
)
も
笑
(
わら
)
ふて
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼は無言のままもう一枚の書付を開いて、其所に自分が復籍する時島田に送った
文言
(
もんごん
)
を見出した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その後姿を
目送
(
みおく
)
ッて高い男はホット顔、また手早く手紙を取上げて読下す。その
文言
(
もんごん
)
に
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
遺書
(
かきおき
)
文言
(
もんごん
)
本件第十一回目に記載あり其回と
合
(
あは
)
せ讀給べし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と、こういう意味の
文言
(
もんごん
)
。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
証書の
文言
(
もんごん
)
左の如し。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
すこし人を喰ったような
文言
(
もんごん
)
である。会わぬうちから、ずいぶん
交際
(
つきあ
)
い
難
(
にく
)
い人物らしく
窺
(
うかが
)
える。藤吉郎は、なんと読んだか
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでも女のことで、荒らかに封を切るということはなく、
楊枝
(
ようじ
)
の先で
克明
(
こくめい
)
に封じ目をほどいて、手紙の中の
文言
(
もんごん
)
を読んでみると、それがいよいよいやな感じを起させてしまいました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それには
他聞
(
たぶん
)
をはばかる様な種類の
文言
(
もんごん
)
が記してあったとも考えられません。
日記帳
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
右
(
みぎ
)
同
(
どう
)
文言
(
もんごん
)
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
立
(
た
)
ちし
物
(
もの
)
の
此文
(
このふみ
)
には
何
(
なん
)
の
文言
(
もんごん
)
どういふ
風
(
ふう
)
に
書
(
か
)
きて
有
(
あ
)
るにや
表書
(
おもてが
)
きの
常盤木
(
ときわぎ
)
のきみまゐるとは
無情
(
つれなき
)
ひとへといふ
事
(
こと
)
か
岩間
(
いはま
)
の
清水
(
しみづ
)
と
心細
(
こゝろぼそ
)
げには
書
(
か
)
き
給
(
たま
)
へど
扨
(
さて
)
も/\
御手
(
おて
)
のうるはしさお
姿
(
すがた
)
は申すも
更
(
さら
)
なり
御心
(
おこゝろ
)
だてと
云
(
い
)
ひお
學問
(
がくもん
)
と
云
(
い
)
ひ
欠
(
か
)
け
處
(
どころ
)
なき
御方
(
おかた
)
さまに
思
(
おも
)
はれて
嫌
(
い
)
やとはよもや
仰
(
おほ
)
せられまじ
我
(
わ
)
れ
深山育
(
みやまそだ
)
ちの
身
(
み
)
として
比
(
くら
)
べ
物
(
もの
)
になる
心
(
こゝろ
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うっかり
開
(
あ
)
けると、
破
(
やぶ
)
れそうにまだ
濡
(
ぬ
)
れている
墨色
(
すみいろ
)
で、それは少年の
筆
(
ふで
)
らしく、まことに
稚拙
(
ちせつ
)
な走り
書
(
がき
)
。読みくだしてみると、その
文言
(
もんごん
)
は——。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひろげて見ると、
嫉
(
ねた
)
ましいほどに手ぎわよく書いてあって、
文言
(
もんごん
)
は読まない先に、その
水茎
(
みずぐき
)
のあとの
艶
(
なま
)
めかしさと、ときめく香が、お松の眼をさえくらくらとさせるようでありました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこには、つぎのようなばかにしきった
文言
(
もんごん
)
が書きつけてあったのです。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
さらにだんだん見ていると、一角に宛てたその
文言
(
もんごん
)
も激しいが、文字そのものもまた、一字一字
怒
(
いか
)
っている形。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
駒井は、その竹筒を外して見ると、中に一通の書状、手は女で
文言
(
もんごん
)
の意味は
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「——見たところ、血で書いたような文字が、
小法帖
(
こほうじょう
)
の
鳴門水図
(
なるとすいず
)
のあきへべた一面に書いてあったが、てんで、読みようのない
文言
(
もんごん
)
、何が何の意味やら分らねえんだ」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新たなる捨札の
文言
(
もんごん
)
に
曰
(
いわ
)
く
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
信空は、上人の唇から、糸を吐くように出る
文言
(
もんごん
)
をそのまま筆写して行った。かなり長文であった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
という
文言
(
もんごん
)
です。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、今朝の置手紙の真心らしい
文言
(
もんごん
)
を思い出したり、日頃の墨江を考えて打ち消してもみる。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こういって
晴季
(
はるすえ
)
は、
千鳥棚
(
ちどりだな
)
の
硯筥
(
すずりばこ
)
と
懐紙
(
かいし
)
を取りよせ、さらさらと
文言
(
もんごん
)
をしたためだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
書信の
文言
(
もんごん
)
は簡単である。しかし、少しも吉報ではなかった。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ
文言
(
もんごん
)
に困ったのである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
文言
(
もんごん
)
を切って
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文言
(
もんごん
)
は簡単である。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“文言”の意味
《名詞》
文 言(ぶんげん、もんごん)
(もんごん、ぶんげん)(多くは契約書や宣言文、格言など、格式張った文章について)文章中の語句、言葉遣い。
(ぶんげん)中国における伝統的な文章表現(文語)、すなわち日本語でいうところの漢文。またそのような文体。対義語は白話。
(出典:Wiktionary)
文
常用漢字
小1
部首:⽂
4画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“文言”で始まる語句
文言通