“御手洗:みたらし” の例文
“御手洗:みたらし”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花13
吉川英治5
永井荷風3
久生十蘭2
田中貢太郎1
“御手洗:みたらし”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 伝説・民話[昔話](児童)100.0%
自然科学 > 地球科学・地学 > 地震学12.5%
社会科学 > 社会 > 社会福祉10.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それから、江戸時代の神社仏閣の御手洗みたらしにかけてある奉納手ぬぐいを、至るところの休み茶屋や、室で見ることである。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
多津吉は、手足を力なく垂れた振袖を、横抱きに胸に引緊ひきしめて、御手洗みたらしの前に、ぐたりとして、蒼くなって言った。
今と違って遊山半分でもマジメな信心気も相応にあったから、必ず先ず御手洗みたらしで手を清めてから参詣するのが作法であった。
御手洗みたらしを前にして、やがて、並んで立った形は、法界屋が二人で屋台のおでん屋の暖簾のれんに立ったようである。
やがて近づく、御手洗みたらしの水は乾いたが、雪の白山はくさんの、故郷ふるさとの、氏神を念じて、御堂の姫の影を幻に描いた。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは平生へいぜい見かける枯れ葉のたまった水のない石の御手洗みたらしかたわらにある石燈籠いしどうろうの燈であった。
雀が森の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
宗吉はかくてまた明神の御手洗みたらしに、更に、氷にとじらるる思いして、悚然ぞっと寒気を感じたのである。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この横町の奥にちょっとした神社があって、石の鳥居が折れ倒れ、石燈籠も倒れている。御手洗みたらしの屋根も横倒しになって潰れている。
静岡地震被害見学記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
あふれる水にれた御手洗みたらしの石がひるがえる奉納の手拭てぬぐいのかげにもう何となくつめたいように思われた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と、まだ幾分か、宿酔しゅくすいの眼まいを感じるらしく、ふら、ふら、と御手洗みたらしの方へあるいて行った。
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先ず成裕は御手洗みたらしに手を清めて社参すべく拝殿に向い、鈴を鳴らそうとして、手綱の蛇の首に眼が着いた。
壁の眼の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
其の御手洗みたらしの高いふちに乗つて居る柄杓ひしゃくを、取りたい、と又稚児ちごう言つた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
魔をけ、死神を払う禁厭まじないであろう、明神の御手洗みたらしの水をすくって、しずくばかり宗吉の頭髪かみを濡らしたが、
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伊豆石いずいし御手洗みたらしあらったを、くのをわすれた橘屋たちばなや若旦那わかだんな徳太郎とくたろう
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
雪駄せったをちゃらちゃらちゃらつかせてお稲荷詣いなりもうでに、御手洗みたらし手拭てぬぐい
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
彼は、御手洗みたらしの水で口漱くちすすいだ。さらにもう一杓子ひとしゃくし含んで、刀の柄糸へきりを吹き、わらじのにもきりを吹いた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
片側は土手、片側は鉾杉ほこすぎ小暗おぐらい林で、鳥の声もかすかである。御手洗みたらしの水の噴きあげる音が、ここまでかすかにひびいてくる。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
白い素足を闇に見せて、お綱は向うへ走って行った。御手洗みたらしに張った薄氷うすごおりを割って、小柄杓こびしゃくに水をすくったのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あふれる水にれた御手洗みたらしの石がひるがへる奉納ほうなふ手拭てぬぐひのかげにもうなんとなくつめたいやうに思はれた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
杉木立の参道は、霧しずくに濡れていた。季忠は、御手洗みたらし泉屋いずみやに立って、
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
梅、桜、花咲くはここならで、御手洗みたらし後合うしろあわせなるかの君の庭なりき。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「恋せじと御手洗みたらし川にせしみそぎ神は受けずもなりにけらしな」そんな禊もさせたい人であるのを知らない人たちがいろいろに言って騒いでいるのである。
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
赤いメレンスの帯ばかりめていた娘姿が、突然たった一日のあいだに、丁度今御手洗みたらしで手を洗っている若い芸者そのままの姿になってしまったのだ。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その宮の前の御手洗みたらしに水を求めた稚兒は、旱魃を救ふ爲めの女神だつた。
箒を堂の縁下えんしたに差置き、御手洗みたらしにて水をすくい、かみ掻撫かきなで、清き半巾ハンケチたもとにし、階段の下に、少時しばしぬかずき拝む。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御手洗みたらしは清くて冷い、すぐ洗えばだったけれども、神様の助けです。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
甲州佐久さく神社の七釜ななかま御手洗みたらしという清水なども、人がその傍を通ると水がたちまち湧きあがり、細かな砂が浮き乱れて、珍しい見物であるという話であります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
御手洗みたらしの音も途絶えて、時雨しぐれのような川瀬が響く。……
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「すまねえが、御手洗みたらしの水をすくってきて、お千絵様を介抱して上げてくれ。おれはその間に渡し船を探してくる。とても、この火事騒ぎじゃ、橋を越しちゃ行かれねえから」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不躾ぶしつけですが、御手洗みたらしで清めた指で触って見ました。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あわれさまざまのものの怪しきは、すべてわがまなこのいかにかせし作用なるべし、さらずば涙にくもりしや、すべこそありけれ、かなたなる御手洗みたらしにて清めてみばやと寄りぬ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御手洗みたらしや相染川の両岸もろぎしに対ひて明る連翹の花
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
社の前にある御手洗みたらしの池に、この石を浸して雨を祈れば、必ずしるしがあると信じていましたが、どうしたものか後には御幣ばかりになって、もうその石は見えなくなったといいます。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あはれさまざまのもののあやしきは、すべてわがまなこのいかにかせし作用なるべし、さらずば涙にくもりしや、すべこそありけれ、かなたなる御手洗みたらしにて清めてみばやと寄りぬ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……そこに屋根囲やねがこいした、おおいなる石の御手洗みたらしがあって、青き竜頭りゅうずからたたえた水は、且つすらすらと玉を乱して、さっすだれ噴溢ふきあふれる。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
崇徳院の丸木ノ御所の建物をここに移したびょうがある。紫宸殿になぞらえて、左近の桜、右近の橘もあったと聞かされたが、眼に沁みたのは満目の落葉と、昼も解けないでいる御手洗みたらしの薄氷。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
笛も、太鼓もを絶えて、ただ御手洗みたらしの水の音。しんとしてその更け行く。この宮の境内に、きざはしかたから、カタンカタン、三ツ四ツ七ツ足駄の歯の高響たかひびき
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……其処そこ屋根囲やねがこいした、おおいなる石の御手洗みたらしがあつて、青き竜頭りゅうずからたたへた水は、つすら/\と玉を乱して、さっすだれ噴溢ふきあふれる。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
納め手拭を御手洗みたらしの柱へかけて、やしろへちょっと拍手かしわでをうち、茶屋の婆へ愛想よく声をかけてから、崖っぷちへ行って、雪晴れの空の下にクッキリと浮き出した筑波山の方を眺めていた……。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その水は、御手洗みたらし川であった。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
赤いメレンスの帯ばかりめて娘姿むすめすがたが、突然とつぜんたつた一日のあひだに、丁度ちやうど御手洗みたらしで手を洗つてゐる若い芸者そのまゝ姿すがたになつてしまつたのだ。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
二重にも三重にも建てめぐらされた正方形なる玉垣の姿と、並んだ石燈籠の直立した形と左右に相対して立つ御手洗みたらしの石の柱の整列とは、いずれも幽暗なる月の光の中に、浮立つばかりその輪郭を鋭くさせていたので、もし誇張していえば
霊廟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すぐわきに、空しき蘆簀張よしずばりの掛茶屋が、うもれた谷の下伏せの孤屋ひとつやに似て、御手洗みたらしがそれに続き、並んで二体の地蔵尊の、来迎らいごうの石におわするが、はて、このはの、と雪に顔を見合わせたまう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)